虚言で苦しむ理容室Part1

僕は嘘をつく事がある。というか誰でも嘘をつく事はあると思うが、(つかない人もいるのかもしれない。)
どんな時に嘘をつくかというと、職業を聞かれた時に嘘をつく、と言っても大事な書類や病院の受付ではちゃんと記入する。
僕が嘘をついたのは散髪していた時、「今日はお休みですか。」と理容師が話しかけ「そうです。」と僕が適当な返答を言った。すると「お仕事何をされているんですか。」と理容師が聞いてきた。
現在、療養中で何もしていない僕は咄嗟に、料理を〇〇でやってます。と嘘をついた、理容師は話の種をよし見つけた、と言わんばかりに料理の深掘りをしてきて「何料理ですか。」「どれくらい働いてるんですか。」「どんなお客さんいるんですか。」「僕昔アルバイトで料理してたんですよ。」「てか〇〇なら僕の彼女の実家の近くっす。」などなど話す事に集中し手が止まる勢いで怒涛の質問攻め。
正直なところ、仕事していないと怪しまれて人格を否定されてしまうのではないかという被害妄想をして嘘をついたのだが、答えるのに頭を使い神経を磨耗してしまい最初から「休職中です。」と言えばよかったなと後悔する始末。
そんなこんなで初回は懐石料理店の料理人兼雇われ店主になりきりなんとか質問攻めもクリアし会計までに持ち込んだ
しかし、問題は嘘をついた事によってまた生まれて、次回また髪を切らなければならない、その際に前回に嘘をついたので嘘の料理人としてまた散髪をしてもらう事になる。
相手の理容師は僕の事を覚えていない可能性もあるが、その時にまた「今日はお休みですか。」からの「お仕事何をされているんですか。」の話になるとまた料理人として頑張らなければならない。休職中です。といえば最初から済む話ではあるが、前回の事を薄っすらとでも覚えていて料理の話になるとしてもまた料理人スイッチをオンにしなければならない。
こんな事なら最初に咄嗟に嘘をつかなければよかった。
しかし変な人に見られたくないなと思うばかりに言った事が結果として変な人に見られる事になるとは。
ミイラ取りがミイラになるとはこの事だ、違うかもしれないから違う場合は申し訳ない。
僕は明日2ヶ月ぶりに髪を切りに行く、2ヶ月ぶりなのは嘘をついてしまって、期間を開けなければ僕の事を覚えているかもしれないとビビってしまい髪を切りにいくのが億劫になったから。
しかし覚えていたらどうしよう。
第一、料理人がこんな清潔感のないボサボサの髪をしているわけがないので、料理人としての資質を見られてしまい、そこから前回の辿々しい答えと照らしあわせて怪しまれる。どうしよう。
「〇〇で料理やってます」の〇〇とは他県の事を言ったのだが、〇〇で料理やっている奴が、この短い期間でこの店に髪を切りにくるのはおかしいと言う事になって、
理「お客さん前回〇〇で料理やってるって言ってませんでした。」
僕「そうですね。」
理「〇〇からこんなペースで来れるのはおかしいですね。」
僕「……はい。すいません。」と両手を出して理容師が「ワッパ持ってきて。」と手錠を持ってきてかけられてお終いだ。
どうしようかと思い悩み、今回は別の美容室に行く事に決めた。
新しい所なら変に神経使う事なく、このボサボサな髪を切ってもらえる。
この嘘をついた事が原因でこんなにボサボサになった髪ともおさらばだ。
次の店では絶対嘘をつかない事にする。
これは店だけではなく人生でもそうだ生きにくくしてるのは自分の行いだったな、見直す良い機会にさせていただきました。
だけど嘘つくにもつかないにしても神経使ってモヤモヤするなあ。と感じる日々ですね。

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