20170625 文章読解(数の歴史について)
【文章編】
我々は数という概念を使わない日はない。スーパーで卵を買ったり、自動販売機で炭酸飲料を買ったりするといったありふれた行為でさえ、通貨という数字を使わずには生活することができない。 さて、この我々の生活に欠かすことのできない数という概念のルーツは何か。歴史を振り返れば、我々の想像よりもはるか昔から考えられ、また①(生活の知恵)として蓄えられていたということが史実から見てとれる。
まず、1つめの例として、古代メソポタミア文明からわかることを挙げてみよう。現在のサウジアラビアあたりで繁栄したこの文化には、なんと今で言うところのカレンダーが存在していたというのである。驚くべきことに月の満ち欠けを利用し、気候の変動を予測し、生活に活かしていたことがわかっている。このカレンダーのことを太陰暦という。さらに、例をもう1つ。②(世紀の大発見)と言われたインドで見つかった数がある。それは0である。この0という数字の発見のすごいところは、目に見えないものを表したということにある。先ほどのメソポタミア文明の例も先人の知恵として素晴らしいが、目に見えるものを利用している。この「見えない」数字を「見る」ということは抽象的な思考が必要で見つけるのは容易なことではない。また、インド人はわれわれが普段使っている算用数字の発明者でもある。こうした発見により、われわれは108と言った数字や、大小の比較も行えている。それを見つけたインド人はまさに天才である。このたぐいまれなる才能を活かして、今では多くのインド人がITの世界を支えているのだろう。
冒頭で我々の生活には数字が欠かせないと言ったが、それは科学技術の進歩においても同じことがいえる。古代メソポタミアに住む人やインド人のような人がいなければ我々はこれほど豊かな生活を享受することは不可能であっただろう。
【問題】
1. カッコ①における生活の知恵として、当てはまるものを本文中から3字で抜き出せ。
2. カッコ②において、世紀の大発見と言われたのはなぜか。「~あるから。」に続く形で35字程度で述べよ。ただし、句読点等は1字と数える。
3. 次のア~エの選択肢のうち、最もよく当てはまるものを選べ。
ア) インド人が0という数字を見つけたことにより、我々の生活レベルは格段に進歩した。
イ) 0を見つけたインド人は天才であるが、それはインド人が今日のITを支えていることからも伺える。
ウ) 昔のサウジアラビアでは現在のカレンダーにあたるものが考案されており、日常生活において重要な意味を持っていた。
エ) インド人による0の発見は、我々の生活を豊かにすることにつながっている。
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