20170626 出題分の解答
【解答編】
1. 太陰暦 ※太陽暦ではないので注意
2. (例) 目に見えない数字を表すということは、抽象的な思考が必要で発見しがたいもので(あるから。) (37字)
(別例) 0という目に見えない数字を表すには、抽象的な思考が必要で発見しがたいもので(あるから。) (37字)
(ポイント) 「この が指す内容の明示」、「数字を表す」、「抽象的な思考」、「見つけることが難しい」の4要素が満たされていることが重要
3. エ
【解説】
1. ぱっと見では、「カレンダー」、「0の発見」が当てはまると思われるが、これでは字数に合わない。よって、国語がよく要求する技として、「言い換え」ということを使う。そうすると、メソポタミア文明におけるカレンダーとは、「太陰暦」と書かれている。また、思い込みで「太陽暦」と書かないようにすることが重要である。
2. この設問を解くには、「要点の箇所の把握」、「指示後の内容説明」、
「文章の言い換え力」の3つの技術が要求される。まずは、「要点箇所の把握」を行う。インド人の例の文章における構成は次の通り。
・まずは、「0という数字の発見」という具体的事実の提示
・次に、「0という数字の発見」のすごさを説明
・次に、「インド人」のすごさを考えとして述べる ←ココが重要
・最後に補足
なので、そのまま抜き出すとすれば、「この「見えない」数字を「見る」ということは抽象的な思考が必要で見つけるのは容易なことではない」という箇所になるが、このままでは字数の要求も、形も合わないので改変が必要。
続いて、「指示後の内容説明」にうつる。先ほど抜き出した箇所には、「この」という指示後が含まれているので、実はこのままでは答えにならない。抜き出した箇所に指示後が含まれているときは、かならずその内容を明らかにするくせをつけよう。これは英訳をするときも同じことである。さて、「この「見えない」数字」は何かと言えば、もちろん「0という数字」のことである。ここで、「0という数字」は目には見えないということなのであるから、模範解答前半のようなまとめ方をすると良い。
最後に、「言い換え力」。本文の指示は、「~あるから。」に続くようにとなっており、最後がどうしてもうまくつながらない。そこで、「見つけるのは容易なことではない」の部分を改変する必要がある。ポイントは、原文が「ない」になっていることに対して、解答指示が「ある」の形になっていること。そこから、「容易ではない」→「難しいこと」と「ない」がない形にしてみる。ただ、これでも文字数が多い。なので、さらに「発見するのが難しい」→「発見しがたいこと」とまとめ、字数がおさまるように調整する。
※記述問題の表現の違い
・抜き出せ → 抜き出すだけでそのまま答えになる。
・文章中の言葉を使って答えよ、述べよ → 基本的には抜き出すだけでよいのだが、そのままでは文末が合わないであるとか、指示語が含まれているので国語の答えとしては認めがたいケース。裏を返せば、この表現のときは、かならず指示語が含まれているか、文末を改変する必要がある箇所を最初に抜き出すことが肝心である。
3. 明らかな不正解がないパターンの選択肢をどのようにして選別するかの技術が必要である。
ア) 後半部分の、「生活レベルが格段に向上した」が拡大解釈である。この選択肢を選ぶ人の思考はおおよそこんなところだろう。
「インド人は天才」、「ITを支えている」、「科学技術の進歩」→ インド人がいなければこれらはなかったのだから、生活が豊かになったといえるだろう。つまり、格段に進歩していると。
ただし、格段に進歩しているという内容がいささか不明確である。豊かな生活という抽象的な内容との整合性もとれているとは言い難いため、選択肢としては不適当。
イ) 内容だけ見ると、完璧である。 が、1つだけ国語の解答としては残念すぎることがある。それは、「具体的すぎる」ということ。国語の世界においては、具体例を挙げよ、具体的に説明せよ、の他は基本的には抽象的な内容をより妥当なものとして判断することになっている。(投稿者の経験上) したがって、他に抽象的で妥当なものがあるなら、その選択肢には負けてしまう。
ウ) イとまったく同じ理由で、選択肢としては不適当
エ) 最後の部分に書かれていることそのもので、抽象度も他の選択肢に比べて高い。よって、イの説明で述べたように、抽象度の高いものがより適切となるのだから、この選択肢が正解となる。
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