恋ジャズ #22「ハッピーエンドの続き~ Someday My Prince Will Come ~」
シンデレラは
王子様といつまでも幸せに暮らしました。
めでたし、めでたし。
ハッピーエンドのその先は、
おとぎ話に書かれていない。
「いつまでも」なんて言うけれど、
永遠の幸せなんてないことを、私は知っている。
ひと目惚れなんて熱病のようなもの。
一瞬で燃え上がり、一瞬で冷めてしまう。
あるいは、ゆらゆらと不確かな陽炎のようなもの。
あっけなく、跡形もなく消えていく。
きっと、
シンデレラに魔法をかけた魔女も知っていたはず。
彼女の幸せがお城になんてないことを。
きっと、
シンデレラに夢を見せた王子様もわかっていたはず。
ふたりの愛はひとときのまやかしだということを。
だから、
ハッピーエンドの先が書かれることはない。
だから、
ハッピーエンドのその先を、誰も知らない。
けれど、私は知っている。
おとぎ話が本当は、とても残酷な物語だと。
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