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月1000万稼げるスモビジ?それってAIが人間を超えた世界でも成立するの?
―AGI/ASI時代の厳しすぎる試練―
AGI(汎用人工知能)やASI(人工超知能)が登場し、世界が激変したら……。
果たして今のビジネスアイデアは通用するのか?
結論だけ言ってしまうと、「多くのモデルは一瞬で粉砕される」。
情報生成なんて秒速で自動化されるし、コンテンツ供給過多で差別化が非常に難しくなる。
2020年代前半に人気だったアフィリサイトやブログ、SNS発信モデルは、もはや金にならない。
しかし、それでも「残るもの」はあるし、「工夫次第で食っていける」領域はゼロではない。
ここでは、過去に提示されたいくつものビジネスモデルをさらいながら、AGI/ASIの衝撃を踏まえて“辛口評価”を下し、最終的に「どうすりゃ個人が生き残るか」を鋭く探っていく。
衝撃に備えろ。
AIがもたらす四つの衝撃
1. コンテンツ供給過多
AGI級のAIを待たずして、すでに文章・画像・動画・音声など、ありとあらゆるコンテンツが爆発的に増えた。
しかもコストはほぼゼロ。
人間がひいひい言いながら1時間かけて書いた記事を、AIは一瞬で生成してしまう。
そうなると、差別化が死ぬほど難しくなる。
ありふれたノウハウや情報は一瞬でコモディティ化し、「いや、それ全部AIでよくね?」となりかねない。
2. レッドオーシャン化の加速
誰でもAIを使えるようになるほど参入障壁が下がり、かつAI活用の差が一瞬で埋まる。
昨日まで“オレだけが知る秘伝の〇〇術”を売っていたとしても、AIが膨大なデータから学習してあっさり同等レベルのソリューションを無料公開。
まさに地獄絵図。
3. 信頼・ブランド・人間味の再評価
でも、人間は“人間らしさ”に価値を感じる。
機械的かつ無機質なAIに囲まれるほど、リアルなコミュニティや人間力への欲求が高まる可能性がある。
「この人に会いたい」「この人と話したい」「このコミュニティに属したい」
この感情こそが、AIの洪水に対抗する最大の武器になるかもしれない。
4. “人力か、AI活用か”の極端化
中途半端なAI導入では他社も同じことをしてくる。
じゃあ“AIが苦手”な領域を攻めるか――たとえばリアルイベント、オフライン体験、カウンセリングなど“人間味”が鍵になる分野。
あるいは逆に、AIをフル活用して競合の10倍の効率を叩き出すか――。
「とりあえずちょっとAI使ってます」レベルじゃ埋没する、これがAGI/ASI社会のシビアな現実だ。
個別ビジネスモデルはどうなる?
以下、Xなどでも時々ポストされる「個人が月1000万円クラスを目指すビジネス」を想定して、一通りのモデルを見てみよう。
1. 特化型ウェブメディア(ブログ/アフィリエイトサイト)
リスク:
AI記事生成との競合。Google検索そのものがAIチャット化し、サイト閲覧なしで情報を得られる。
よほどマニアックな現場レポートや、リアルネットワーク活かした独自ネタがないと厳しい。
月1000万円の壁:
アフィリでここに行くには昔のような“大量PV + 高単価”が必要。
資本力のある大手がゴリ押ししている市場で、個人が勝ち続けるのは至難。
2. ニッチなニュースレター / オンラインマガジン
リスク:
“ニッチだし翻訳記事まとめればOK”と思いきや、AI翻訳の進化で情報を無料で得られる世界が来る。
ならば「マニア同士のコミュニティ熱」や独自取材が必要だが、個人にとって相当労力がかかる。
月1000万円の壁:
月額課金 × 読者数 = シンプルだが、大衆向けではなくなるほど読者数が限られ苦戦。
価格を上げれば上げるほど、“サポート”“コンサル”に近くなる。結局、大変。
3. YouTubeチャンネル運営
リスク:
AI自動動画が席巻しつつある。顔出し系でも、キャラやストーリーをAIが生成し視聴者を奪うかもしれない。
映像編集もAIで一気に自動化。差別化は“個人の人間臭さ”くらい。
月1000万円の壁:
広告収益のみではキツい。企業案件、コミュニティ誘導、グッズ販売など多角化が必須。
個人が手広くやりきるのは時間も体力も削られる。結局、チーム化が前提になる。
4. SNSインフルエンサー / テーマアカウント
リスク:
AI大量生成のコンテンツが溢れると、フォロワーが「インフルエンサーの情報」自体をそこまで求めなくなる可能性。
差別化はカリスマ性かリアルイベント連動など“人対人”要素しかない。
月1000万円の壁:
大量フォロワーを抱え、高単価なスポンサー案件を連発すれば不可能ではない。
しかしフォロワー10万~30万規模の競合が山ほど出て、消耗戦になりがち。
5. オンラインコミュニティ / サロン運営
リスク:
「ただ情報を共有するだけの場所」はAI要約・AI相談で代替される。
サロン内コンテンツが外部にダダ漏れしたり、無料まとめサイトができる懸念。
月1000万円の壁:
有料コミュニティで継続収益を生むのはサブスク的に強いが、トップクラスに登るにはブランド力が不可欠。
個人のカリスマ性や“実践サポート”“体験交流”が求められる。労力はデカい。
6. 特定業界向けSaaS
リスク:
AGIのレベルになれば業務管理システムや特化型アプリがプラットフォームに吸収されやすい。
ちょっとした便利SaaSはすぐ大手に機能コピーされ、価格破壊。
月1000万円の壁:
うまくサブスクを積み上げれば安定収益だが、初期開発費・サポート費用も大きい。
結局、法人化してチームで回さなきゃスケールは難しい。
7. 中古品・限定品のオンライン転売
リスク:
AIが相場を常時監視・分析して価格差を瞬時に消していく。
個人の目利き力が光る分野はあるが、ニッチすぎるとすぐ希少在庫が尽きたり、真贋トラブルのリスクあり。
月1000万円の壁:
中古ブランドやレアスニーカー転売は既にレッドオーシャン。
今後はさらに情報格差が埋まり、利益率が下がる見込み。
「月1000万円を安定させる」は宝くじ化
こうして見ると、月1000万円を継続するのはかなり厳しいのが見えてくる。
AI前提ですでに競争が激化している現状に、さらにAGI/ASIクラスが来たらどうなるか。
レッドオーシャンが加速し、すでに“勝者総取り”状態がさらに進む
個人レベルで参入して勝っても、すぐ模倣される
大手プラットフォームや海外巨大資本が焼き畑する
結論は“月1000万が宝くじ化”するという厳しめの総評に落ち着く。
もちろん、当たる人は当たるし、成功者がゼロになるわけではない。
ただし再現性は限りなく低い。
生き残りの要諦:AIに取り込まれない“人間要素”
それでも「ゼロではない」。
どんな状況でも勝つ人はいる。
1. “AIが苦手な領域”を狙う
完全オンライン完結の情報ビジネスはAI得意分野。被りすぎるとあっさり価値が下がる。
そこでリアルやオフライン体験、対人サポート、職人的技能指導など、AIが即座には置き換えにくい付加価値を加える。
たとえばコミュニティなら「リアルイベント」「オンラインでも実践フィードバック」「仲間とのコラボ企画」などで差別化。
2. 個人ブランド・人的魅力の極限強化
単なる情報提供だけじゃなく、「この人の話が聞きたい」「このコミュニティに属したい」という感情を駆動させる。
AIのスーパー知識よりも、“カリスマの生声”や“温かみのある励まし”にお金を払う人もいる。
簡単ではないが、ここが最強の参入障壁になるかもしれない。
3. “AIを使いこなし、サービスを仕組み化”
AI導入コンサルやAI-人間コラボを可能にするプラットフォームを提供するなど、“AIを活用する立場”に回る。
AI単体では解決しにくい領域に、人間サポートを組み合わせたトータルソリューションを展開。
既存ビジネスをAIで効率化し、圧倒的な低コスト・高品質を維持する戦略もあり。
4. 法人化・チーム化レベルの本気投資
月1000万円の安定を狙うなら、もはや個人の片手間じゃ無理。
チームや外注を駆使して“守れる土台”を築き、機能改善や広告宣伝を続ける。
大なり小なり「組織」を作らないと、AI大手・競合の攻勢に耐えられない。
5. FOMOマーケに依存しすぎない
一時的な「不安を煽る」モデルはAI社会では長く続かない。
「AIが無料で代替情報を提供するからもう要らない」と見限られて終わる。
代わりに“ポジティブ体験”や“承認欲求”“自分自身の成長実感”を提供し続けるコミュニティが長生きするはず。
それでも「千万」を目指すなら…
以下ではAIが人間を大幅に超える社会を前提に、個人で目指せるかもしれないモデルを考えて見る。
ハイエンドB2Bコンサル
AI導入・DX支援を個人で請け負い、1社数百万円以上のコンサル費を得る。
数社こなせば3000万到達だが、実際はバックオフィスや技術サポートで外注必須。
超高額オンラインコミュニティ
月10万円~30万円クラスの会費で、エグゼクティブや投資家向けのクローズドサロンを運営。
300人集めれば月3000万円。
ただし、よほどの実績や人脈がないと無理筋。
AI×個人トレーディング(投資ツール販売)
AI自動売買システムを開発orチューニングし、個人投資家に月額3万円で提供。
1000人契約で3000万。
投資実績が下がれば即解約が連発。金融法規制も面倒。
AI特化型プロンプト作成代行 / カスタムツール販売
ChatGPT活用がみんな得意になれば、数年後にオワコン化する恐れ。
今は市場空白でも寿命は短そう。
クローズド“AI生成コンテンツ”ストック販売
月額サブスクで膨大なAI生成素材をダウンロード提供。
企業が自前でワンクリック生成する時代が来ると終焉必至。
――などなど、どれも一長一短。実質的に「潜在チーム化」と「絶対的な差別化」が前提だとみていい。
“完全個人”の肩書はあれど、実態は外注や提携先などを総動員する必要がある。
「年商2000万円」クラスはまだリアル
逆に、年商2000万円(つまり月160~170万)ならハードルがグッと下がる。
AI社会でも以下のパターンで十分到達しうる。
A. 専門スキル × オンライン講座 / コンサル
Zoomやチャットで個別に教える。月額5~10万円 × 20名ほどで月100~200万円。
プログラミング、デザイン、語学、マーケティング……いくらでも切り口はある。
AIを併用しつつも“人間のフィードバック”に本質をおくなら、代替されにくい。
B. 小規模有料コミュニティ
月額5000円 × 300~400名 = 月150~200万円。
ニッチテーマで濃いファンが集まり、“ここにしかない体験”を提供できれば継続する。
主催者がコンテンツを作る負担が大きいので、メンバー同士の盛り上げを誘発できる仕組みがカギ。
C. B2B向けライトDX支援
AI導入コンサル、SNS運用、デジタル化サポート。
大企業より中小企業を対象に、月10~20万円レベルの顧問契約を複数取る。
特定業界で抜きん出た知識を持っていると一瞬で顧客開拓が進む場合がある。
D. コンテンツ販売+コミュニティ(個人IP型発信)
自身の体験や実績を基にした教材(PDF、動画)を販売。
その購入者をコミュニティに誘導し、追加月額課金を得る。
「AIが作れない濃い経験談」「失敗談含めたリアルストーリー」を重視するのが、差別化の要。
E. ハンドメイド/AIアートのオンライン販売
AI生成のデザインを、人間がさらに仕上げて“唯一無二の作品”にする。
1点数万円~数十万円で売れる高単価アートをSNSでアピールし、定期的に販売。
在庫リスクや受注対応などのオペレーションは要注意。
どれもまだ「完全個人」で十分まわせるし、運用自動化や外注を一部取り入れても、年商2000万クラスなら利益は残る。
まとめ:AGI/ASIでも崩れにくい“個人ビジネス”は?
長々と述べてきたが、最終的に要点を総括する。
月1000万円を超えるビジネスは“宝くじ化”が進む
AIが収益チャンスを生む一方、模倣・価格競争もエグい。
差別化に成功しても、維持には巨大な投資が必要。
個人が年商2000万円前後を狙うならまだ現実的
ニッチな専門性+コミュニティ+AIを適度に活用することで、月160万~200万円なら射程圏内。
小規模サロン、コンサル、オンライン講座、デジタル商品販売など。
AGI/ASIでコンテンツが無限増殖するほど、“人間らしさ”に価値が集中
機械にはないカリスマや信頼関係、リアルタイム体験の提供こそ強み。
同時に、AIとの協業も不可欠。効率化を取り入れないと埋没必至。
“ニッチ×更新性”のテーマが熱い
変化がない分野はすぐにAIが追いつく。
日々新しいネタが生まれる分野なら、コミュニティや定期購読が成立しやすい。
コミュニティ運営でも“人間同士の交流”が肝
コンテンツ共有だけのサロンはAIに代替される。
実際のやり取り、コラボイベント、リアル体験のサポートがなければ会員離脱が加速する。
おわりに
AGIやASIが現実のものとなり、世界が激変する――それは10年先かもしれないし、思ったより早いかもしれない。
とにかくAIとどう共存するかが勝負の分かれ目だ。
情報やノウハウを撒き散らすだけのビジネスは軒並み潰れる。
その一方で、人間同士が交わるコミュニティの価値は増す可能性がある。
リアルイベントやコーチング、個別フィードバック、超ニッチ情報の深掘り――AIでは補いきれない部分をどれだけ作り込むかが肝心。
AGI時代、選択肢はこの三つに絞られるかもしれない。
どうせなら面白い勝負をしてみるのもアリだろう。
恐れるなら今から撤退すればいい。
でも、時間は待ってくれない。
未来は残酷。
だが、その残酷さの中にも“人間味”が輝く余地はある。