推しが映像化されるのはうれしい
いいなぁと思っている作品が映像化されるのはうれしい。私の目に入ってくるほどには世の中で認知されているけれど、メジャーというわけではなかったのが、映像化されると一気に広がっていって、しかも、私が原作に思っていたような評価がされているのを見るとうれしい。映像の力の大きさもあるけれど、きっと原作を反映して、素敵に仕上がっているからだろう。
私と同じように、いや私以上に、映像化するために自分のリソースを投じようと思うほどに気にいって動いた人がいるから、多くの人に知られるようになって、原作を手に取る人も増えた。私は1冊買う分ほどしか後押ししていないけれど、それでも「小さい頃からかわいがっていた親戚の子が、大きくなって世で活躍するようになった」にたぶん近いうれしさと誇らしさがある。
どれも子どもが大きくなるに近いほど、原作が出てから映像化まで時間が経っているのも、作品のたちを表しているように思う。
そんな作品のまず一番は、『この世界の片隅に』(こうの史代)。映像化のクラウドファンディングの呼びかけを見つけ、一瞬考えて、よしと思って見た時には締め切られて進んでいた。
https://www.futabasha.co.jp/introduction/konosekai/index.html
こうの史代の漫画はどれも好きで、一時期そろえた。最初に手にとったのは『夕凪の街 桜の国』だった。原爆のその後の負の部分を描いていて、胸が締め付けられる。ひそかなお気に入りは『さんさん録』。おじいちゃんの家事日記、という漫画でなかなか見かけない設定でいい。生活を描く作家なのだと思う。
『日々是好日』(森下典子著)はお茶を習う日々を綴ったエッセイだから、これが映画になるんだ!?と驚いた。でも、茶室の様子は、お花にお庭、掛け軸と絵になりそう。樹木希林の遺作になった。
https://www.shinchosha.co.jp/sp/book/136351/
『西の魔女が死んだ』(梨木香歩著)も、情景描写が美しい作品だから、映像を楽しめそう。梨木香歩の作品もとても好きでそろえていて、『からくり からくさ』が映像化されたらどんな感じに作られるんだろうと思ったりする。
https://www.shinchosha.co.jp/sp/book/125332/
そして最近ではこれ、『きのう何食べた?』(よしながふみ)。実写化のテレビドラマが評判がよくて一気にメジャーになった感。役者さんの力は大きいんだろうけれど&再現度合いも高いんだろうけれど、原作そのものも面白いよ!!と声を大にして言いたい。ゲイ入門の書としてもうってつけ(それで人に貸したりもした)。
ドラマ化で待望のレシピ集が刊行されたのもうれしい。これまではいちいち「どの巻だっけ・・・?」と漫画のページを繰っていたから。つい読んじゃったりして。
http://morning.moae.jp/lineup/24
実はどれも映像の方は見ていない。もともと映像作品をそれほど観ないというのもあるけれど、原作に思い入れのある分、どうしても比べてばかりしまいそうだから。でも、こうして書いてきて、きっと大丈夫だから観てみようと思っている。