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内藤 奈美
2017年5月11日 23:43
「響かない日」たまに、とても好きなはずのものが薄いベールの向こうにあるように、ほんの少しだけ届かないような感覚になるときがある。遮光カーテンに透けているような、やわらかな光を部屋の中で感じている。わたしのいる場所にも光はわずかに届いていて。午後の、頂点を少しだけ過ぎた優しさがそこにはあって、きっと、恐らくは満たされている。陽光は灼けるような強さでは決してないのに、わたしはどうしてか、そ