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言の葉【詩】

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#自由詩

詩 『可視光線』 (2022)

可視光線

その空は青いのか。

半年ぶりに休みが取れた日曜日
地球はどこまでも平らかで、
球体、ということを忘れさせる。
公園のベンチできみを見ていた、
それは一種のメロウな呪いで
錯覚という幻影の中で
眠らない夢を抱いている、
体はいつも正直だから
きみに嘘は吐けなかった、
 真摯で陳腐な文字が遠くで
       私を否定している、
きみはいつも柔和に笑って
足元の土を指先で突く、
凸凹なの

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詩 『星の街』 (2023) 【朗読あり】

星の街

繁華街のぎらぎらしたネオンも昼間は身を隠しているから、雑踏の只中でもどこか心許なく、そうして星を待つのがわたしたちだ。地上に生えた、めらめらした揺らぎは太陽の下で皮膚の内側に宿ります、浸潤して、血管を巡って、排気ガスを吐くようにやがては人から人へ循環する、触れ合った肩だって冷たい、かもしれないので、不純物を箱に詰めた祝福の、呪い、それが、てらてらとかがやいて見えるのは色眼鏡のお陰でした、

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詩 『雨の降る部屋』 (2020)

雨の降る部屋

猥雑なテレビも部屋の明かりも消すと、冷蔵庫の低い唸りと時計の針だけが音を支配する、誰かを傷つけてしまった夕暮れ、嘲笑うように雨は降り出し、傘を持たないぼくの上着に浸水する準備をさせた、数刻前のあの水滴が滲み出して、今さらのように足下には水溜りができている。
長い長いセンテンスを振り返れば、なぜ、も、どうして、もそこにあるのに、知らない振りをするから日々に自分が溶けていく、ぼくにはも

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詩 『夜間高速、疾るうたかた (リーディングver.)』 (2017) 【動画あり】

夜間高速、疾るうたかた

葉脈に水を通すように
侵食、這いつづけ
温度を運ぶ
(或いは運ばない)
ひかりの流線は
都市の青い血管
つめたさが肌を刺し
神経は撫でつけられ
絶え間なく 伝達を繰り返す

埋まらない隙間
記憶の距離に数値はなく
(交通情報をお伝えいたします)
抑制を効かせた感情
誰でもない何かに向かい
車体は、無機質に滑る

手をのばした
指先の 沸騰した黒い
深いアスファルト、
駆け

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詩 『浮く耳』 (2022)

浮く耳

なんでもないからここにいたんです。
痛いのは耳
冷たい夜気
スピーカーから流れる
電子音のノイズ
電流が乱れると音量が振れるの
まるで心霊現象
みたいに。
驚かないでください
調光器が不安定なんです
少し不安なだけなんです
安定を切り離したら
定まらなくなっただけなんです
あなた、
どこに
いたんですか。

だからね、
なんでもないからここにいたんです
意味が必要だったんですか
意義が求

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詩 『巡、』 (2022)

巡、

それだから眠れなくて書き記す、ぼやけた思考が巡回している、きみはここにいた、その確らしさを求める数式には出会えなくて、「これは証明の問題ではありません」 言葉という記号すらも解体してしまいたい、表音の、裏側に、表意、憑依、されてしまった意図が、この文字列の表皮に爪を立てて、掻きむしる、快感と自責は隣り合わせだ、いつだって四隅を埋められなくて、ぱたぱたと真っ黒に染まってゆく盤面、ただ、こうし

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