人間関係は、バラバラに年をとる。

私たちは、関係が何年目かを結構気にする。

「もうこいつとは十年来の付き合いなんだぜ。」なんてセリフを聞いたり、カップルに付き合って何年目なのかを聞いたりすることも多い。

でも関係が何年経ったかを気にする一方で、あの人はいつも短時間で人と仲良くなるなとか、この子は出会ってもう五年目なのになかなか距離が縮まらないな、なんて経験もある。

今回は、あなたと目の前にいる人の関係を、好きな速度で深めていってほしいなという話です。

ゆっくり歳を取る関係と、すぐに成熟する関係。

宇宙では、場所によって異なる速さで時間が流れる。そんな風に、人の関係も、違う速度で深まっていくんじゃないかと思う。

深い関係といっても、お互いのことをどれくらい知っているか、お互いの好みをどれくらい理解しているか、思い出をどれくらい共有しているかなど、測り方はいろいろある。

でもどの測り方を選んだとしても、出会ってからの年月と人間関係の深さは、あんまり関係ない。

出会って三か月で深い悩みまで相談しあっている二人もいるだろうし、出会って十年目でやっと相手の好みを理解し始めた二人もいるのだ。

もちろん、速度が早ければ早いほうがいいわけでもない。

だからきっと大切なのは、目の前にいる彼・彼女と自分の間には二人だけの速さで時間が流れているというのを、忘れないことだ。

あなたとその人との速度を大切にする。

あの子みたいにすぐ人と仲良くなれない。私とあの人はもう三年も一緒にいるのに、他のカップルよりも関係が深まっていない。

こんな風に、他の関係とスピードを競う必要はない。

結局あの人とは三ヵ月しか続かなかった。この人はもう親友みたいに感じるけれど、出会ってまだ一年も経っていないから、信頼しないほうが良いかもしれない。

そんな風に、他の関係と月日を競う必要もない。

どこかの二人よりも時間をかけて関係を深めたっていいし、どこかの二人よりも短い時間で一気に関係を深めてしまってもいい。

他の人に何を言われたって、あなたとその人が好きな速さで、近づいていけばいい。

少しずつ相手を知るほうが、楽しみだって長持ちするかもしれないし、時間が短くたって十年過ごした二人よりも深い関係になることもある。

周りの関係と深まる速さや月日を比べるよりも、今までの二人をゆっくりと思い返して考えた方が、相手があなたへ抱いている思いの強さは正しく測れる。

だから、周りの言葉に焦ったりすることなく、堂々と好きなように、関係を作っていけばいいんだと思う。

オマケ：関係を早く深める方法

他の関係と比べるわけではなくて、ただその人と今より早く関係を深めたいという場合もある。

そんな時は、「多く・広く・深く」を意識してみるといいかもしれない。

コミュニケーションの授業で習った学術的なことなのだけれど、話す回数が多くて、話題が広くて、会話の中身が深いと、関係は深まるらしい。

だから、いつも当たり障りのないことばかり話しているなら、普段話さない真剣な話をしてみてもいいし、仲良くなりたい人がいるなら、回数を増やすためにご飯に誘ってみるといいかもしれない。