最後にただ幸せだったのはいつだろう。
いいことがあったら、悪いことがある。
気がついたらそんな風に思うようになっていた。
友達から、恋の相談を受ける。
「昨日は一緒に勉強できた。距離が縮まった気がする。一緒にライブに行くことにもなった。」
そんな時私たちは、期待しすぎるなと自分に言い聞かせる。
相手も自分に気があるかもしれない。
そう思った瞬間に、自分以外の誰かと楽しく話す相手を見て、特別な友人ですらない自分を嫌いになるからだ。
楽しい時ほど、その時間はいつか終わるという事実に悲しくなる。
嬉しいことがあるほど、次に何か不幸なことが起きそうで不安になる。
トラブルがあって、友人に相談した。
相談するうちに、涙が止まらなくなった。
でもそれと同時に、私は笑った。友人の前で泣くのが、恥ずかしかったから。
「なんで私泣きながら笑っているんだろう。」と、冗談で言った。
「それは惨めになりたくないからだよ。」と言われた。
確かにそれもあるかもしれない。悲しい時こそ、人は笑う。
辛い時こそ、乗り越えた後の幸せを想像して明るくなる。
昔は、ただその一瞬一瞬を味わっていた気がする。
ディズニーランドが果てのない大きな夢の国に見えていた時、私はただ楽しい時を楽しんでいた。悲しいときは世界の終わりだった。
でも生きていくうちに、楽しいときはいつか終わり、大きな期待ほど外れた時に自分が辛い思いをすることを学んだ。
どんなに悲しくても世界は終わらないし、変わりもしないことを学んだ。
これが大人になるってことかなって思った。
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