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京都市行財政改革案へのパブリックコメント文例集 ─ 学童保育編 ─

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[ 行財政改革1 事業見直しや受益者負担の適正化等 ] より
「5 国や他都市の水準を上回って実施している施策等の見直し」
「② 受益と負担のバランスの観点から利用者負担の公平性を高めるための制度の主な見直し」の2項目目

■「学童クラブ事業に関する利用料の改定」(p.31)
(1) 文中の「学童クラブ事業のうち,サービス内容等が異なる地域学童クラブ,放課後ほっと広場の事業形態の整理や,京都市外に居住する児童の利用者負担のあり方についても併せて検討します」について


サービス内容等が異なるために事業形態の整理対象として上がっている、
地域学童クラブについてです。「事業形態の整理」が何を指すのか不明ですが、もし「公設の学童クラブ事業とはサービス内容が異なる」として、このカテゴリの補助金カットを十把一絡げに進めるお考えであるとしたら、その考えには反対です。

現在、地域学童クラブのリストには15箇所が挙げられておりますが、
ここには、

1) 私立病院を経営母体とする洛和御所南学童クラブ等の民間学童
2) 学童のない時代に保護者たちが集まって立ち上げた共同学童保育所

が混在しています。

共同学童保育所は具体的には「衣笠金閣共同学童保育所子どもの家」「一般社団法人共同学童保育所虹の子クラブ」の2箇所のみですが、現在は社会福祉法人傘下の「原谷学童保育所」も元々は共同学童保育所であり、今も保育園と保護者の共同運営を続けています。

”サービス内容等が異なるために事業形態の整理対象” が何を意味するのか、この改革案からは読み取れませんが、もし「公設の学童クラブ事業とはサービス内容が異なる」として、このカテゴリの補助金カットを十把一絡げに進めるお考えであるとしたら、保護者負担の軽い公設学童ではなく、保護者負担をいとわずに良質な保育を自分たちで作り上げようとしている共同学童保育所保護者=市民の善意をないがしろにし、むしろ地域の力を削ぐことにつながる、と考えます。

共同学童保育所には、地域や自分たちのことは自分たちで決める自治精神を涵養する働きがあり、自分が通った学童を誇りに思い、わが子にもその生活を経験させたいと小学校入学を見据えて出身地域へ戻り、親子二代で通っている家庭もあります。

「みんなでめざす 2025 年の姿」には "地域に住むものがみずからの意思と責任でみずからのまちづくりを進める時代" ということばがあり、これからの京都は「自分ごと」「みんなごと」として自発的に取り組む団体や個人を支援する「“みんなごと”のまちづくり推進事業」を進める方向であると理解しました。

共同学童保育所はその方向性に合っています。営利目的の民間学童と同等と見做されて不利益を被ることがないよう、善処ください。(841字)


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[ 行財政改革1 事業見直しや受益者負担の適正化等 ] より
「5 国や他都市の水準を上回って実施している施策等の見直し」
「② 受益と負担のバランスの観点から利用者負担の公平性を高めるための制度の主な見直し」の2項目目

■「学童クラブ事業に関する利用料の改定」(p.31)
(2) 文中の「国の考え方以上の大幅な負担軽減を行っている学童クラブ事業に関する利用料について,現在は利用者の所得に応じた応能負担としていますが,サービスの利用量に応じた応益負担への転換を図ります」について

サービスの利用量に応じた応益負担への転換には反対です。

現在、京都市で小学生が放課後を過ごす場所として、学童保育と放課後まなび教室があります。

また、民間企業が運営する「学童保育」と名のつくところもありますが、児童福祉法等に則って開設していないところは、習い事要素の強い、本来の「学童保育」とは別のものです。



今回、改革案で提案されている「サービスの利用量に応じた応益負担」は、塾や習い事、手荷物預かりサービスなどのサービス業の考え方であるように思われます。保育料ではなく「利用料」と書かれていることからもその考えが伺われ、残念に思います。



学童保育所に子どもたちは「ただいま」と言って帰ってきます。
帰宅後の家庭に誰もいない子どもにとって、学童は第二の家庭であり、指導員は学校での話を最初に聞いてくれる家族のような存在だからです。

学童保育での保育とは、単に大人がいる環境で子どもを時間決めで預かるものではなく、 個々の子どもの個性を見抜き、年齢に合わせた適切な働きかけをすることで、子どもの成長を促すものです。



小学生は幼年期から青年期に向けて、大きく変化し成長する時期であり、 高学年になると第二次性徴が始まり、思春期を迎えるといった期間に当たります。 子ども自身が戸惑いを抱えながら成長する時期でもあります。 適切なタイミングで入る大人の働きかけがまだまだ必要な時期です。



経験豊かな信頼できる指導員のもとで、子どもたちが安全で楽しい生活を送ることが出来ていると思えばこそ、 親は安心して仕事に出かけることができます。

学童を長時間利用する家庭というのは、親が家庭にほとんどいられない家庭ということであり、なかには時間単価が安いパート仕事をかけもちして生活費を稼いでいるシングルマザー家庭も含まれます。

そういった家庭が、保育料増額に耐えきれずに学童を退所することになると、その子がこれまで築いてきた、指導員などの親以外の頼れる地域の大人と関わる場が失われ、非行リスクが上がります。



p.41に「若者・子育て世代の定住の促進などにつながる住宅の誘致」という案が出ていますが、住宅という箱はあっても「学童保育”利用料”の応益負担」という保育・学童保育制度の改悪があれば、子育て世代にとって魅力ある町とは言えず、市外流出を招いて、さらなる税収減につながると考えます。(908字)

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[ 行財政改革1 事業見直しや受益者負担の適正化等 ] より
「5 国や他都市の水準を上回って実施している施策等の見直し」
「② 受益と負担のバランスの観点から利用者負担の公平性を高めるための制度の主な見直し」の2項目目

■「学童クラブ事業に関する利用料の改定」(p.31)
(2) 文中の「国の考え方以上の大幅な負担軽減を行っている学童クラブ事業に関する利用料について,現在は利用者の所得に応じた応能負担としていますが,サービスの利用量に応じた応益負担への転換を図ります」について

サービスの利用量に応じた応益負担への転換には反対です。

2025年問題は、医療・介護を必要とする高齢者数に比べて、医療・介護を担う若者(実働人口)が少なく、過去のように病院を老人ホームがわりに使うことはできなくなり、介護の必要な高齢者が家庭や地域に戻ってくる、という問題でもあります。

子育て世代が、子育てと介護を同時に担うことになっていく時代においては、子どもが子どもらしく過ごすことを意識して守る環境がなければ、親が子どもを安価な介護の担い手として頼りがちとなり、ヤングケアラーの問題が生じやすくなります。

そういった時代にサービスの利用量に応じた応益負担への転換を行えば、保育料節約のために学童の利用を控えようとする家庭が増え、学童が「第二の家庭」「安心できる居場所」としての機能を失いかねません。学童保育は駅に荷物を預けるような、スポット的に利用するだけの子ども預かりサービスの場所ではありません。

子どもが安心できる居場所を作るためには、一定以上の時間を固定メンバーで過ごすことができる環境と、その成長を継続して見守る目が複数必要です。学童保育に「応益負担」の考え方はなじまないと思います。(464字)


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[ 行財政改革1 事業見直しや受益者負担の適正化等 ] より
「5 国や他都市の水準を上回って実施している施策等の見直し」
「② 受益と負担のバランスの観点から利用者負担の公平性を高めるための制度の主な見直し」の2項目目

■「学童クラブ事業に関する利用料の改定」(p.31)
(1) 文中の「学童クラブ事業のうち,サービス内容等が異なる地域学童クラブ,放課後ほっと広場の事業形態の整理や,京都市外に居住する児童の利用者負担のあり方についても併せて検討します」について

「事業形態の整理」の内容が不明ですが、もし「公設の学童クラブ事業とはサービス内容が異なる」として、このカテゴリへの補助金カットを一律に行うお考えであるとしたら、それには反対です。



事業整理の際には、国の施策に合う一種類の放課後サービスに偏りすぎず、多様な形の学童が共存できるようにご配慮ください。



厚労省と文科省の連携のもとで策定された「放課後子ども総合プラン」では、放課後も地域と学校が連携・協働して子どもの地域での多様な体験や学びの機会充実を支えるよう、うたわれました。



具体的には、小学校の空き教室を使って、地域のボランティアの力を借りてローコストで学童保育事業に似たサービスとして「放課後子ども教室」を登場させ、漸次既存学童からの切替えを促す方向だったかと思います。



ですが、今回のコロナ禍で「放課後まなび教室」は早期からストップし、現在も再開の目処が立っていません。家に帰れば誰かがいてくれる子が、地域の人と触れ合う場として、「今日は誰がきているのだろう」と日替わりでいろいろな人が来てくれるのを楽しみにするのは良いかもしれませんが、学校にトラブルが起きるとすぐに使えなくなるのでは共働き家庭のニーズには合っていないと考えます。



また、東日本大地震の時、子どもの家庭事情を把握できていない地域ボランティアによって、家に誰もいない共働き家庭の子まで帰らせてしまったという事例があったとニュースで拝見しました。毎日固定メンバーで密な関係を築いていく学童保育では生じにくいミスです。やはり共働き家庭が求める安心とは違うものが提供されているように感じます。



地域ボランティアによる対応についても、現在学童は6年までのところが主流になっていますが、思春期を含む異年齢集団のとりまとめが何のノウハウもない善意の素人にできるとは思えません。また、近年、松岡亮二著の「教育格差」が話題になりました。日本には地域格差があり、地域によってボランティアの質に大きな差があることが予想されます。親としては、地域の制約に縛られず、専門性の高い保育のプロに対応してほしいと願います。



最後に、現在の放課後子どもプランでは、空き教室を提供している小学校に通うお子さんのみが対象となるため、私立小学校へ通う地域の子は通えず、不登校の子にとっては学校ではない場所にあれば行けたかもしれない「学童」という居場所を失うことにもなります。



事業整理の際には子どもの育ちを大切に考えることのできる専門ががいる施設を残し、多様な形の学童が共存できるようにご配慮ください。(998字)

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