過去、現在、未来はつながっている
みなさん、こんにちは。
岩尾です。
過去、現在、未来はつながっている。
何をいまさら・・・・と言われてしまいそうですが、今日は言わせてもらいます。
娘が難聴で生まれて、僕はSTではないので、療育の専門的なことはもちろんしませんが、難聴にまつわる様々な課題については、現場を見てきました。
もちろん、まだまだ一部ですが、それでも多くのことが見えてきました。
僕よりも長く難聴児に関わる人が言っていました。
「小学校に上がると、とたんに親御さんは子どもを見なくなる」
子どもを見なくなるかどうかは僕にはわかりませんが、小学校に上がると、学校側と話をしなくなるというか、要望を言わなくなるというか、環境を整えることをしなくなるケースが多いなとは感じています。
なぜなんだろう。
いくつか推測はできます。
でも、理由は問題ではありません。
難聴児が育っていく上では、小学校からがスタートだと僕は思います。
今、大人になっている難聴者の方々、聞こえる人をひどく攻撃する人もいます。
それは、自分がされてきたからでしょう。
直接はされてない人もいるでしょう。
でも、友達との会話で、よくわからず、でも話の腰を折りたくないから聞こえたふりをする。
そして、話はわかってないので、友達とも微妙になってしまう。
飲み会でみんなが楽しく話しているのに何もわからない。
地獄だと言われている方もいました。
学校でも、あなたは聞こえないから人一倍頑張りなさいと言われたけど、何をどう頑張ればいいのかわからなかった人もいます。
楽しかったけど、やっぱり友達との会話はわからなかったという人もいます。
聞こえなかったら言ってねと言われたけど、そもそも聞こえてないことは、聞き返せません。
聞こえないからこうしてくださいと頼んでもやってもらえない。
やってもらえないのに、言われたことがわからないと嫌な顔をされる。
枚挙に暇がありません。
程度の差はあれど、こういう経験を積み重ねてくると、周りが全て敵に見えることもあるでしょう。
たった1回のミスを「やっぱりお前もか!」と過大に責めることもあるでしょう。
諦めることもあるでしょう。
なぜこんなことになるのか?
周りが知らないからです。
本人が、聞こえなくても読み取りやすくできる方法があることを知らないからです。
そのような環境を経験したことがないからです。
無理だとしか思えないからです。
でも、小学校から状況を変えることはできるんです。
でも、自然にできるわけではありません。
小学校1年生が先生に言えるわけはありません。
親しかいないんです。
もちろん、行政や学校側が事前に体制を整えておくことも必要です。
でも、全く整ってません。
じゃあ、行政のせいにするのか、国のせいにするのか。
誰かのせいにしたって、状況は変わらないし、子どもの生活も変わらないままです。
何度も言いますが、聞こえづらくいても読み取りやすくできる関わり方は、こちらが言わないと誰も知りません。
知っていたとしても、それだけではできるようにはなりません。
少しずつ、みんなで練習していく必要があります。
そういうことを学校と話していく必要があるんです。
自分の子どものためでもありますけど、これが広がっていけば、これが常識になります。
そうすると、嫌な思いをすることも少しずつ減ってくるんです。
多くの難聴者のためにもなるんです。
過去と現在と未来はつながってるんです。
現在の行動が未来を創るんです。
今、動かなければ、今の大人の難聴者が直面している問題が繰り返されるだけなんです。
変えられるのは現在の行動だけです。
現在の行動が変われば、未来に影響が出ます。
未来が変わるかどうかはわかりません。
でも変えるには、現在を変えるしかないんです。
だから、小学校で難聴講座をやる。
学校の先生と状況を逐次共有する。
必要なお願いをする。
プラス1コミュニケーションを伝える。
一緒に少しずつ練習を重ねる。
難聴学級をつくる。
難聴学級でのキャリア学習をする。
小学校からの難聴児の学習支援の方法を学ぶ。
そして、子どもと話をする。
子どもを見る。
小学校の難聴児を持つ親御さんだったら、これらのことをやることができます。
全部いきなりやる必要はもちろんないです。
少しずつ、できるところからでいいんです。
子どもに聞けば、「大丈夫」と言われることは多いと思います。
でも、大丈夫じゃないんです。
過剰な心配ではないです。
何も接し方を伝えてないとしたら、必ずヌケモレは出ます。
ヌケモレが出る状態が、大丈夫ではないわけです。
0にはできないかもしれませんけど、0に近づけることを目指すべきです。
やれることはいろいろあります。
まずは、こちらが環境を作っていくことが大切です。
今まで古くからずっと難聴を取り巻く環境は変わっていません。
それは、周りが知らないからだと思っていました。
もちろん、それもありますが、当事者の最も近くにいる親も、「そこまでしなくてもいいんじゃない」となっていることが多いのも一つあると思うんです。
近親者が動かないのに、周りの人は動かないですよね。
こういうことをわかっていて動いている親御さんたちももちろんいます。
そういう人たちとさらに連携して、少しずつでも気づいて動ける人が増えていければ、絶対に状況は変わってくるはずです。
まずは、学校としっかり話して、読み取りやすい環境を作ることです。
それは、過剰な提案ではありません。
スタートラインに我が子を近づけるためのお願いです。
合理的配慮と日本語では言いますが、
どうもこの言葉ができた外国語でのニュアンスは、
積極的サポートのような感じみたいですね。
まさに、前向きに明るく、積極的サポートをしたいと思ってもらうような学校側との対話が必要です。
大変と思うかもしれませんけど、そうでもないですよ(笑)
確かになかなか理解してもらえないと大変です。
でも、味方がいれば大変ではありません。
むしろ楽しいですよ(笑)
理解してもらえない時は、かけはしがサポートします。
ぜひ、親から子への積極的サポートも考えてもらえるといいなと思っています。
ここから未来へつながるんです。
未来を創る仲間を増やしたいと思っています!
ぜひ、いっしょにやりましょう!
1人ではしんどいですけど、仲間とやれば前向きにできます(^^ゞ