料理が苦手な人の、レシピ不要レシピ!そのときの気分で作るおいしい酒アテ #001
料理をつくるのは得意じゃない。不器用だし、手際もよくない。決して毎日やらない。
そんなわたしでも、シェアしたくなるような料理をつくるときがある。
それは、偶然にできてしまうので、レシピとは言えないかもしれない。
しかし、簡単でおいしいときたら、シェアするしかない。
"レシピ不要レシピ"とは、偶然の産物。
親から届いた野菜、いつ買ったか分からない調味料、ずっと冷凍庫にあるもの。なんとなく買い足した食材。行き当たりばったりでできた料理を紹介したいのです。
気楽にお読みくださいませ。
■実家からおばけきゅうりが届いたら「きゅうりの簡単みそ漬け」
実家の両親は、野良仕事をしてからだを動かしている。
とてもよいことだ。
そして、できた野菜を送ってくれる。
とてもありがたい。
先日、どうしたらこんなにでかくなるんだ、というきゅうりを送ってくれた。小玉スイカの細長いバージョン、いや、それはだいぶ盛ってしまったが、ズッキーニが長くなった、みたいなきゅうりだった。
仕事が残業つづきで、なかなか台所に立つ気が起きず、結局4~5日たった。みんな冷蔵庫に入れていたのだが、ほかのいつもよく見るきゅうりたちは皮がちょっとしわしわになっていた。
しかし、おばけきゅうりだけは違った。イキイキとみずみずしかった。
味はどうなんだろうか。
少し切ってみて、口に入れる。
「とてもジューシーだが、味がない……」
おばけきゅうりは、見た目どおりみずみずしく、パリッとしたきゅうりのステキな食感はあったのだが、きゅうりのステキな青臭さがほとんど無かった。
これは、みそマヨネーズだけではあまりイケてないかも。
参考文献「常備菜|飛田和緒著」を手にしてみた。
「きゅうりの簡単みそ漬け」
正式な材料:きゅうり・塩・みそ・砂糖(→きび糖常用)・みりん(→ない)
なんと!この子たちを混ぜて、切ったきゅうりを30分以上漬け置くだけ!
「これや!」
みそはきっと無添加、お高級なのがとびっきりなのだろうが、普段使いの出し入りの合わせみそで。みりんは無いので、飲み残したちょっといい日本酒をつかう。
日本酒もったいないけど、そんなに量は使わないので大丈夫。
正式な作り方:きゅうりの半分まで、ななめに切れ目を細かく入れる。裏返して同様にななめに切れ目を入れる。蛇腹状になった一本のきゅうりを3センチくらいずつに切って、混ぜた材料に付ける。30分以上置く。
うん。簡単。でも、きゅうり、でかい。
レシピはレシピ通りにつくるのが料理の定説かもしれない。でも、きゅうりがおばけなので、そうはいってられないのだ。
まずは、おばけきゅうりのヘタを取る。
次にマジックショーで、横たわった人の胴体を真っ二つにするかごとく、包丁をおばけきゅうりのど真ん中に差し込む。
そのうちの1つを縦半分に切る。1つはズッキーニのまま。3様のきゅうりくんのできあがり。
そこから、ななめの切れ込みを入れてみるのだ。実験だ。半分のズッキーニと化したきゅうりくんを蛇腹にする。もう2本の半分うすきみどり色の果肉が見えているきゅりくんも蛇腹にしてみる。意味があるのかわたしにはわからん。
混ぜた材料にジューシーなきゅうりくんを入れて、ごろごろと混ぜる。実はここにおばけきゅうりだけではなく、しわしわになった皮部分をそぎ落としたきゅうりくんたちも混ざっている。
3日経ったいま、その味噌漬かったきゅうりくんたちは、私の舌をうならせている。
勝因は何だったのだろう。きび糖か?日本酒か?おばけきゅうり……?
分からないけど、とてもお酒にあう一品が誕生しました。