同性婚からお笑いの話【法律】

明けましておめでとうございます

まもなく芸人になって2年が経とうとしています。
去年は同期の芸人が少しずつテレビに出るようになり刺激をたくさん受けた年でした。

嫉妬に近い感情も少なからず覚えたましたし、一丁前に結果が出ない悔しさも感じました。
年が明けても悶々とそんなことを考えていましたが、こういう時は結局、淡々とできることを続ける以外ないなと思い、気持ち新たに記事を書くことにしました。

とあるカップルの婚姻届

さて、このように新年を機に何かに取り組もうとする人は多いと思います。
結婚をして、新しい家族を持とうと考える人もいるはず。

昨日1月4日に川越市で一組のカップルが婚姻届を提出しました。
本来であれば祝福されることですが、そのカップルは、婚姻届を受け取った市の担当者から「これは不受理にする予定」と伝えられたそうです。
理由は彼らが同性カップルであるから。

日本では同性婚は認められていません。

たまに「渋谷区では同性婚が認められている」と勘違いしている人がいますが、あれはパートナーシップ証明書という紙がもらえるだけで法的な意味はありません。
(全く意味がないわけではなくて、それがあればケータイの家族割が使えたり、生命保険の受取人になれたりと企業によって夫婦と同じ扱いをしてくれます。)

二月に提訴の予定

もちろん川越のカップルも不受理になるのはあらかじめ分かっていて、今後、国を相手に訴訟に踏み切る予定だそうです。
同性同士という理由で婚姻が認められないのは憲法に反しているという主張です(人はみんな平等ですよ、という条文がある。14条。)。

同性婚は憲法違反?

ただその14条とは別に、憲法には「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」と書かれています。24条。

「両性」つまり「男と女」の合意のみで成立するのが婚姻なのであれば、「同性婚を認めるのは憲法に反するのではないか」との疑問が沸く人もいるかもしれません。

確かにこの憲法の書きぶりから、積極的に同性婚を認めようという気概は感じ取れません。が、積極的に禁止してるとも読めません。

この条文が作られたのは60年以上前ですから、当時の法律を作る人たちには「同性婚」というハイカラな概念は思いつきもしなかったのでしょう。
そう、単に「想定していなかった」というのが正しいと思います。

事実、この24条の元々の案はもう少し長くて、「結婚に親の合意なんていらないよ」「男が一方的に結婚決めちゃだめだよ(女の意思も尊重して)」ってのが先に書いてあって、その上での「両性の合意のみに基づいてのみ成立し」となっていました。

だとするとこの条文は、カップル(特に差別されていた女性)の意思を尊重しよう、それ以外の支配から解放しようというのが狙いで、同性婚については「考えてもいなかった」と考えるべきです。

逆に最初に言った「平等」ってことが必要だと考えると、同性婚を認めても憲法には反しないと考えるのが正しいと思います。

社会の変化待ち

とはいっても、同性婚を認めないことが「直ちに違憲だ」という判決を出させるのはかなりハードルが高いというのも事実。
この国の家族のあり方に関わることなので慎重になる人の気持ちもわかります。

完全に制度化するにはどうしても社会の変化を待つしかない部分もあります。

お笑いと差別

お笑いがきっかけで議論が起こることもあります。

何を面白いと思うか、何で笑えるかというのはその社会の意識を表していると思うのですが、昔はみんなで笑っていた保毛尾田保毛男が今は笑えなくなってしまった、というのはまさにゲイの人たちに対する意識の変化が原因だと思います。

自分とは無関係だと誰もが思っていた人たちが実はすぐ隣の友人だった。
そういったことにみんなが気づき始めた。

他人を笑いたいという気持ちは誰の中にもあります。僕も、自分とは無関係な人のことは簡単に笑ってしまっているかもしれません。
そういう意味でお笑いは、いじめや差別と紙一重のところで成り立っています。
笑うことがマジョリティーの証としてマイノリティーに対する暴力になることもある。

「そんなこと言うとバラエティーで何もできなくなるよ」というのは違うと思います。
ほんとは昔からダメだったんです。そういったことにみんなが気づき始めたんだと思います。

一部の人たちだけが感じていた違和感を同じように感じる人が増えた。

それに合わせてお笑いが変化するのも自然なこと。
まだまだ掘り出せていない面白いものはたくさんあると思います。
お笑いは楽しむものです。みんなで次の面白いものを見つけましょう。


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