【シティベスト4】後1特化ロストについて
ご無沙汰してます。うみすけです。
忙しかったこともありnoteを全然書いてませんでした。前回の記事って1年半前なんですね……
今回は、1/2のシティリーグ(吉祥寺)にて使用してベスト4になった「後1特化ロスト」について書こうと思います。
もうDレギュレーションも落ちるわけですし、需要自体はあまりないとは思いつつ、軽く探した範囲ではnoteにこのデッキタイプ特化の記事がなかったため、「これだけ面白いデッキの知見が残らないのはもったいないな……」という理由から、備忘録も兼ねてちょっと書くことにしました。
(※後ほど紹介しますが、note外には解説記事があります)
内容的には以下の部分をテーマにしています。
後1特化ロストバレットの特徴
デッキとして難しい部分について
Gレギュレーション以降のポジション
Gレギュレーション以降ではこのデッキのメインコンセプトは使いにくくなるものの、今後もまだまだロストテーマ自体は現役だと思いますので、その際の参考になれば幸いです。
後1特化ロストバレットとは?
ロストデッキ相手に対戦するとき、皆さんは何を考えていましたか?
「後攻1ターン目からウッウで攻撃されるかもだから、110ダメージを耐えられるポケモンをバトル場に出そう」
「後攻2ターン目にはゲッコウガの”げっこうしゅりけん”が飛んでくるかもしれないし、先2ではケアを心がけよう」
上記のような動きを警戒しつつゲームメイクするのではないでしょうか。
少なくとも僕はこのデッキを知るまでは大体こんな考えをもってました。
そうすると例えばですが、
「後1でルギアVが倒されることないだろうし、1匹だけでいいでしょ」
「マナフィを置くのは先2でいいかな」
というプレイをすることも自然に見えます。
このデッキはそういった「ゲームテンポ認識の穴を突く」ことをコンセプトにしています。
もっと具体的に言うなら、
「後1からミラージュゲートを駆使し、”次のターンに来る”と想定されている行動を1ターン早くして、ケアされる前に通す」
ことがメインになります。
もし後1でルギアVを倒したり、げっこうしゅりけんでポケモン2匹を倒すことができたなら。例えばあとは山札を作って「アクアストーム」でポケモンVを2匹取れば勝てますね。稼いだテンポアドバンテージを利用して山札を作っていき、マリィやツツジへの耐性を高めやすいことがこのデッキの魅力でもあります。
デッキの基本的な動かし方と難点について
「後1でロスト7枚貯めるとか、本当にできるの?」って疑問を抱くかもしれません。が、意外とできます。
このデッキの簡易的な動かし方の解説については、カードフリークスさんの記事がかなりまとまっていますので、そちらを見ていただくことをオススメします。実際、自分が構築を考えるうえで大きく参考にさせていただきました。
この記事内では、下記の記事の内容に軽く触れつつ、書かれていないこと・個人的に異なる見解を持っていることを中心に話します。
上記記事内にある通り、ロストゾーンの基本的な貯め方は
・「はなえらび」を3回使う
・「アクロマの実験」を使う
・「ロストスイーパー」で場の自分のカードを選択する
で達成します。
で、ロストゾーンに7枚用意するまでの動き自体は、デッキとプレイングを特化させれば体感80%程度の成功率まで持っていくことが可能です。
8~9割も決まるなら、めちゃくちゃ簡単じゃん! と思うかもしれませんが、ここからがこのデッキの難点の話になります。
説明する前に、仮にキュワワースタートしてから「げっこうしゅりけん」を後1で決めるパターンの1例を出してみます。
こんな感じですね。ネオラントからアクロマの実験を使ったり、ポケモンVを場に出して森の封印石を使うパターンも多いですが、ひとまず上の動きをみてこう思った方はいるのではないでしょうか。
「必要札多くね?」と。
最終状態から逆算して考えると、達成しなければならない条件は次の通りになります。
さらに最初の状況から最後までの間で、手札から使ったカードを整理してみると……
となります。一方で、「はなえらび」などで山札のカードを見れる枚数は……
です。
つまり、ざっくり手札換算で考えると、「16~19枚のカードのうち、12枚程度が欲しいカードになっている必要がある」という条件になります。
VIPパスを引ければ、カード1枚で2枚分のポケモンを呼べたりするので手札消費を抑えることができたり、「森の封印石」を絡めれば確定サーチができるので要求はちょっと楽ですが、基本的にはトンデモ要求ですね。
そしてさらに、当たり前ですが「後1ミラージュゲートを決める=即勝利」ではないです。先1でルギアVを2面並べられた場合、返しのターンでライコウVやカイリューVが倒されることを考慮しなければなりませんし、「ふつうのつりざお」など中盤以降で大事になるカードを後1のときにロストゾーンに送りすぎると、バトルの組み立てに苦労します。
また、特化ムーブをしたうえでミラージュゲートの起動に失敗した場合、本来のロストデッキでは並ばないはずの不用意なポケモンVが無意味に並ぶことになります。そうなった際のリスクは当然大きいです。
このデッキの最大の難点は、
「後1ミラージュを決めに行くのか、どこまでリソースを消費するのか」を少ない判断材料の中で動きながら決めなければならない
という部分にあります。
(まさに、シティ1回戦のvsルギアでは、リソース消費の考え方を間違えたために負けた試合でした)
カードフリークスさんの記事で「初見殺しデッキ」という風に言われていたのは、「初見≒リソースの消費意識を低くしても勝てる対面」という点に由来しているからでしょう。
なぜこのデッキをシティリーグで使ったのか
上記の難点については、練習で握ってみた初日でなんとなくは見えていました。そのうえで使った理由は「このデッキの対策って、知られていても実は難しくできるのではないか」と感じたからです。
カードフリークスさんでは、このデッキへの対策方法として次の3点を挙げられていました。
自分がロストなら初手に《マナフィ》を置く
V主体のデッキなら倒されてもいいように予備のVを置く
相手が後攻特化デッキを使っていると確定しているなら後攻をとる
確かに、後攻特化の構築で考えると、それぞれ厳しいムーブにはなるでしょう。でも、ちょっと見つめなおしてください。
自分がロストなら初手に《マナフィ》を置く
ロスト対面同士の勝負は、基本的には「ロストマイン」を先に押し付けたほうが勝つマッチです。こちらの構築は後攻1ターン目に7枚ロストに貯めれるくらいですから、後2からロストマインを打つのは余裕です。そんな中、一般のロスト構築で先1でマナフィを置きつつ先2でロスト10枚を達成することは、十分に要求値が高いと考えていいのではないでしょうか。
V主体のデッキなら倒されてもいいように予備のVを置く
V主体のデッキ相手の場合、そもそもロストカイオーガでサイドを4枚とるプランを想定しやすいです。つまり、後1でVさえ取れるなら、後はマナフィケアと山作りに専念すればよく、プランニングが容易です。
相手が後攻特化デッキを使っていると確定しているなら後攻をとる
こちらが後攻を取れないことで弱体化は確かにします。が、同時に相手は先攻の利を捨ててくれるという訳です。また、後1ロスト7枚が決められるように先2でロスト10枚達成することも極めて難易度が高いわけでもありません。
上記の考えを持っていたことから、カードフリークスさんの述べていた欠点は、プランニングと構築で十分に補える範囲であると考えました。かつ、初見殺しでイージーウィンを拾えるならそれに越したことはないため、期待を込めて握ることにした次第です。
ざっくりした構築意図
改めてデッキ画像を貼っておきます。
構築する上で考えた要素のうち、大きいと思っているのは以下の3点です。要望があれば他のカードも解説するかもしれません。
・ウッウの採用
Twitter上も含めて何個かリストは見ましたが、後1特化で採用されるケースは少なかったです。(観測範囲では0件でした)
が、リソースを消費したくない展開や、先1でマナフィを置かれた際の後1中間択として大きくバリューがあると考えたため、採用しました。
なお、シティリーグ本番では後1ミラージュゲートに踏み切ったほうがリスクリターンが取れているパターンが多く、結果としては一度も使いませんでした。
・ポケストップ:3枚
2枚構築も多く見られましたが、ここは3枚以上で検討していました。というのも、トレッキングシューズや回収ネットは手札を1枚消費して実質的に1枚手札を得るルーターとしての役割しか持たず、手札を増やしてくれるポケストップはかなりバリューが高く映ったためです。
後半も、山札を圧縮してくれるので試合全体を通してかなり使い勝手がよく感じました。枠があるならば4枚入れてよいと考えています。
・アクロマの実験:3枚
ロストデッキなら4枚! というふうにもともと考えていました。が、後1特化において、ネオラントVからアクロマの実験を呼ぶと森の封印石も使える関係で都合がよく、ポケストップもある関係で山を掘る速度が速いため、アクロマの実験を使う回数は2回で事足りる……ということで1枠絞りました。
基本的には絞っても問題なかったのですが、準決勝の試合では、ポケストップを起動したら「アクロマの実験」「アクロマの実験」「バトルVIPパス」という最悪の捲れ方をしたことが敗因に繋がったため、4枚採用は再検討してよいかもしれません。
Gレギュ以降におけるこのデッキの立ち位置
デッキの回し方がかなり回収ネットに依存していたことは否めず、またネオラントVを呼ぶ手段がクイックボールからハイパーボールに変化してしまうことは大きく向かい風であることは間違いないです。
が、ロストデッキ自体は「ネストボール」の登場により手札消費が緩くなるのも含めて動きが強くなりますし、回収ネットの消失も、ベンチスペースの問題を考えないのであれば、キュワワーを1匹追加で置けば解決する部分でもあります。
そして、1進化以上のex相手には進化元への「げっこうしゅりけん」が強く刺さります。つまり、成功率こそ下がるものの、成功によるリターンは大きく跳ね上がるのが、Gレギュレーションにおけるこのデッキの評価だと思っています。Gレギュレーションでも強いことが予期されているミュウに対して、カイオーガなど含めて有利に振舞える点もよいですね。
そういった諸々を含めて、まだ「終わったデッキ」として認定するのは早いと自分では思っています。何なら、新規のグッズやポケモン次第ではまだまだ化けるポテンシャルを秘めているので、注目したいデッキタイプですね。
終わりに
ここまで長文お付き合いしてくださり、ありがとうございました。この場を借りて、シティ2日前の大晦日に一緒に練習してくれてこのデッキを教えてくれた調整メンバー、構築を考えるための思考整理に大きく役立つ記事を書いてくださったカードフリークス様に感謝を述べたいと思います。
もしマッチアップの内容や、構築カードの他の意図、詳細なデッキの動かし方や質問などありましたら、コメントの方を入れていただけますと幸いです。手隙のタイミングで返信および記事の更新をします。
(実際、リソース配分の考え方だったり、ルギアマッチでの失敗について現状書いてないですしね……)
では、Gレギュレーションでも良きポケカライフを!