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旅とルイルイと歴史探訪

『家康、江戸を建てる』

旅、たのしいですよね。特に、一人旅。寅さんのようには行きませんが、目的をもっての歴史探訪。私の場合は墓参りが多いように思います。例えば、

京都なら哲学の道(西田幾多郎)、壬生寺(新選組)、本能寺跡(信長)、東山霊山墓地(幕末)、京都駅(四葉)、伏見稲荷(スクールウォーズ)、油小路(新選組)・・・

東京なら洗足池(勝麟太郎)、泉岳寺(四十七士)、清澄白河(小池重明)、柴又(寅さん)、日野市石田寺(土方歳三)、板橋(近藤勇)、武道館(大きな玉葱の下で)、本妙寺(天野宗歩)・・・という感じです。


「バス旅」というと、「ワジ旅チャンネル」でなく、太川陽介さんの代名詞かと思いますが、その太川さんの「ルイルイちゃんねる」をご存じでしょうか。その中の1つに

【愛知でガチバス旅】YouTube限定!激ウマご当地グルメに遭遇!

(タイトルが長いので一部省略)があり、14分6秒当たりから徳川家康の話になって上記の本が紹介されました。おもしろかったということだったので、この夏、読んでみました。


門井慶喜 著『家康、江戸を建てる』(祥伝社文庫)

※ 2019年に正月時代劇としてドラマ化されていた


この小説は

            第一話 流れを変える
            第二話 金貨を延べる
            第三話 飲み水を引く
            第四話 石垣を積む
            第五話 店主を起こす

の五編からなっています。
どれもそれぞれにおもしろかったのですが、第一話の「治水」、第三話の「江戸の水道」の話は特に興味を引きました。


徳川政権時代の飲み水というと「井戸」が真っ先に思い浮かびますが、家康が移り住んだ当時の江戸は、いまでは想像もつかぬ湿地帯で、江戸湾も近かったため掘ったとしても塩水です。そういう土地に人を集めるには、住居地の確保だけでなく、生きるために必要な水の確保も重要です。
江戸が葦の生えている湿地帯だったのは江戸湾にそそぐ川の氾濫が多かったためというのもあったようです。


江戸の山を切り崩しての湿地や湾の埋め立て、治水や水道の大まかな話は知っていましたが、どのように行ったかという細かいことまでは知らなかったのでとても興味深く読みました。太川さんがおもしろいと言っていたのも納得しました。


話の中にはよく知られている地名や名称が出てくるのですが、「そういうことだったかあ」という新たな気づきもありおもしろさが増します。いまはかんたんにネットで検索できるので、気になった場所は映像や写真でも確認しました。


もしもこんど東京に出ることがあれば、少なくとも神田上水関口の洗堰はこの目でみたいと思います。七井の池(俺たちの旅)には行ったことがあるのですが、また別の視点で見てみたいし、ついでに玉川上水(太宰治)や関宿(関根金次郎)そして渡良瀬川遊水地・足尾銅山跡(田中正造)にも足を延ばしたいと思います。

歴史を知りたいのは温故知新という面が強いのですが、視野の拡がりも感じられるので脳がたいへんよろこぶのです。▢

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