見出し画像

29.17 微分の初歩(n次関数の増減表とグラフ)

n次関数に関する発展的な話の2/5回目です。
今回は4次,5次関数の増減表の書き方を紹介します。基本は3次関数のときと同じなので、説明しなくてもできると思いますが扱っておきます。できそうなら、解説を見る前に自分なりの答えを出してみてください。


例題

実数を定義域とする関数$${y=x^4-8x^2+2}$$の極値を求め、グラフをかけ。

解答解説 極値およびグラフを描くために、増減表を完成させます。
微分すると
         $${y'=4x^3-16x=4x(x-2)(x+2)}$$
より、増減表は次の通りです:

※ 上のグラフは増減表の符号を記入するためのものです。このグラフの描き方は前回 (29.16) 説明しました。
また、$${y}$$の値を求めるとき、$${y=x^4-8x^2+2}$$に代入して求めてもよいのですが、少し式変形した
            $${y=x^2(x^2-8)+2}$$
に代入して求めました。


増減表から
    極大値 $${2 \:\: (x=0 \: のとき) }$$  極小値 $${-14 \:\: (x=\pm 2 \: のとき) }$$

そして関数のグラフは次の通り:

:増減表の符号は、代数的に導くこともできますがグラフが描ける場合は上のようにやる方が明確です。
この場合の代数的というのは、各区間での各因数の符号を考えるということです。次のような表を書くと分かりやすいと思います。

1行目は増減表と同じく区間を意味するもので、2行目から4行目が各因数の符号、それら3つの積が5行目の$${y'}$$の符号となります。
各因数の符号、例えば$${x-2}$$の符号は$${x=2}$$の前後で変わり、2より大きければプラスで2より小さければマイナスですね。2~4行目はこのように考えて符号を記入します。
実際に表を書いてみると、単純作業であることが分かります。こういうのは余白でやります。


練習問題

次の実数を定義域とする関数の極値を求め、グラフをかけ。
(1)  $${y=-x^4+4x^3-4x^2}$$
(2)  $${y=x^4-4x^3+12}$$
(3)  $${y=3x^5-5x^3+2}$$




ここから先は

481字 / 6画像
この記事のみ ¥ 200

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?