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不思議な本 ~あれ?心が軽くなってる~
雨宮処凛 編集『この国の不寛容の果てに』
これは雨宮処凛 (あまみや かりん) さんと6人の対談本で、その6人は
神戸金史(かんべ かねふみ)さん
熊谷晋一郎(くまがや しんいちろう)さん
岩永直子(いわなが なおこ)さん
杉田俊介(すぎた しゅんすけ)さん
森川すいめい(もりかわ すいめい)さん
向谷地生良(むかいやち いくよし)さん
です。各章のはじめに各人の紹介があり、対談は「相模原事件」をどう見ているかを主題に行われています。
「相模原事件」は、2016年、相模原市の障碍者施設において元職員の植松聖 (当時26 2020年死刑確定) が施設に侵入し入所者19名を刺殺し、入所者および職員26名に重軽症を負わせたというものです。
※ 詳しくは「相模原事件」で検索してください。
「自己責任」とか「生産性」とかが日常的な話題に上りますが、これはいつから始まったことなのでしょう。本文で語られて納得したのは、小泉純一郎氏が総理大臣時代の2004年イラク人質事件からというものです。
※「自己責任」は当時環境相であった小池百合子氏の発言により広まる。
麻生太郎総理大臣「何もしない人の分の金(医療費)をなぜ私が払うんだ」
麻生太郎副総理兼財務大臣「いつまで生きているつもりだよ」
自民党議員片山さつき、世耕弘成らによる生活保護バッシング
自民党議員杉田水脈の新潮45にて「LGBTには生産性がない」
(後に『新潮45』は事実上の廃刊)
長谷川豊アナウンサーによる人工透析患者へのヘイト(相模原事件2か月後)
(後に維新から出馬するも部落差別発言で公認候補資格停止、公認辞退)
これらは本文に出てきた一例です。愛の欠片も感じない政治家たちは、もうたくさん。愛のある政治家の台頭を望みます。
「序章だけでも読む価値あり」と思って読み始めたのですが、章を追うごとに対談相手の専門とするところが変わり、視点の変化におもしろみを感じていました。はじめは「相模原事件」が前面に出ていたと思うのですが、最終の第6章を読み終えたときには心が軽くなっていました。
事件の動機とキーワードの「不寛容」が何かと思って読んでいたのですが、不寛容を解決する糸口が見えたのです。タイトルから中身が分からないことは多々ありますが、これは不思議な本です。
サブタイトルの「相模原事件と私たちの時代」が重さを醸し出していて、敬遠させてしまっているように思い残念です。発行元の大月書店での本の紹介があったので貼っておきます。▢
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