世界大会に向けての焙煎プロファイル作り④

このシリーズも4回目を数え、SNSでの告知のみに関わらず、おかげさまで今回も完売となりました。多くの方がプロファイル作りで焙煎した試作のコーヒーであるにも関わらずご購入いただき本当にありがとうございます。
また今回ご購入できなかった方は本当に申し訳ございませんでした。

では、早速本題に入りたいと思います。
前回の記事(世界大会に向けての焙煎プロファイル作り③)の三神コーチとのやり取りの最後に、

今までの検証の中で阪田さんが試してみたいと思ったプロファイルをありますか?
もし数種あるようでしたら、上記の三態を考えながら設定したプロファイルのカップ傾向を予想してみましょう。
そして実際に焙煎/カップした場合にその通りになったか、その通りにならなかったかなど、事実を抽出して、
何が大会のトレンドにおいてよさそうかを検討していきましょう。

⇊ちなみにこちらが前回の記事です⇊

また三神コーチが私の前回の記事を読んで下さり次の指示をして下さいました。

阪田様

お世話になっております。
今後の焙煎ですが、今まで若干焙煎のブレが感じられますので、
余熱をWCRCに近い形で実施してもらえますか?

【余熱】*新型ギーセン対象
セットポイント190℃
豆温度170℃近辺
排気90Pa
回転数47Hz

まずは排気温度と豆温度の差が約20℃位で安定するまで余熱ください。
190℃の排気セットだと豆温度は大体170℃位で安定してくると思います。
ファーストバッチは最低30分暖気。

バッチ間の焙煎では、再度上記の余熱セットポイント190℃に設定してアイドリングしてください。
同じく排気温度と豆温度の差が20℃程度で安定するまでインターバルをとってください。

余熱後はセットポイントを250℃のマックスにして、プロファイルのガス圧設定。
規定余熱に到達したら投入を開始してください。

宜しくお願いいたします。
三神

この2つの指示を受けて私は、

→以下のプロファイルを検証してみたいです。
【固定プロファイル】
3kg投入、回転数47Hz固定、排気95Pa固定、排気セットポイント250℃、
余熱管理:豆温度170℃近辺(排気セットポイント190℃,ガス圧60%)

 1. 【酸/フレーバー重視=Stir Fried】(コントロールサンプルとして使い   ます)投入190℃、火力80%、終了温度196.5℃(もしくは197℃)
 2. Drying Phase=60%、Maillard Phase=80%、Development Phase=80% (終了温度196.5℃(もしくは197℃))
 3. Drying Phase=80%、Maillard Phase=80%、Development Phase=60% (終了温度196℃(もしくは196.5℃))
 4. Drying Phase=60%、Maillard Phase=80%、Development Phase=60% (終了温度196℃(もしくは196.5℃))

以上、各フェーズを火力60%(Baked)に落として①との比較検証をして各フェーズのStir FriedとBaked の味の違いを検証してみたいと思いますが、いかがでしょうか?
またこの場合、終了温度は1℃低くした方が比較としては正解なのでしょうか?

ご指示・アドバイスの方よろしくお願い致します。

阪田

と返信しました。過去のコーチとのやり取りでStir Friedの焙煎はBakedの焙煎と煎り止めを同じ温度ではない方がいいと認識してました。

阪田様
了解しました!
余熱管理の方宜しくお願いします。

プロファイルの方も了解いたしました。
各終了温度を予想するのは劇的に難しいのですが、
とりあえず、
①197
②196.5
③196
④196
上記の終了温度で焙煎してみてください。
実際に結果がどうなるかはカップしてみないとわかりませんが、
①に比べて②は質感が重くなると思います。
②と③では質感強度が同じになるかもしれませんが、後半の高RORにより②の方が軽くなるかもしれません。
④が一番質感が重くなるでしょうね。
いずれにせよ結果から抽出できる事実を分析していきましょう。
宜しくお願いします!

三神

というやり取りをした後、早速焙煎しました。

⇊こちらがそのプロファイルです⇊

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