将来の夢が無かった子へ
将来の夢がない
目標がない
自分が何をやりたいか分からない
ケーキ屋、サッカー選手、農家、大工…
未来への希望に満ちた言葉を欲しがる卒業文集を前に呆然としていた
小学6年生のあの頃。
21歳の今、あの頃の自分が隣に現れる時がある。
多分社会人とい新しいステージが始まって、この長くて大きい空白をどう埋めたらいいか分からなくなってるからだと思う。
友達がいなかった専門学校時代はどんなに「辛くても2年で終わる」が毎日唱える呪文だった
でも今は仕事を辞めるにしてもそのタイミングや決断は自分次第だし、ライフステージのテンプレをこなせという、世の中からの静かな圧を最近感じるようになってきたからだと思う。
自由なはずの人生、だけど何者にも、親にも、良い人間にも、仕事ができる人にもなれない気がする。
そんな時、ふと6年生の自分が現れる。
無邪気に未来を語れない、得意なことはないし、やりたい事もない。
習い事をやってる子は、それを将来の夢にしたいって言う。
頭の良い子はもっと勉強して偉くなりたいと言う。
迷う素振りも見せないで将来の夢を描き終わるクラスメイト達
自分には何もない。将来が怖いんじゃなくて、自分だけ空っぽの人間に思えたのが恐かった。
そんなその子にいつも言う。
君の中に何にもないんじゃない。誰の中も空っぽなんだよ。
言うだけ自由、人の興味もそれぞれ、親たちだっていろんな仕事してるのに、そんな中で同級生たちが将来の夢ランキングの上の方でよく見るような職業ばかりに揃いも揃って本気でなりたいって思ってると思う?
今は何もなくてもいいよ。
そもそも、「=職業」な将来の夢なんて持たなくていい。
そんなもの大人が望んでる答えなだけ。うっすら分かってるんじゃない?
言葉で表せられる「夢」なんて大人も滅多に持ってないよ。
これから先、何が好きが何が嫌いか、今どんな気持ちか、常に自分の気持ちに耳を澄ませて、変化し続ける自分の輪郭をぼんやりと見えてればそれでいい。