3ヶ月の旅を終える
そろそろ旅を終えたいと思っている。軽く3ヶ月以上は経過して、楽しいけど疲れて現実に戻りたくなってきたのが正直なところだ。
一体いつのまになんの旅に出ていたというのか…実は、わたし自身も最初の一歩はまるで旅に出る気持ちではなかった。軽い気持ちで一歩踏み出して軽い気持ちで列車に乗った。一駅目はあまりに衝撃で、たった一駅違う場所にきただけで見るもの聴くものの変化に目を見張った。時間があっという間にすぎて、ハラハラドキドキ歩いてるうちに次の街に気づけば近づいている。
歩き、歩くと、似ているけど少し違う景色が眼前に広がる。あ、この建物はあのエッセンスが?このお店はこれから存在を増すような場所になるのでは?なんて意味づけをしながら、ぐんぐん進んでいく。食べることも寝ることも忘れ進む。
たまに少し疲れたな、と休むけど目を開けると『進もうよ』と街がわたしを呼び寄せる。進むしかない、昨日とはまた違った景色があるはずでわたしは歩いているあいだは日常のモヤモヤやイライラなんか全てなくなって、ただただワクワク感で満たされるのだから。
でも。
歩いても歩いても街はまだまだ続いていくし、道はまっすぐどこかへと向かっている。一体わたしはどこまでこの道を進むんだろう?止まることが逆に不安になる。疲れていても進むしかない、いつしかそれは終わりを今か今かと待ちわびて足を前に出す作業になってしまっている。
そして気づく。ようやく街を抜け、もはや飛行機で帰るしかないほど遠くへ来た時、別の国へ行く選択肢があることに。『きっと、またもっと違う景色がある』刺激的な世界から、またふつうの日常に戻るの?貪欲にも、疲れを忘れてまたわたしはその国への興味を止めることができなくなる。
『少しだけ、一泊したらかならず自分の毎日に戻ろう』そう思って軽い気持ちで飛行機に乗る。そして、始まるのだ。また旅の連続が。
旅を止める理由があるとしたら、おそらくお金と時間がつきたとき。でもこの世界では旅にお金はかからない。宇宙とか、深海とかすごく斬新で広い視野をもたずに、手近な旅で済ますならお金はかからない。
だからやめることができない。やめる理由がやい。そして気づくと疲れ、ただただ旅に消耗されている自分だけがそこにいることにふと気づく。
今朝のわたしがまさにそうだった。そして、もうやめようと思った。もう逃げ出そうと思った。『旅から逃げる』なんて変だけど、ほんとにそう思ったのだ。毎日の中でやるべきこと、向かい合うべきことがきっとある。だから戻ろう。そして毎日の中で進もうと思う。
これは、私にとって自分への終結宣言だ。旅を終える誓いを立てないと、その魅力がすさまじいから。
旅を終える努力をします。Amazonプライム・ビデオという旅を。
本当に終えられるかには、自信がない。
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