思い切ったらしい、夫のその告白とは。


あの日、夫が思い切って何かを打ち明けようとしたそのとき。「普段とは違う、別人格をもったオトコ」として彼を久しぶりに意識したのは前述の通りです。

「で、何?」

できるだけなんてこと無い顔を装いながら問いかけた私に、彼はまあまあ真面目な顔で答えたのが以下の件でした。

「おれ、こちをと一緒にいすぎて、もう他人と思えへんねん。いや、家族やんってそうじゃなくて…。なんていうか自分自身に見えてしまって。わかる?一部やねん」

…?!何?まったくもって意味がわからない。つまり彼が言いたいのは、もはや私の存在がナチュラル過ぎて、対象物ではなく自分の肘や膝を見る感覚で私の顔や言葉をとらえているとのこと。そして、続けたのがこちら。

「だから、たまに夜にふっと隣をみて、ふとんの裾からニョキッと足が出ていたらすごいびっくりすんねん。”コレ、俺ちゃうやん!”って…。ああ、ついに言ってしまった(照)」

いや、(照)ちゃうわ。当たり前じゃないですか。私の足は私の筋肉のつながりで動いているに決まっているのだから。しかもそれを何だか嬉しそうに打ち明けられても、私としてはどう受け止めていいのかさっぱりわからない。


でも、とにかく、彼はそれを嫌がっていないみたい。どうやら幸せのひとつとして私に伝えてくれたみたい。なんだ、じゃあいいや。さっぱりきっぱり共感できないけど、彼が私を遠く感じるよりきっとずっと素晴らしくて幸せ。

一瞬、いつもと違って遠く感じた夫から出た、すごく近しいからこそつぶやかれたことばたち。だから、夫はかわいい。

#夫婦 #家族 #暮らし

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