17条の憲法って今必要な平和憲法だ
ツイッターに投稿しましたが、その後私のアカウントは光栄にもどこやらの前大統領と同じ永久凍結になりました。そのときの下書きをこちらに転載します。少し余計なことも書き加えます。
17条の憲法 概略
推古天皇12年(604年)聖徳太子は 十七条憲法 を制定。
聖徳太子(575~622年)は当時の政治改革のために考え抜いたと思います。戦後の歴史教育では官僚の服務規定だとかいって内容を教えないようにしてたかもしれませんが、世界に誇れる憲法だと思います。
憲法1条 和を貴び争わないように。
人は皆群れを作る。また人格者は少ない。
だから君主や父親に従わない。近所ともめる。
そこで上が和やかにし下が仲良くすれば議論の対立も自然と理にかなう。
何でも成功する。
和を貴ぶとは上役や声の大きい人に迎合したり斟酌して自分の考えを述べないということではなく、上に立つ人が和やかで、下の者は睦む、すると諧於論事=議論はととのう。
国会中継を見ていてたまに反対のための反対とか変なヤジとか、問題解決を目指さない行為を目にすることがあります。当時もそんなことが行われていたのでしょう、国会という組織ではなかったでしょうが。
則事理自通。何事不成。=理論が正当で気持ちが通じて、なんでもできる。
・・・でありたい。
政権交代可能な2大政党体制なんてこの憲法にはありません。問題解決のために仲良くこころを集めて成功しようとすればよいだけ。政党政治にこだわらないで個人的に信頼できる人を選ぶことができたら聖徳太子的民主主義では?
当時、朝鮮半島に対する外交方針や皇位継承問題などで氏族間対立が続き、崇峻(すしゅん)天皇暗殺という未曽有の事件も起きたあとです。
憲法2条 心から三宝を敬え。三宝とは仏・法理・僧侶。
あらゆる生き物の行きつくところは世界究極の宗教。
いつの世もどんな人もこの教えを貴ぶ。
悪人は少ない。よく教えたら従う。
仏教によらずには悪い心は正せない。
日本に仏教が取り入れられて数十年(日本書紀によると552年。元興寺縁起などでは538年)、外来宗教への反乱が生じました。これを聖徳太子は、あまり多くはない悪人にも仏教を教えようと説いたのです。目的を明らかにして国教を定めたのです。
政教分離は理想でしょうか。外国の政治家も聖書に手を乗せて宣誓したりしています。宗教は政治とは大変近いもの。西欧人が聖書というのは歴史書。日本は古事記や日本書記。そこにインドから中国渡りで入ってきた仏教は異端。しかし聖徳太子は日本を善人ばかりにするには仏教が役に立つとしました。
幕末頃二宮尊徳は仏教の特徴を説いています。(二宮尊徳夜話参照)
仏教には他の宗教にない教えがある。
前世ー現世ー来世が因縁でつながっていて輪廻転生する。
つまり今の自分の行いが来世のスタートを決める。
善いことをしなさい、悪いことをしてはならない。
この頃の仏教は、お題目を唱えたら死後は極楽だとか、信者を集め献金を集めたら幸福になるとか、そんな教えが仏教?
二宮尊徳は言いました、
生きているときカツオなら死んだら鰹節、
生きてるとき仏様みたいな人は死んだら仏、
生きてるとき神様みたいな人が死んだら神。
憲法3条 天子の命令を受けたら必ず恭しく。
天子は天で臣下は地。
天は地を覆って四季が順調に万物の気が通う。
地が天を覆うことを望むと天変地異。
そこで主君の言葉を家臣が承り、上が行い下がなびき従う。
だから天子の言葉は必ず大事にする。謹まなければ自然と敗れる。
行政の命令系統の説明。天皇をないがしろにしてはいけない。天皇を支配してもいけない。命令を下すのは天皇だけ。
これはインドのカースト制の説明ではないし、西洋の天にまします神と牧童と子羊の話でもありません。人間の中でただ一人天皇という地位があってそれが機能するから行政が順調に整います。そして主君の言葉に家臣がした がうという命令系統と責任が明確になっていると世の中が無駄なく動きます。
憲法4条 官僚役人は礼儀が基本。
民を収める基本として礼儀が必要。役人に礼儀がなければ民は落ち着かず、民に礼儀がないと犯罪が生じる。
したがって、官僚役人に礼儀があればその地位は乱れず、すべての職業に礼儀があれば、国家は自然と治まる。
役人の行儀が良い、警官が制服というのも安心。民間でも配達員はその会社の制服、工場では必要な制服、多くの職場がそれなりに礼儀を尽くしていますね。
日本では電車に乗るのも災害避難所の配給でも行列に割込みがない、これも礼儀。
日本は礼儀で自然と治まっています。
憲法5条 供応はやめ欲を捨てて明らかな司法に。
庶民の訴えは一日千件。一日でこんな、年を重ねると大変。
近頃法曹の収賄が常、申し立てを聞くのにも賄賂。
金持ちの訴えは水に石を投げるよう。貧乏人の訴えは石に水を投げるよう。これだから貧民はすがるところがない。役人は道に背いている。
聖徳太子のころはたくさんの訴訟で役人が金で裁いていた。
恥の文化というか、日本人はあまり訴訟を起こさないようになっていたけど、それは長年の治世の知恵? このごろ裁判が多いのは?
行政への陳情も同じ。政党助成金や企業献金など賄賂規定は17条憲法違反ですね。
憲法6条 懲惡勸善は古い貴い教え。
人の善行は隠さず公に、悪事を見たら必ず正しなさい。
へつらい欺く人は国を覆す武器、民を滅ぼす剣。ひねくれてへつらう人は、上には下の過失を説くのを好み、下には上の過失をそしる。こんな人はみな君に忠がなく民に仁もない。これは国家大乱の原因となる。
大昔から正義感はあり、よい人を称え 悪事は正すのが基本。その基本を忘れて情報操作する人は国家を乱します。
情報社会になって庶民はTV情報で騙されているというか、犯罪批難や過失批判のコメンテーターの発言が正義であるかのようなニュース番組に首をかしげることがありませんか。だれにへつらっているの、C国?
ネットで見ると地球温暖化は嘘、惑珍は効かない、次はさるとうで日本人を一気に殺す予定だとか、TV以外のニュースが流れています。
情報戦争、怖いものです。
憲法7条 人に各任務。よく勤めて権限を乱用しない。
賢哲が任にあると称賛。
悪賢い者なら災いや乱多発。
生来の知者は少なく心がけて聖人。
大小のこと適任者だと必ず治まる。
どんな時代も聖賢なら寛げる。そして国家は永久に危うくない。
昔の聖王は官職に人を求め、人のために官職を設けなかった。
人のために官職を設けることは今もありそう。オリンピックの組織とか問題になってましたね。古くからある問題なんですね。党利党略で人事が決まっていくことはどんな組織でも起こりえます。
社会の姿勢が正しければこうはなりません。今は政治の責任が投票権を持つ国民にあります。
憲法8条 すべての官僚役人は朝早く出勤し遅く退出しなさい。
公務は暇がない。一日中勤めても全部終えるということが難しい。
だから朝遅いと緊急のことに間に合わないし、早く退出すると必ず仕事をのこしてしまう。
今の出勤体制とは違っていたでしょうが、公務員は朝早くから遅くまでかかっても職務を全うするように。
憲法9条 信(真心、誠実)は人道の根本。
一つ一つに信が有るようにする。
その善、悪、成功、失敗は、すべて真心のあるなしにかかっている。
官僚役人ともに信があれば、どんなことも達成できる。信がなければ、全てことごとく失敗する。
役人に限らず日本人ならたいてい体得している。自分で真心こめて行動できる国であることはうれしい。
家畜のように鞭うたれ銃を突きつけられての労働ではない、賃金を求めるだけの労働ではない、愛情をもっての仕事。
憲法10条 怒るな憤るな。人の違いを怒るな。
人は皆心が拘りがある。人の思いと自分の思いは不一致。両方が聖人でも愚人でもない凡夫。良し悪しは決めかねる。互いに賢く愚か。耳輪に端がないのと同じ。だから人が憤ったら自分の間違いを恐れ、自分が得心してても人々に従って行動しなさい。
完璧な人はいないわけで、人の感情も意見も大事にして反抗的な行動を取らないように、謙譲の美徳が貴ばれる日本です。
外国では暴力デモがあるようですね。日本語は表現力が豊かなので気持ちも説明できます。しかし、今回の首相暗殺というテロは十分な意見交換ができてなかったからの爆発ではなかったでしょうか。和を大事にしてもらいたい近頃の政治です。
憲法11条 功績や過失を判断し、賞罰を必ず適切に行う。
ちかごろ、褒賞が功績によらず、懲罰が罪によらない。政務にあたる官僚役人は、賞罰を適正明確にしなさい。
八百長試合、デザインコンペ、、、今もよくある話。冤罪も。
難しいことでしょうが担当の方は正義を通してほしいです。手抜きすると内乱発生もありえます。
おおまかにいえば文化勲章や刑法などゆるぎない形が守られていてよい国です。
憲法12条 地方行政官は勝手に民から税を取ってはならない。
国に二人の君主はなく民に二人の君主はいない。この国土にいるすべての人は天皇を主君とする。天皇が任命した官僚は皆天皇の家臣。正規の徴税以外に課税してはいけない。
国税と地方税と町内会費、法人税、消費税、ふるさと納税、物品税、関税。。実に複雑でわかりにくい税制。すごい事務量。おまけにこの国土にいる人全員が日本国民とはかぎら.ない。外国人に 地方税をおさめさせると地方参政権。そろそろ法整備が必要では? これは愛国心と国防に係ります。憲法改正時には、地方自治の権限を省いて全国民に平等な税負担と行政サービスを目指してほしいと願います。
憲法13条 いろいろな官職に任命された者たちは、職務内容を理解しなさい。
突然の病気や出張などで仕事ができないこともある。急遽その職務を代わりにしても復帰後にそのまま引継ぎができてるよういつも和が大切だ。不在中で聞いてないなどと公務を停滞させてはならない。
公務なのでいつでも引き継げるように周囲と仲良くしながら職務を果たすよう役人に求めています。相談なしに職務内容を変更してはいけません。
憲法14条 役人は嫉妬しない。
自分が人に嫉妬すれば人もまた自分に嫉妬する。嫉妬の患いは限度ない。そこで英知が自分より上だとよろこばず才能が自分より上と思えば嫉妬する。それでは五百年のちにも賢者にあえず千年に1人の聖人も期待すら困難。聖人賢者を得ないで国を治めることはできない。
何百年後の発展した社会を想像して楽しむ人もあるのに、それを嫉妬して意地悪して追い出してしまう人は確かに困ります。役人は権限を持っているから特に影響が大きい。
今の国際関係も自国より優れた国は滅ぼしたいと願う心が存在しないでしょうか。戦争はなぜ続くのでしょう。
憲法15条 私心をすてて公務に専念するのが役人の道である。
人というのは私心があると恨みの心がおきる。恨みがあれば必ず不和が生じる。不和になれば私心で公務を損なう。恨みの心になると制度に違反し法律をやぶる。だから第1条で「上下思いやり調和するように」と定めた。
戦争はなぜ起こるのか。負けた国は次には勝とうとします。これを止める知恵は出てこないのでしょうか。
今の日本国憲法は平和憲法だと言われますが、この17条の憲法こそが平和憲法。戦争すれば貧乏もします、豊かな国であり続ける基本でもあるこの憲法を考えた聖徳太子に感謝します。
憲法16条 民を使役するのは時期を考えてする
これは昔のよい教えである。冬の月は暇がある、民を使えばよい。春から秋までは、農作や養蚕で忙しい時期、民を使役してはならない。農夫が農耕をしなければ何を食べればいいのか。蚕婦が養蚕をしなければ何を着ればいいのか。
公共工事は必要ですが国民の生産活動はもっと重要です。冬に民衆を使った工事はするよう定めています。
憲法17条 物事はひとりで判断してはならない。
必ずみんなとよく論議する。小さなことは軽いので必ずしもみんなとしなくてもよい。ただ重大事を決めるとなったら、もしかして失敗があるかもと疑う。だからみんなでいろいろ論議すれば、結論は道理にかなうだろう。
独裁を禁じています。そのために多くの会議が持たれたと思います。日本はこうして合議主義でした。平和繁栄を目的とすれば議論で決めて法で治めることに尽きます。
以上、日本は軍国主義でも侵略主義でもない。平和を守るために考え抜かれた立派な憲法といえないでしょうか。
戦争は絶対にいけないのかというような考察は別にしましょう。