猫が来ませんように
お隣のおばあちゃん
幼稚園に入る前年私はここの祖父母にごく短期間預けられていました。
その時にお隣に行くと、
縁に優しそうなおばあちゃんが座っておられました。
「じょん、よう来んさった」
と縁に座らせてくださいました。
火鉢のやかんと手もとの急須を使って湯呑みにお茶を入れて、
「アナウンサーさん、お疲れでしょう。まあ、一服しんさってください。」
と、大きな木製の箱ラジオの前にそのお茶を置かれました。
その時におばあちゃんの膝にいたのは綺麗な三毛猫でした。
この話を母にしたことがあります。大人になってからです。
母は
ボケておられたんやねぇ 賢いおばあちゃんで遊びに行ったら、
かき餅やほし芋やいろいろ作って持って居られてえらい人やなぁと思いよったんよ。
このおばあちゃんは翌年亡くなっています。
母の祖父の弟の家なのでおばあちゃんと母とは45歳、私とは75歳違いです。
その後ボケてややこしい人と付き合うことがあって、ボケ方にもいろいろあるものだと思いました。
いい人はやっぱりいい人なんですねボケても。
いまは猫、何匹?
5年前にここを相続して
見にきた時隣の家の縁から猫がこちらを見ていました、それが三毛猫。
あのおばあちゃんの三毛猫が子孫を残したのでしょう。
毎週のように電車で通って
家の内外片付けたり掃除したりちょっと耕してみたりしていました。
そこに猫がやってきます。
白とか黒とか きじねことか。何匹飼ってるのかわかりません。
不思議と三毛猫は来ません。
勝手口を開けっ放しにしていると家の中に入ってゴミ箱を倒していたり、
雪の日に勝手口の外で何度も鳴いて私が戸を開けるのを待っていたり、
近づくと 「ふうー」 と言ったり。
おねだりに来ているのか邪魔しに来ているのか遊びにきているのか。
私にとっては可愛いけど厄介なものとしか思えなくなっていました。
追い出す
ここをリフォームして私が住みついてからは
猫がいたら屋敷から追い出すことにしました。
早春には廃材の上でひなたぼっこしている猫、
畑作しているとすぐ近くまでやってくる猫、
私は脅して追い出します。
追いかけてどこの猫なのか行き先を見届けます。
どのコースで出ていくかも確認して塀や扉など通路を塞ぎます。
今回は昨日、手作り竹扉の裾に貼ってある金網に弛みができていました。
塞いでおくと、たいてい翌日にまたやってきて新しい経路を教えてくれます。
今回も。
裏の家の塀は毎度のコースです。
去年は雑木林からイバラを取ってきて置いたのですが、耐用年数は一年足らずでしたね。
今年はユズで
今年はずっと強力な、柚子にします。
ちょうど剪定したかったのです。
大量の枝、痛いので少しずつ運んで、いい匂い、塀沿いに並べました。
明日また来るかな。
猫も役には立ってるかも
ネコが来ると対策に半日はかかります。
でも、そのおかげで剪定が捗りました。
これで他の小動物も入りにくくなります。
「もしかしたらお隣の猫はご先祖様の御使いじゃないかな」
と、思うことがあります。
試練は私を育ててくれます。