メロディーレーン、最終コーナーからゴールまでの小さな戦い(丹頂ステークス)

9月3日、日曜日の朝、丹頂ステークスのオッズに、え?と二度見した。
なんと、メロディーレーンが1番人気である。
最終的には5番人気に落ち着いていたが、もしかしたら来るかも、という一縷の望みはあった。

スタートは15時25分、札幌競馬場、芝2600M、晴天、馬場は良、
ゲート入りは2番がじゃっかんもたついたものの、ほぼスムーズで、各馬、きれいなスタートをきった。

メロディーレーンは、最初、中団にいた。
本当は、前にいってほしかったが、しょうがない。外枠だったし、なんとか食らいついていってくれれば、と固唾をのんで見守っていた。

だが、途中から、じょじょにその位置を下げていった。
後ろから、8番の馬が位置を上げていく。メロディーレーンの外をぐいぐい追い抜いていく。

最終コーナーを回ったとき、メロディーレーンは13着だった。

上がってきた動画では、メロディーレーンは、ゴール板を複数の馬とひと固まりで通過している。

メロディーレーンとゴールした馬は3頭、
自分を追い抜いていった8番の馬、最初から前にいた6番の馬、それと最終コーナーを回ったときに、並んで走っていた葦毛の7番、
ほんのわずかの差だった。
メロディーレーンは先着していた。
最終コーナーでは13着、
ゴール板通過時は10着、
せめてここは、とメロディーレーンも鞍上も踏ん張ったのだろうか。

ほとんどの競馬ファンは知らない、メロディーレーンの小さな戦果である。

戻ってきたメロディーレーンは、まったく息を切らせていなかったそうである。中にはヘロヘロだった馬もいたようなので、やはり、心肺機能はまだまだ衰えていない。どころか、むしろ、余力を残していたのでは、と思うほどである。

掲示板には、第2の馬生の話題も出てきている。
もう7歳である。
これからもその勇姿を望むことは、メロディーレーンにとっては、酷なことなのだろうか。
でも、あの勝負根性を見て、やはり、頑張った証しを、目に見える証しをその背に、とも思う。

夏の昼下がり、メロディーレーンの頑張りは、あの流星とともにくっきりと脳裏に焼き付いている。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?