メイケイエール安田記念出走は無謀だったが無駄ではなかったはずと思いたい

メイケイエールが先月のVM回避のあと、安田記念に出走し15着、残念な結果に終わった。
ただ、レース前の調教師のコメントで「好きなように走ってもらう。走る楽しさを感じてもらう。逃げもある」とあったのを見て、あれ、勝負捨ててるのかな、と私自身は感じた。
あんな強い馬具(若駒には使用できない)を使ってまで、抑えることを教えていた馬に、いきなりそんなことを言うのは、これは、もう、このレースを最後に引退を考えている、と同義ではないのか。
当週追い切りなし、からして、なんだかやけくそになっているようにも見えた。

でも、ネットで見る限り、そういうふうにとっている人は、ほとんどいなかった。もしかしてネガティブにとらえすぎなのか、私が知らないだけでこういうふうな出走もあるのか、と思い直した。

それでも、安田記念に勝つのは、素人目に見ても無理だと思っていた。ネットでのいろんなコメントを見たり、これまでのG1の走りを思い返して、よほどのことがない限り先頭でゴール板通過はない、と思っていた。メイケイエールのことを、どう応援したらいいかわからないまま、安田記念当日になった。
この日は用事があり、リアタイでのテレビ観戦は無理だったので、あとでネットで結果を見た。15着というのを見て、わかってはいたつもりだったが、気持ちが落ちていくのを感じた。残念だった。だめだろうと思いつつも、心のどこかで、1着はないにしても好走してくれるんじゃないか、と思っていたのだろう。今までにない気持ちの落ち方だった。

結果を受けてのネットの反応もさまざまだった。ずっと応援するよ、というのもあったが、そういう人も、どうしたらいいんかねえ、とメイケイエールのこれからについて、先が見えない状態のようだった。

そういうファンの反応のほかに、メイケイエールについて、走る気持ちがなくなったのでは、というのもあった。私自身も、前からそう考えることがあったので、やっぱりそうなのかなあ、と思いながら、コメントを見ていた。

あと、一つ、気になるコメがあった。おそらく競馬に詳しいかたの指摘で、一般的な意見だと思う。けっこうたくさんのかたが同じことを書いていた。メイケイエールは馬群に包まれると嫌気がさしてやる気がなくなる、といったもので、おそらく、これまでの気性難の馬が、そういう様相を見せていたので、そう判断されたのだと思う。
ただ、メイケイエールの気性難はこれまでの気性難とは違う。今までにない種類の気性難なのだとだれかが言っているのを見たことがある。
これまでの、途中で沈んでいったレースを見ていて、メイケイエールは、進路がふさがれると、戸惑ったり、あたふたしてはいるが、嫌気がさしたり、レースを投げ出しているようには、私には見えなかった。なんとかしたいが、どうしたらいいかわからない、というふうに見えた(つまりはセンスがないということか)

私はレースを見始めて日が浅い。おそらく、私の判断は違っているのだろう。多くの指摘にあるように、メイケイエールは、馬群の中で進路をふさがれたり、行こうとした位置をほかの馬に取られたりすると、嫌になって途中で走るのをあきらめているのかもしれない。

でも、何度見ても、私の目には、ただただ困っている様子にしか見えない。
今回の安田記念も直線でどんどん、ほかの馬に抜かれてはいたが、一生懸命走っていた。自由に上げられない頭を、それでもなんとか使って、でも抑えられてやっぱり上げられず、ほかの馬のように首の上げ下げで加速をつけることもできないまま、でも、一生懸命に走っているように見えた。

馬具のせいで、勢いがなく見えるのはしかたないと思う。
それをやる気がない、と、ぱっと見で判断するのはどうか、と、痛いファンである私は思う。
騎手のコメントで、毎回、気持ちが切れていた、というのを見ているので、そう見えるのかもしれないし、実際、そうかもしれないが、私は、やっぱり信じたいし、ただ不器用なだけなんじゃないかと思っている。

今の鞍上の要求に応えるには、メイケイエールは、まだまだ能力不足、経験不足、調教不足なのだろう。5歳にもなってそれができない時点で競走馬失格、と言われてもしかたないのかもしれないが。

競馬は素人で、なにも知らない私は、いろんなものが見えていない。
でも、だからこそ、メイケイエールは嫌になってレースを投げ出したりはしないと言い切れる。
私には、最初はレースを嫌がってはいても、いったんレースに出たら、一生懸命に前に行こうと走っている、そんな風にしか見えない。


……いいです。もう、どうしようもない痛いファンで。
でも、ほんとに、メイケイエールを見ていると切なくなるんです。

いいなと思ったら応援しよう!