「相続」はなぜ「争族」になるのか
仲の良かった家族でさえ、「相続」がきっかけで「争族」になることがあります。その原因を考えます。
①やっぱり「お金」の話だから
なんだかんだ言っても「お金」が絡む話だから、ではないでしょうか。
「お金なんて要らないよ」なんて人あまり見かけません。貰えるものは貰いたい、と考えるのは当たり前のことだと思います。
以前にも書きましたが、家庭裁判所で扱われる「遺産分割事件」のおよそ4分の3が財産額「5,000万円以下」のケースです。つまり、金額の多い少ないで「争族」になるわけではないことを示しています。
②家族それぞれの思い
家族間での感情のぶつかり合い、です。
例えば、「○○はマイホーム建てるときにお金出してもらっていた」とか「△△は事業始めるときに援助してもらっていた」なんてケースです。
これらは「特別受益」と呼ばれます。
原則10年以内の特別受益については、遺産分割や遺留分の計算の際に、持ち戻します。つまり、その金額をすでに受け取っている、とみなします。
③家族の中心にいた「あなた」が亡くなっているから
相続は死亡をもって開始されます。(民882)
「争族」となってしまった時には「あなた」はいないのです。今まで家族の中心に立ち、家族をまとめ上げ、様々な争いを解決してきた「あなた」がいないからなのです。
④「遺言書」が遺されていないから
①②③を解決できる④「遺言書」が遺されていないからです。
「遺言書」は最期の意思表示、ともいえるものです。
「遺言書」さえ遺されていれば「争族」になる確率はぐっと下げることができると思います。
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