太郎
鬼ヶ島に辿り着いたのは、この太郎、只ひとり
冒険の数多(あまた)は字数の理(ことわり)で割愛せざるを得まい
特筆すべきは次の事柄のみ
雉は、猿と犬と太郎が食し
犬は、猿と太郎が食し
猿は逐電した
さて目指すは、一鬼のみ
美しき女人族の導きがあるも鬼との邂逅の時は僅かなり
問答も無く討ち果たした鬼の骸を荼毘に伏すと、最早、目的を喪いし太郎は島に留まる天命に従うばかり
幾年の歳月の果て、太郎は我が身が鬼と化す夢朧(ゆめえぼろ)に病み
妻たちの怪しからぬ目配せに気付くこともない
鬼ヶ島に辿り着いたのは、この太郎、只ひとり
冒険の数多(あまた)は字数の理(ことわり)で割愛せざるを得まい
特筆すべきは次の事柄のみ
雉は、猿と犬と太郎が食し
犬は、猿と太郎が食し
猿は逐電した
さて目指すは、一鬼のみ
美しき女人族の導きがあるも鬼との邂逅の時は僅かなり
問答も無く討ち果たした鬼の骸を荼毘に伏すと、最早、目的を喪いし太郎は島に留まる天命に従うばかり
幾年の歳月の果て、太郎は我が身が鬼と化す夢朧(ゆめえぼろ)に病み
妻たちの怪しからぬ目配せに気付くこともない