
君の居ないクリスマスがやって来た…僕はひとり。
君の居ないクリスマスがやって来た…僕はひとり。
12月の街の喧騒を横目にただひたすら歩いた。戻るべき場所に君は居ない…何故なら数年前些細な喧嘩でふたりの部屋から君が何も言わないで荷物を纏めて出ていってしまったから。
君が出ていった時はまた直ぐに戻ってくると信じていた。
それが2日経ち3日経ちやがてはひと月ふた月になり1年2年といたずらに時が流れ過ぎても君は戻らなかった。
流石に焦る僕…そして街の喧騒の中に君の姿を追い求めた。。
だけどどんなに探しても君は見つからなかった。見覚えのある後姿に君の面影を何度となく重ねてみたりもした…だけどいつも違っていた君じゃなかった。
何処へ消えたのだろう?
それとも君と過ごした時が全て幻だったと?
そんなの僕は信じない…信じない…信じないんだから。
失うまでその大切さに気づかないって本当だと知った。
12月の冷たい雨がぽつりぽつりと僕を街を濡らし始めた。
まるで君の零した涙の様に。
ねぇ君は何処にいるの?
誰と居るの?
僕の事など忘れてしまったのかい?
問いかけてみても勿論答えなどあるわけも無く…
雨はやがて雪となった。
街の灯りもやがてひとつまたひとつと消え始めた。
僕のコートの両肩にも少しずつ湿った雪が積もり始めた。
寒い…
暗いあの部屋に君の居ないあの部屋に戻りたくない…だけど帰らなきゃいけないんだ。
何が悪かったんだろう?
問いかけてみても勿論答えなどあるわけも無いのに…無意味な問いをただ繰り返す僕。
クリスマスプレゼントなんて要らない!
美味しい食事も大きなケーキも
何も要らない!
君が…君が…君さえ居てくれるなら…
他に欲しい物なんて無いのに。
愛しい君は何処へ?
もう逢えないのか?
僕は…僕は…君に逢いたい!
そして僕は今年もクリスマスの孤独をただただ噛み締める…
降り積もる湿った雪で重たいコートにうんざりしながら街の喧騒にうんざりしながら消えゆく街灯りのひとつひとつに淋しさを感じながら…
僕はひとり歩く。
今夜も君の居ないあの部屋にあの真っ暗な冷たいだけの部屋に戻る為に。
上記とは全く関係ありませんが、ここで1曲…
HY/366日
(YouTubeより)
《おしまい》
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上記は寂しげなユニコーンとクリスマスの煌めきを対比させたくて選んだ画像(塗り絵アプリで色塗りして仕上げました)。尚、ヘッダー画像はYahoo! JAPANさんにあった画像を使用しています。