日本にこだわらないほうが日本を救えるかも知れません
昨日もシンガポールに移住している何人かの日本生まれ日本国籍の起業家たちとミーティングさせてもらったが、とても優秀で楽しかった。すぐれたアイデアで世界を狙う起業家達との触れ合いほどワクワクするものはない。
しかし、彼ら曰く「自分たちより若い世代でリュック一つでシンガポール移住してくる奴らは自分たちが比べものにならないくらい優秀ですよ」と口を揃える。
皆、普通に最初から地球を市場として新しい世界を創るためにシンガポールにやってきているようだ。もちろん日本の法制や税制がビジネスやテクノロジーに追いついていない事もある。
「日本がダメだ」とか「日本を変える」とか言っている時間と労力が無駄なのである。日本だけ特殊で世界の潮流とは真逆なものが目立つが、でも世界を見ればチャンスだらけだ。小さくなり続け老いて豊かさを失い、ますますややこしくなる日本を批判したり変えようとするのと、日本より何倍も広くて豊かになりつつあり 、若くて、新しいアイデアがテクノロジーを歓迎する世界を舞台に思い切り挑戦するのとどちらがワクワクするだろうか?
どちらが多くの人を助けられ、新しい物を作り出せるだろうか?
まあお好きにされればいいが。「日本を変える」といって権力に近づき、当初は権力と仲良くすれば、優遇されて事業もスムーズに進むかも知れない。投資家目線で言わせてもらえば、起業家とは使えるものは何でも使うべきだとも思う。利用できる権力や機会は使えばいい。
しかし、既存の権力や利権と仲良くして、そういう手段を使って楽に成長した場合、ますます「日本を変える」とか言う初心とかけ離れる事は肝に命じるべきだ。私腹は肥え、国内で多少の名声は手にするかもしれないが。そして、その手段が使えない国外や権力が力を失えば、その手段で楽に成功してきたツケが回ってくる。
最初から、ますますややこしくなる日本ではなく、競争は激しいが、大きく豊かになる若い世界で前向きにフェアに戦う方が、長い目で見て、楽しいし、ワクワクしながら血となり肉となり、深くて長続きする喜びをもたらす。
日本は外圧や逆輸入が好きな国なので、外で若い起業家が大成功しながら新しい世界を作っていけば、中で批判したりするより、日本を変えることになるかもしれない。
若くて優秀な起業家が、あっさりと肩の力を抜いて、日本から海を渡り世界を目指す姿を見て、彼らが世界を変えて、そして、それが日本を変えてくれるかもしれないと妄想した。