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noteで知り合った若者と、楽曲リリースして台湾・中国にまで拡がった舞台裏。
皆さんこんにちは。作曲家で音楽プロデューサーの齊藤耕太郎です。Spotifyを中心に楽曲をリリースしながら、普段は企業のCM音楽も作っています。自己紹介がてら、僕のウェブサイトをどうぞ。
noteがキッカケで1曲リリースしました。
さて、2月21日(金)に今月3作目のシングル「Not Found 404」をリリースしました!僕にとって初めて、ヒップホップトラックを世に放ちました。
この曲、実は以前note上でサブミッション企画を行った時に、無言で僕に楽曲リンクを送りつけてきたキレキレの(笑)23歳、ORIVAくんとのコラボ。なお、今日のお話はこの曲を聴きながらの方が解説としてわかりやすいです。是非、Spotifyまたは他のストリーミングサービスでループして読んでください。ループが全く苦ではない曲に仕上げています。
サブミッションnote企画(今も続けているので是非)
ORIVAくんについてはこちらを是非。
楽曲を聴いてもらうと、彼の狂気ぶりが伝わってくると思うのですが、話してみるとビックリするくらい生真面目で礼儀ただしい青年です。それが、また怖い。そんなサイコパスな一面を匂わせまくる才能の塊なのです。
使い方一つで、こんなに才能のあるアーティストと出会えるnote、思えば僕がSpotifyのバイラルチャートに入ったのもnoteがキッカケ。結構救われています。本当にありがとうございます。
ワーナーの新レーベル「+809」からリリース
初めて会った日が僕の自宅スタジオの近所だったのもあり、話が盛り上がり、すぐに彼を拉致ってスタジオに連れて行きました(笑)で、なんか作ってみようという話になり、僕がおもむろにピアノを弾き、彼の琴線に触れたフレーズが出るまで10分。
そこに自慢のアナログシンセやリズムマシン(具体的に言うとキックはSequential TEMPESTと808サンプルの混合、スネアは808サンプルそのまんま。マッドなシンセベースは我が愛機、Proohet-5!)で質感を作り込んで、超シンプルな、それでいて美しさと汚らわしさに溢れる重低音トラックが完成!所要時間、1時間たらずで僕の仕事は終わりました(笑)
リリース先を探していたところ、縁あってワーナーミュージックジャパンが展開する新レーベル「+809」からリリースが決まり、今回の運びに。
以下、記事から引用。
国境を越えて世界中で盛り上がりを見せるR&B、ヒップホップなどのいわゆるアーバンミュージックジャンル。本レーベルはここからの活躍が期待される有望な日本のアーティストの音楽を、ワーナーミュージックのグローバルなネットワークを使いデジタル配信。日本から世界に向けてアーバンミュージックを拡げていく活動を仕掛けていく。
この栄えある機会に僕らを選んでもらえて光栄です。
すぐにミックス完成、しかしここからが大変だった
いざ実際に、楽曲のリリースが大枠内定したところで、すごく大変だったのがプロモーションプランの策定でした。
11月にミックスまで完成したのに、結局3ヶ月以上の時間を費やし、リリースが今に至りました。その間、様々なプロモーションアイデアを出しては、僕らアーティストにとって大切にしたいこと、実際にソーシャルを中心に考えた時にどうやったら楽曲リンクをクリックしてもらえるかを、チームを作って本当に長い時間議論しました。
曲が僕にとって初の「EXPLICT=際どい表現が使用されている楽曲」である事、出てくる企画が割と世間に対して攻撃性を持つものが多かったため、楽曲で表現したい価値は何か、僕らアーティストにとっての「正義」は何か、それらをリリースの数分前までずっと議論し続けました。こんな経験は今までになく、正直すごく疲れましたが、いい経験です。
姿勢を示す映像、ソーシャルで生きる歌詞とアートワーク
今回、僕らは3つのコンテンツでこの作品を世に打ち出すことに。
①旧態依然とした音楽の在り方をNot Foundにする15秒映像
僕らなりに、この曲だけでなく、これからの音楽に対して自分たちの在り方を示した映像です。世界中で楽曲を聴いてもらいたいという想い、世界の潮流がどんどんストリーミングに変化していく中、CDに依存する音楽発信のスタイルは僕たちらしくない、という気持ちを込めて、自らのCD盤をシュレッダーに突っ込み、破片がスマホになり、ストリーミングで再生されている映像を作りました。
ストリーミングもCDも、音楽を楽しんでもらうための方法に過ぎないと僕は考えています。時代が変われば、楽しみ方だって変わってもいいんじゃない?僕らはそこに行くよ。そんなメッセージを込めています。一部の方からは反感も買いそうだなと思いつつ、僕はそこに未練はないので、思い切り自分の想いをぶつけてみました。
是非、多くの方の目に留まりますように。共感してくださる方、是非以下のツイートをシェアしてみてください。
Not Found 404https://t.co/qClvsDTy5R
— Kotaro Saito / 齊藤 耕太郎 (@kotarosaito1211) February 20, 2020
OUT NOW
KOTARO SAITO+ORIVA pic.twitter.com/zqk0AqTDsF
②サブスクやSNSなどWEB上で異彩を放つQRビジュアル
今回の強い武器の一つ、それはアートワークそのものです!
QRコードってそもそも、普段ウェブの世界への入り口として活用されるもの。今回はそれを逆手にとって、「QRで読み取っても何も出てこない=Not Foundになっていたら面白いよね」という発想で、QRコード自体をアートワークにしました。ちなみにPCでnoteを読んでいるそこのあなた!是非読み取ってみてください。遷移先にも小ネタを挟んでいますので。
後ほど書きますが、これらを武器にまず、配信サイト側でもものすごく目立つことができました。違和感と楽曲のテーマを逆手に取り、ありそうでなかったアートワークを生み出すことができました。
③曲の根っこ。歌詞。
とにかく、今回の歌詞は強い。混沌としていて、正直意味不明。でも、そこが何かすごく不気味で、かつORIVAくんが歌った瞬間に圧倒的なフロウが生まれてくる。才能としか言いようがない。
せっかくなので、歌詞を記載します。是非音楽を聴きながら追ってみてください。いい意味で日本語に聴こえません。
Not Found 404
Lyrics by ORIVA
ブロックを握り降り下ろす思い切り
騒げないようにお口にホッチキス
おもちゃみたい君の彼ピッピ
羽が生えて踊り出すピクシー
マナーが人を作るのは常識
FANZA で落として見る p***y
冠婚葬祭でもビンビン
昨日まで元気でもポックリ
野菜少なめ油マシ
羽振りがいいときだけ寄ってくる bitches
ガキを泣かす憂さ晴らし
薬と戦う夜中 2 時 3 時
聞き飽きたよその話
悪いけど他と違いすべらない
無課金だけど狙うグラミー
虜になる 抜け出せない 俺好み
気に喰わないなら do it
Cute is justice 素敵
フェイクとかリアルとかない
俺には必要ない
ラスボス前に振り出し
測れやしない市場価値
手のひら返してよ honey
それまで口閉じない
うだつの上がらない日々
遺体の臭い 死者の叫び
君がヘンなら俺はジミー
煮え切らぬ思いへの怒り
エロいこと考えてた
犬も歩けば棒に当たる
家で 1 人乾布摩擦
明日は晴れるのかな
ラスカルみたいに黒い
Yahoo ニュース クソなコメント
あいつら所詮おままごと
俺のはリアルおままごと
いきなり投げかけるスピリタス
歪な形でも口に合う
シリアル フルグラ
大事なことだけは言わない
気に喰わないなら do it
Cute is justice 素敵
フェイクとかリアルとかない
俺には必要ない
ラスボス前に振り出し
測れやしない市場価値
手のひら返してよ honey
それまで口閉じない
彼のメッセージで特に強いところを、告知そのものに使わせてもらっています。今回の主役はトラック以上に歌詞と歌。そのメッセージを直球で伝えるのが彼の才能を120%に引き出すためには必要だとチーム一同感じています。
Spotifyだけでなく、中国・台湾最大手のサイトにも
緊張の面持ちでリリースしたところ、今までとは全く違うスタートに!
Spotify
まずはSpotify。今回、何が大きいって、ブラウザトップにある「J-トラック」ジャンルのニューリリースに僕らの楽曲が載れたこと。数々の曲を出してきましたが、これは初めてです。しかもQRにしたことで、めちゃくちゃ目立っています!スマホアプリからも同じようにいい位置で紹介してもらえて、本当に嬉しかったです。いつも手厚いご紹介、ありがとうSpotify。
さらに、New Music Friday Japanにも掲載いただいています。今週は話題作が多い中、今まで僕がリリースしてきた曲とはかなり趣向が違うにもかかわらず、こうしていいスタートを切らせてもらえたことに感謝です。
そしてちょうどこの記事を書いている最中に、台湾のSpotifyプレイリスト「J-Pop 新幹線」にもピックアップされました!2週前にリリースした内山肇さんとの新曲「Before I Know」と共に、2曲同時のプレイリスト入り。
Apple Music
「ヒップホップ/ラップ」ジャンルの注目トラックとして初日から紹介してもらえています。僕のこれまでの音楽性からヒップホップの注目トラックに入るとは・・・。
AWA
avexが展開するAWAでは、僕のアー写付きで注目トラックとして紹介いただきました!ありがとうございます。嬉しい。
そして、普段到底手が及ばない、アジア圏のサービスにも波及しました。
中国最大手 QQミュージック
初の中国での注目トラック扱い。嬉しいです。これを機に、どんどん聞いてもらえる人を増やしていきたいです。
台湾最大手 KK BOX
こちらも普段なかなか立ち入れない台湾の人気配信プラットフォーム。Spotifyでも、台湾は僕にとって非常にリスナーが多い国。こうやって少しずつ、他のサービスでもファンの方が増えてくれたら嬉しいです。
このように、コンテンツとコンテンツを掛け合わせた事前のプロモーション、ワーナーの持つ母体の力が重なり合い、僕の独力でリリースした時とは比べ物にならない効果を得ることができました。
結論と今後の展望
リリース初日から、今までとは違う風向きでチャンスをいただいた僕ら。これを活かしていくためには、僕たちの発信で世の中に知ってもらうことが肝心です。ワーナーに履かせてもらった下駄を、しっかり活かしていく。そのための施策を色々と考えています。
インディでリリースし続けていく以上、自由な代わりにプロモーションに対する圧倒的な弱さがこの国は特に強く残ります。そこをしっかり受け入れた上で、ではどうするか?この思想はたとえ自分がメジャーと契約した時も、ずっと持ち続けなければいけないことだと思います。
プレイリストでもなんでも、一度入れてもらった後、その後どう動くかが最も重要なこと。それぞれのアーティストに合う、それぞれの視点での発信がこの時代は不可欠だと感じます。僕にはこのnoteという手段が表現手法としても人間性としても合っているようなので、引き続き僕が体験したこと、知っていることはシェアしていこうと思います。これだけ濃厚に、自身の体験を書くのは最初に話題にしていただいたこの記事以来でしょう。
この頃から1年半。何もかも手探りだった自分にも、仲間や知見が集まってきました。継続は力なり、そしてその継続を、常に本気、真剣勝負、とりあえず利益は度外視(笑)で突っ走ったからこその今だと思います。
音楽をより楽しく。自由に届けられる環境を僕は作りたい。それは僕だけでなく、僕が魅力を感じるアーティストやクリエイターにとってもです。もう少ししたら、それに対する新たなアクションについても発表します。
今回の「Not Found 404」のさらなる成功が、きっと僕らだけでなく、音楽を自由な形態で発信している多くのアーティストの方々のモデルケースになるはず。自身の欲を抜きに、僕らが選んでもらったことを次に活かしたいと本気で考えています。是非、シェアのお力添え、そしてSNS上からの楽曲試聴、宜しくお願いします!
再掲:
共感していただいたら是非記事と共に、これを引用RTしてください。みなさんのシェアが僕らの大きな力になります!
Not Found 404https://t.co/qClvsDTy5R
— Kotaro Saito / 齊藤 耕太郎 (@kotarosaito1211) February 20, 2020
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KOTARO SAITO+ORIVA pic.twitter.com/zqk0AqTDsF
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