看護師4年目で実習指導したわたしが実習中に大切にしていたこと①〜患者さんと学生さんの関係づくり〜

今回は、実習指導者ってどんなことを考えてるの?ということについて書いていこうと思います。

ほかの指導者さんがどう思っているかはわかりませんが、何かしら共通するところはあると思うので参考になると嬉しいです。

今回は学生さんと患者さんの関係づくりについて。

「患者さんに失礼なことしてないか。」
「また学生さんが患者さんと関わりにくいと悩んでいないか。」

これが一番心配でした。
実習はコミュニケーションが一番大切です。

わたしは患者さんも学生さんも実習という場を通じてお互いに嫌な思いをしていないかが心配でした。
未熟な学生さんは患者さんの些細な気持ちの変化に気づかないことも多いです。
そして患者さん自身も、学生さん受け入れたからという責任感から、気を遣いすぎて言いたいことが言えないこともあります。
わたしはここを調整するのが指導者として一番大切だと思っていました。
気になる学生さんには患者さんのところまで一緒についていって、コミュニケーションがとりやすいように話をふったり、そのときの患者さんや家族の反応を見ていました。
患者さんと家族が学生さんと上手くいってなさそうと思ったら、学生さんが帰った後にお礼をいくついでに話を聞きにいったり、学生さんの説明をしたりしていました。
学生さんがどのように行動していくのか全く想像できない患者さんも多いです。実習って何時までなんだーとかバイタルサインは1日2回測らないといけないんだーとか。不安そうな人には細かいことから伝えていきます。
学生さんはうまく説明できないことも多いですし、全て説明するのがいいとは限りませんから、そこの線引きはわたしたちがしてあげます。もちろん学校の先生からの説明もあります。
学生さんと距離の取り方が難しいと感じている患者さんや家族がいると、その受け持ち学生さんに行動計画を通して看護的に伝えます。患者さんいやそうだったよ、とかお昼は1人で食べたいらしいよ、とかそんな言い方はしないようにしています。学生さんが心折れてしまってはいけませんから。学生さんにはいい患者さんとご家族にお会いできた、いい関係を築けたと思って実習を終わって欲しいと強く思っています。あくまで、看護的な誘導の指導をして、その上で本人に行動の変え方を考えてもらいます。

その指導で気付ける学生さんは多く、それを実行することで患者さんの反応や受け入れが良くなった、と喜んで報告してくれる学生は多いです。そういう姿を見ると、いい経験ができたな〜とわたしも嬉しくなります。

患者さんと家族は、はじめは学生さんに対して、話を聞いてくれる人、遊んでくれる人、というイメージしかなかったとしても、最後には学生さんってこんなにもわたしのこと(小児ではわたしの子供のことも含め)を考えてくれてたんだーと思う人も多いです。

学生さんには、いい意味で患者さんの予想を超えたケアしてほしいと思っています。
看護師の予想を超えたケアは難しいですから、わたしはあくまで患者さんの予想を超える、または期待に応えられる、というのを目標にしています。

最後の最後で患者さんから学生への評価がぐーーんと上がる。こういうことを何度も見ました。これをするには、毎日毎日学生さんが患者さんが見えないところでもたっくさんの努力をしてたっくさん考えることが必要です。
この関係性を築けると、患者さんにとっても学生さんにとってもプラスな実習となり、お互いがかけがえのない出会いになります。

学生さんだけでは考えられないこともありますが、指導者がうまく誘導することで、達成感を味わえるようにがんばらせる。これが指導者の腕の見せ所です。誘導次第で本当に学生さんはがんばってくれます。
誘導と書きましたが、わたしは学生さんが「自分で考えたケア!患者さんのためにたくさん考えてがんばったケア!」と思えるような誘導をします。答えを言うのではありません。

わたしは患者さんが学生さんのおかげで喜んでいる様子ももちろんですが、学生さんがやりきった!!いい実習だった!!とすっきりとしたやりきった顔を見るのがやりがいでした。
実習最後のお礼の挨拶の顔に出てるんです!

しんどい実習ですが、得られるものはとてもとても大きいです。

指導者も頭を抱えながら、学生のため、そして患者さんのため、その両方を守るため必死になっているのです!

実習、頑張ってくださいね!

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