抗てんかん薬まとめ

今回は抗てんかん薬についてまとめました。抗てんかん薬は種類がたくさんあり、新しいてんかん薬もどんどん出てきています。
内服開始時期は、第一選択薬であるデパケンやイーケプラ、フェノバールなどがよくつかわれており、それでてんかん発作が抑えられた場合は、単剤か多くても2種類くらいの組み合わせの人が多い印象です。
ですが、難治性てんかんと呼ばれるてんかんの場合、内服では発作を完全に止めることはできず、てんかんの内服薬と使いながらてんかん発作と付き合っていく形になります。難治性てんかんの場合、てんかん発作が増えてきた場合や大きい発作がでてきたタイミングで内服を増やしたり、薬を完全に変えたりします。難治性てんかんの場合、本当にコロコロと内服薬が変わります!!この薬の変更になかなかついていけない・・・と思い、今回改めて内服薬についてまとめて勉強してみました。
内服薬の選択についてですが、難治性てんかんの場合は先生の好みだったり、その子がどれだけの内服薬を試してみたのか、副作用はどのくらいでたのか、などでも変わります。ですので、なぜこの薬を選んだんだろう、というのは考えすぎるとドツボにはまってしまうので、看護師であれば、なんとなくの分類と副作用を中心に内服薬を覚えて、あとは臨床で発作の観察を注意深するので十分だと思っています。

〇フェニトイン(アレビアチン・ホストイン)
・部分てんかんの発作、全般てんかんの強直発作などに有効。
・中枢神経に作用することによりてんかん発作を抑える。
血中濃度が変動しやすい性質があり、血中濃度のモニター必要。
・量が多いと眠気、ふらつき、複視などの副作用が生じる。
・長期服用により歯ぐきが腫れることがある。

〇フェノバルビタール(フェノバール・ワコビタール・ノーベルバール)
・強直間代発作などに有効。
・部分発作の第一選択薬としても用いられる。
・注射剤として、てんかん重積状態に使用されることがある。
・眠気、気分低下などの副作用がみられることがある。
・小児てんかんにおける第一選択薬の1つ。

〇バロプロ酸ナトリウム(デパケン)
幅広い発作抑制スペクトルを示し、全般発作の第一選択薬。てんかんに伴う性格行動障害も抑制する。
・肝機能障害や血小板減少症が起こることがある。
・強直間代発作、ミオクロニー発作、欠神発作の第一選択薬として多く用いられる。

〇ベンゾジアゼピン系
強力な抗てんかん作用と広範な抗てんかんスペクトルを有しており、難治性てんかんにも効果がある。長期服用患者では、耐性の出現に注意が必要。
・脳内のベンゾジアピン受容体に作用し、神経の興奮を抑制することで、てんかんなどによるけいれん発作などの症状を抑える。
・主な副作用は、眠気、ふらつき、ものが二重に見える、発疹など。
ダイアップ座薬
・小児に対して熱性痙攣及びてんかんの痙攣発作の改善として用いる。
・発作が起こったとき、発作が収まらないときに第一選択として使う。自宅で使用できるため、発作持ちの子はほとんどの子が持っている。
・熱性痙攣の既往がある、熱性痙攣を繰り返す場合は、予防として発熱時に投与する。
・小児にジアゼパムとして1回0.4~0.5mg/kgを1日1~2回、直腸内に挿入する。1日1mg/kgを超えないようにする。
・2回目を投与する場合は、1回目の投与から8時間は間隔をあける。
・主な副作用はふらつき(5.02%)、眠気(4.52%)、興奮(0.35%)
・重大な副作用:依存性(頻度不明)、刺激興奮、錯乱等、呼吸抑制(頻度不明)
・眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがある
マイスタン
・1日10㎎より開始し、徐々に増量する。
・通常は、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない部分発作や全般発作において他の抗てんかん薬と併用で使用される(ただし、本剤を単独で使用する場合もある)
・副作用として眠気やふらつき、唾液分泌の増加などがある。
ジアゼパム(セルシン)
・注射薬もあり、痙攣重積状態の治療にも用いられる。
ランドセン
ベンザリン

<新規抗てんかん薬>
〇レベチラセタム(イーケプラ)
・部分てんかんの発作に付加薬あるいは単剤として使用される。
初回から通常の有効用量で開始できるため、すばやい治療効果が期待できる。
・全般てんかんの発作、特にミオクロニー発作にも有効。
・併用している抗てんかん薬の血中濃度に影響を及ぼさないといわれている。
・眠気やいらいら感などの副作用がみられることがある。

〇ラモトリギン(ラミクタール)
・全般てんかんおよび部分てんかんの発作に付加薬あるいは単剤として使用される。
レノックス症候群の発作にも有効
バルプロ酸により血中濃度が上昇する。
・主な副作用は眠気、ふらつき感や口内炎や結膜炎など皮膚や粘膜の異常など。

〇ガバペンチン(ガバペン)
・他のてんかん薬と併用する。
・併用による相互作用は少ないのが特徴。
・主に腎臓から排出されるため腎機能障害患者への投与には注意が必要。

てんかん薬ほんとに多すぎる〜
がんばって覚えよう。

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