食事介助について〜重度心身障害児〜
今回は摂食介助について勉強しました。
摂食については、病院勤務の時は、姿勢と誤嚥しないようにということくらいしか勉強しませんでした。というより、付き添い入院が基本だったので、摂食介助の機会がほとんどなく、あったとしても正常発達の幼児だったので、勉強したり教えてもらうほどの機会がなかったのが事実です。
今の職場では重度の障害の子でも嚥下に問題のない子は摂食介助をしています。そして、今回この勉強をしてみようと思ったのは、生まれてから摂食したことがないお子さんが嚥下機能検査を経て、口からの摂食をはじめてみよう!と動き出したことがきっかけです。「食べること」は、ほとんどの人が毎日の楽しみにしていることです。わたしも食べることが好きです。今回勉強することで、毎日毎日繰り返す「食べる」という行動が奥深いものだと改めて気づきました。「食べる」ことは、摂食行動から栄養、消化、排泄、まで様々なことに関わってきます。ほんとうにすごい。食べるって生きること、というのがよくわかります。
食べる機能
・食べる機能は、自然に身についているのもではなく、離乳食を通し、食べることを繰り返すことで学習しながら機能を獲得している。そのため、食べる機能の獲得や発達が困難であった子どもへ食事支援をするには、どのような摂食機能を獲得しているか、獲得していないかを観察・評価する必要がある。
経口準備
感覚刺激に対して、敏感に反応することを「過敏」という。脳の発達の未熟さ、指しゃぶりなどの感覚刺激体験不足が原因と考えられている。スプーンや食べ物を嫌がることにつながるため、リラックスできるときに、触れられると嫌がる箇所を手のひら全体でしっかり触り、触れられることに慣らしていく。私の職場では、バンゲード法を使っています。YouTubeで調べると出てくるのでぜひ参考にしてみてください。経口摂取の前のストレッチとして使用したり、経口摂取がない子でも歯磨きの時に行ったりしています。
姿勢管理も大切。重心の子は筋緊張の亢進、低下、動揺があるため、誤嚥しにくく摂食しやすい体位に調整を行う。頭部を安定させ、股関節の屈曲を保持する。できるだけ頭部と体感がまっすぐであることが望ましい。
捕食機能
捕食機能の獲得は5、6か月ごろ。上唇を使ってスプーンから食物を取り込む動きを獲得する。上唇を使うことによって、口に入る量を調整することも覚える。
捕食機能獲得不全とは、口唇を使わずにスプーンなどから食べ物を取り込んでしまうこと。舌と上唇でスプーンを挟んで取り込むように介助する。舌突出がある場合、スプーンで舌を口腔内に誘導し、下顎を閉じさせる介助が有効。歯でこそぎ取る場合は、上唇を下方に伸ばしスプーンに触れるような介助を行う。
押しつぶし機能の獲得
押しつぶし機能の獲得は7、8か月ごろ。舌の先で口蓋に押し付けてつぶし、飲み込みやすい形態に変える。舌は口腔内で上下に動き、口唇は左右対称に伸縮する。
押しつぶし機能獲得不全とは、舌の上下の動きが弱く、食物を押しつぶせず口から出てきたり、口のなかでばらけてしまうこと。口唇の伸縮もない。この場合は、下顎を介助し、舌が口蓋につきやすいようにする。親指と中指で頤部を挟み、人差し指で顎角部を支える。
嚥下
嚥下には赤ちゃんがミルクを飲むときの乳児嚥下と離乳期移行の成人嚥下がある。
成人嚥下とは、口を閉じ、顎を固定し、動きを止めた状態での飲み込みかたのことである。
成人嚥下の獲得は5、6か月ごろ。最初は下唇が上唇に巻き込まれる様子が見られるが、徐々に上下の口唇を閉じるようになる。
食べ物や唾液が食道に入らず気管に流れ込む誤嚥と、食べ物を詰まらせる窒息がある。上向きの姿勢、口に食物があるのに息を吸うなどで誤嚥・窒息が起きやすくなる。誤嚥してしまった場合はせき込みにで出せるようにする。せき込んだ場合は、やや前傾の姿勢と取り、口の中のものを出す。うまく出せない場合は吸引が必要な場合もあるが、吸引刺激により、嘔吐を誘発し、吐物を誤嚥してしまう場合もあるので注意する。誤嚥したと感じたときは食事を中断し、呼吸音を聴取、SpO2や顔色などでアセスメントする。
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