データを活用しましょう
データって取るのだけで大変だったのは昭和の話。アルバイトで統計情報とかノート取りに行かされたの遠い昔。モデム使って日経のデータをピーヒョロヒョロと受信していたのはいつだったのか・・・
あたりまえだが今はネットの時代。有料無料はあるが統計情報はネットで簡単にとれる。国のデータはタダ。データにアクセスする権利はほぼ平等にあり、データを持っているかどうかはは全くアドバンテージにならない時代。
大切なのは「データをどのように生かすか」につきる。
第6回 #かん味処 でははほとんどの農家にない視点を教えていただいた。
その見方、おもいっきり主観じゃないっすか?
梅雨に入りそうなこの時期、聞こえてきそうな会話・・・
「今年は雨多いね」
「今年は強風の日が少ないね」
「なんか成長が遅いんだよねぇ」
農家やご近所トークでよく交わされる会話。まぁ井戸端会議みたいなもんだから、その程度の話でいいといえばいいのかもしれない。
けど、農業経営という観点から見ると、ほんとにそれいいのか。
雨量、気温、日照時間などの情報はアメダスですべて取得できる。もちろんタダ。主観、感覚で感じていたお天気情報を数字で捉えることができる。
※アメダスの観測所がどこにあるかで変わってくること前提で
すべて過去の情報でしかないが、作物の生育具合を判断するひとつの手段としてアメダス情報はすごく有効。
生育状況がよくない
↓
天候?
↓
雨が多い?日照時間は?
↓
日照時間が少なそうだ
↓
リカバリーできる範囲で液肥などで日照不足をによる要因を少しでも取り除こう
もちろん、天候以外の土壌状態とかあるが、ひとつの指針になることは確か。タダで得られる情報を使わない手はないのである。
データがなければ作戦は立てられない
売れそうだからまく種の量を増やして、売れそうだから収穫して、そしてがんばって袋詰して販売する。結果◯◯円売れた!
今まではこのやり方。多品種を理由におろそかにしていた面は否めない。ホテルやレストランへの卸販売は、納品書から請求書を作る過程で品目別の売上は把握できている。
ただ、無人販売や各マルシェはどうだろう?
売上のみの把握、収穫袋詰して商品を並べるYOKOさんの感覚に頼っている部分は非常に大きい。その感覚ってすごく大切だと思うけど、データをとってない分、売り逃しなどすごく大きいのかもしれない。
旬のものが売れるのはもちろんだが、曜日や気温、商品構成によっても変わってくるんだろうな。様々な要素があるが、ひとつずつデータを積み上げ検証していくことが大切。正直全量把握は難しい。けどメインとなる商品だけでも記録を残していくことを実践しようか。
無人販売所だけに、朝並べた商品がいつ品切れになり、補充までどれくらいの来店があったのかは全くわからない。けど、その不足分の情報は横に置いて、いくつ出していくつ売れたか、これだけでも立派な情報。
データをとることに囚われて、そのデータを活用することをおろそかにしないことを念頭に。
ちょっと脱線しますが「売ってないものはデータに残らない」ってこと
前職では経営企画の仕事をやっていて、常にデータとの戦いだった。
嗜好品の小売だったのだが、各店別、商品別などのデータを不完全なシステムから拾い上げ、苦労して資料にしていた。
データベースソフトで作られた納品書からデータを拾い、月々店別商品別の売上を集計し、生産計画に落とし込む。けど、まだ発展途上の会社だったこともあり、人気商品ほど品切れの頻度が高く、そのデータは当然売上には残らない。
翌年そのデータを見たときに、それが人気だと思ってたけど意外に売れてないね、なんて判断になる可能性は否定できない。
もちろん常にトップの人気商品ならそうそう勘違いもないが、トップ10、トップ20くらいになると、非常に曖昧になる。
当然といえば当然だが、品切れ情報をそのデータに添付することにした。本来なら品切れなしで行けていればいいのだが、起こってしまった以上はその情報を付け加えることによって、人為的ではあるが加味できる。
定量情報ももちろんだが、定性情報も記録しておくことが、のちのち助けになる。
気になる数字が出ました
今日のKanさんのTweetから
ここから何を読み取るか、そしてどう行動するかということが大切だということを講座では再三に渡り言われた。
月5000円程度の生鮮品の消費が減る傾向とのこと。ここで農家ができることってなんだろう?
改めて、「強み」「弱み」は何?
1,産直EC含む、宅配による野菜の供給はクロネコヤマト等のさじ加減ひとつで大きく状況が変わりうる。
2,観光地でホテル、レストランの食材の需要量がコロナ前に戻るとは思えない。昨年の夏から冬にかけては活況だった観光も今や閑古鳥。ホテルなどの客室稼働率も今は平日で3割以下、土日でも7割行くかどうか(いくつか聞いて回った状況)。今夏の見通しもよろしくない。
3,無人販売所含むマルシェは前年比でも伸びている
販売チャネルを増やさないと、これからは生き残っていけそうもない。自分たちの強みはなんだろうか?
当面伸ばすことが可能なのは個人宅配とマルシェなどの小売。
個人宅配は運送会社次第というリスクはあるし、一時の盛り上がりはないものの個人的にはまだまだ未開の地。
マルシェについては、来店いただくマルシェ、売りに行くマルシェ、いくつかのパターンを考えられる。近隣にお住まいの方への販売をもっと念頭において作戦を考える必要がありそうだ。
お客様はもっと身近なところにいるのかもしれないし、実際にいらっしゃる。そのお客様へのアプローチに力を入れること、これがうちの大きな課題か。
そのアプローチには何が必要か。お客様がなにをもって野菜を必要とするのか。根拠なく想像するのではなく、お客様からのお話、実際のデータをもとに今夏の売り方を考え直す必要がありそうだ。
放課後
時系列にまとめただけですが、第6回かん味処の放課後の様子です。参加者のみなさんの苦悶する状況がおわかりかと思います。けど、そんなやりとりから思わぬヒントを得ることができているのも事実。