電力需給逼迫要因の複合性と断熱の可能性について。

電力需給が逼迫しています。
12日（月）が一番ギリギリになりそうですね。
今日は電気をこまめに消し、ガス暖房や灯油を使いましょう！

今回の電力の逼迫で、

”太陽光だめじゃん”
”原発止めてるからだよね”
”ゼロカーボン社会無理じゃね”

となってしまうと脱炭素社会および原発卒業に向けてマイナスかなと思い、自分なりに整理してみました。

①関西電力が一番逼迫？

東京電力も1月頭は中部や東北から電力を融通されていますが、10、11日は東京電力および各地電力会社から関西電力へ電力を融通しているため関西電力が最も逼迫しているようです。

②要因は複合的

関西電力のホームページに要因が書かれており以下の通り複合的です。

・12月下旬以降の全国的な厳しい寒さ
・悪天候による太陽光発電の発電量低下
・1月8日に西日本を中心に最大需要が10年に1度レベル
・原子力定期検査延長
・火力トラブル
・水力の渇水
・年末以降、燃料の追加調達や火力・水力の増出力運転、自家発電保有事業者への増発依頼等を行うとともに、広域機関を通じた応援融通（需給ひっ迫融通）を受け、安定供給に努めてまいりました。
・海外からの追加調達（輸送）には時間がかかる

③ビルと家の断熱・省エネを進めていたらどうなったか

東京都の2018年度エネルギー消費608PJのうち30％が家庭、40％がビルで合計70％が建築物における消費です。建築物のうちエアコンの消費を仮に30％程度とします。

東京電力管内の1月12日の予想電力（16時〜17時）は5231万kwとなっているので、5230万kw×70%×30％＝1093万kwがエアコンによる消費と予想できます。

建築物（家＆ビル）の半分（50％）を70％断熱の建築物にした場合、1093万kw×50%×70%=382万kwとなります。382万kw省エネできます。

現在気候変動対策の最重要課題として、基準化が検討されているゼロエネルギーハウス、ゼロエネルギービルは断熱＋自家発電により消費電力が0の建物であるためさらに効果が期待できます。

ので、一概に太陽光がダメとか、原発停止がダメとか、そういうことではないんじゃないかなと思ったのでまとめました。

素人計算ですので、あとは追々新聞や雑誌で専門家の皆さんの情報をしっかりと追って勉強していこうと思います。とにかく、要因は複合的だし、断熱をしっかりすればもっと省エネできる、ということです。

間違いあれば修正します。指摘・批判歓迎です。

江澤孝太朗
株式会社コータロー（ママノチョコレート）
個人ツイッター
ゼロエミッション東京を実現する会

参考）
電力の需給状況と節電へのご協力のお願いについて
2021年1月10日
https://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/press/2021/1569577_8616.html

電気予報
https://www.tepco.co.jp/forecast/

需給状況改善のための指示の実施について＜関西電力送配電＞
https://www.occto.or.jp/oshirase/shiji/2021_0111_jukyushiji3.html
寒冷な気候条件が続いたことなどにより、関西電力送配電エリアの需給バランスを保つ調整力電源の供給力が不足し、広域的な融通を行わなければ、電気の需給の状況が悪化するおそれがあったため。

電力の需給状況と節電へのご協力のお願いについて
関西電力株式会社
関西電力送配電株式会社
https://www.kepco.co.jp/corporate/notice/20210110_1.html

・12月下旬以降の全国的な厳しい寒さ
・悪天候による太陽光発電の発電量低下（関西電力エリアも...?）
・1月8日に西日本を中心に最大需要が10年に1度レベル
・原子力定期検査延長
・火力トラブル
・水力の渇水
・年末以降、燃料の追加調達や火力・水力の増出力運転、自家発電保有事業者への増発依頼等を行うとともに、広域機関を通じた応援融通（需給ひっ迫融通）を受け、安定供給に努めてまいりました。
・海外からの追加調達（輸送）には時間がかかる
・全国の需給状況も厳しい

御坊発電所におけるばいじん濃度の環境保全協定値超過に関する原因および対策について
2020年12月22日関西電力株式会社
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2020/1222_1j.html#drop_down_01
・当社の御坊発電所３号機（６０万kW）において、１１月９日、運転中に排ガス中のばいじん濃度測定を実施したところ、測定結果が、和歌山県、御坊市、美浜町との環境保全協定値（0.010g/m3N以下）に対し、0.013g/m3Nであったため、同日２２時頃に発電設備を停止しました。

関電送配電、東電系などから電力融通　気温急落で
2020年12月15日 20:22
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHD1585S0V11C20A2000000

東電PG、2日連続で他社から電力融通　寒波で需要急増
2021年1月4日 19:15
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ0430U0U1A100C2000000

東電、企業の自家発電から電力調達へ　LNG在庫不足で
2021年1月6日 18:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ060UU006012021000000

過去3年間の電力需要と今冬の電力需要
https://twitter.com/gomatsuo/status/1348278255720177665/photo/2

「電力緊急事態宣言」を出すべきだ
https://comemo.nikkei.com/n/ne787e2e1bb38
竹内　純子（国際環境経済研究所　理事・主席研究員）