弱さを感じるのは、大きなものに向き合っている証拠だ。
僕が主宰をする連続講座『企画でメシを食っていく』。
開催される横浜みなとみらい。そこからの帰り道はいつも振り返ってばかり。
ああ、あそこではちがう言葉を選んだ方が良かったな、とか。受けこたえとしてあっちの方がより良かったかもしれない、とか。振り返って、充実感をかみしめながらも、流れていく電車の外の景色を見つめる。
人前に立つ。座る。そして話す。
そうするからには、過剰におどおどしている訳にはいかないし、不安はぐっとこらえて飲み込んで。そう、聞いてくれてるみなさんが心配しちゃうと、話している内容に集中できないから。せめて堂々としていたいと思う。
いつも「弱さ」について考えている。
僕が人前で話している姿は、強く見えるかもしれない。でも、本当はそんなことなくて、弱い。逃げ出したいと思うこともある、やりたくないと思うこともある。そういう自分を自覚して「あ〜」「ふ〜」とため息をひそかにつく。
弱いことは悪いことじゃない。
そう思えたのは、弱さの意味を自分なりに決めたからだ。
弱さを感じるのは、大きなものに向き合っている証拠だ。そう思えるようになってからすこし気持ちが楽になった。
痛み、辛さ、怖さ、逃げ出したい。たぶんその前には大きい何かがある。
僕は仕事をするかたわら、「企画でメシを食っていく」と「言葉の企画」という学びの場づくりをしている。どちらとも半年間。その半年間は、いくつもの「間(あいだ)」に立つ時間だ。
悔しいと、嬉しい。帰りたいと、行きたい。泣きたいと、笑いたい。背中を縮こめる自分と、えへんと胸を張る自分。弱さと強さを行ったり来たり。その反復で人は変わっていく。ほんとにそう。
2015年からずっとつづけてきたのは、ホームをつくりたいからなんだと最近気付いた。ぐつぐつした感情のボールを抱えながらも走りきる経験が心の拠り所になる。それがホームとなり、次のアウェイにいける。アウェイに向かっていく姿に、僕は勇気を感じる。
自分だけの弱さを大切にしたい。それは自分を変えうる感情な気がしている。でも、痛み、辛さ、怖さ、逃げ出したい。ほんとうに逃げたい時は逃げていい。弱さの中に挑みたいって気持ちが見つかったら、その大きい何かに踏み出すんだ。
弱い自分と握手して、行く。弱さを温めて、さあ行くぞって、行こうって、行く。
先日、「言葉の企画2019」の最終回がありました。
巣立ちスカッシュ。ほろりの苦さと、さわやかな甘み。この半年間みたいだった。
からっぽの教室を見届けた後。
みなとみらいからの帰り道、この先の未来を想像して、前を向いて、帰った。直接言うのは恥ずかしくて、作文に書いて渡したから。
さよならは言わない、また会おうって。
2019年11月3日(祝・日)の「企画祭〜湯気ある時間〜」。精一杯、踏み出してる僕、企画生たちとぜひ一緒に過ごせたらうれしいです。
「アウェイに行く数だけ成長できるよ」と話してくれた世界ゆるスポーツ協会代表の澤田智洋さんとのトークイベントもあります。
弱さと向き合う気持ち、ちゃんと書けて、よかった。
★ご報告★
企画祭、大盛況で終えることができました。いざ、2020年へ。
★コピーライター10年分の気づきをぎゅっと詰め込んで、2020年3月、ダイヤモンド社から書籍を刊行しました!『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』です。
それでは、またお会いしましょう!