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御礼メールを送る「適切なタイミング」の1つの答え

「質問には意図が込められている」

このことを就職活動をしていた当時、よくわかっていなかったし、それゆえ失敗もした。

だからOB・OG訪問で社会人の先輩に会いに行くと、その時々に掛けてもらった言葉に衝撃を受けた。

「エントリーシートを読んだ人が君の働く姿を想像できるかどうかが大切なんじゃないかな?この質問項目、困難な壁に直面した時にどう乗り越えるかを聞いてるけど、仕事がうまくいかない時にどう立ち向かうかを知りたいってことだと思うんだよね。書くときにそのことを意識してみたらどうかな?」

一つひとつの質問項目の奥には何を知りたいかの意図が込められていることを知る。そして他の先輩が、面接官の心情を代弁して伝えてくれた。

「その他大勢になっちゃダメだ。読み手はとてつもない量のエントリーシートを読む訳だから、おっ、この人は何か違うぞ!と思ってもらうために冒頭にタイトルを付けて惹き込みたいね。審査員は疲れている。そう思っておいた方がいいよ」

社会人の先輩たちと会話を重ねることで、新しい窓が開いて見える景色が広がっていくような感覚になったし、話す内容に対する先輩の反応がイマイチで突破口を探している時に掛けてもらった言葉がある。

「社会人ってなんでも知ってる訳じゃないからね。僕らが知らないことを大学生の君は知ってるんだからそれを教えてほしいな。君が今見てることや感じてることをさらさらっと伝えるんじゃなくて、顕微鏡でのぞくように言葉にしてみてよ。そうすると僕ら社会人は食いつくから」

なるほど!と、このアドバイスをもらってから、自分の体験してきたことをリアリティーをもって語るコツをつかめた気がするし、社会人の先輩との会話も徐々に弾むようになっていった。

ある時のこと。金曜日の夕方にお会いしたOB訪問をした社会人の先輩への御礼のメールを、週末を挟んで月曜の昼過ぎにしたところすぐに返信が……。

「遅い。御礼の連絡をするなら早ければ早いほどいいよ」

感謝の連絡は早い方がいい。

本来であれば目の前に現れた大学生に対して何事もなくスルーして終わらせるのが一番楽なはずなのに、この先のことを思って所作や基本動作を伝えてくれたことが今でも印象に残っている。

早いほうがいいけど、ちゃんと考えたくて時間がかかっちゃったりもして。御礼メールの適切なタイミングについてはいまだに考えている。

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阿部広太郎
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