「財務省の言うことを聞くと票が逃げる」世の中へ
最近は大手メディアでも岸田首相と財務省の結びつきの強さが語られるようになってきましたね。
こうした記事では、財務省が増税をしたがっていることはセットで語られる傾向にあります。
コロナ禍で投資ブームが起こりましたが、若い人を中心にSNSで投資関連の情報収集をする動きが広まっていると思われます。
「増税=緊縮財政=景気引き締め政策=株価下げ=景気引き下げ」という原理原則に気付いている人は確実に増えているでしょう。
そうすると、以前の「矢野論文」に代表されるように、財務省の方針が明らかにマクロ経済運営の基本と齟齬していることに気づく人は増えるでしょう。
日本経済の長期低迷の主な要因が、経済政策の失政にあるということも、ネットを中心に語られるようになってきています。
そしてその主犯が財務省であるという認識も、かなり広まってきているように感じます。
ワイドショーしか見ない層は高齢化で退場していくので、長期的な趨勢として、「財務省のいうことを聞くと票が逃げる」という構造になっていくのではと考えています。
一方で、こうした世論の揺り戻しにおいては、カルト的な言説が台頭することが多いので、それはそれで気をつけなければなりません。
MMTなんかはその代表例だと思いますが、数量的裏付けのない議論となっており「理論」と言えるものではありません。
変な言説に惑わされないように、数量的・統計的な議論へのリテラシーを高める必要があると思います。
また併せて、インフルエンサーや情報チャネルを選別する基準も、個々人でしっかり持っておく必要がありそうですね。
僕もネットやSNSを中心に情報収集をしていますが、インフルエンサーや情報媒体は以下の基準で選別しています。
●主張と根拠を必ずセットにしているか
聞き手がワンストップで主張と根拠を確認できるようにしないと不親切です。僕は主張だけで根拠を同時に示さないことが多い人は、言論人としての練度の評価を下げます。
また穿った見方をすれば、他者へのレッテル貼りや陰謀論への誘導を試みている可能性すらあります。
●その主張や根拠は検証可能なものか
主張と根拠が数量的であることが理想です。検証・反証が不可能な言説は非科学的なものであり、聞くに値しません。
宗教なら別に構いませんが、経済政策や経済現象の議論においては、反証不可能性は致命的です。
●主張している事柄を専門としているか
専門性の高い事柄については、その道の専門家から情報収集するのが常識ですよね。
ただテレビのコメンテーターなんかに多いですが、専門外の話題を自信満々に断言するような人がいます。専門家のように偽装するような、タチの悪い人物も多いですね。
自分の専門外の領域に対するリスペクトが足りない人は、言論人として未熟だと思います。
●言葉遣いは良識的か、議論・言論の範疇を超えて誰かを過度に攻撃していないか
主張の内容がどんなに正しくても、あまりに紳士的でない、品のない物言いが多い人は信頼性を下げます。
ましてや、異様に誰かを敵視して口汚く攻撃しているような人は、そもそも人格に疑いを持ってしまいます。
こうした人は感情の制御が稚拙な場合が多いと思っています。
物事の判断や論評において、理屈より感情が優位になりがちな人は、変なバイアスを持つ確率が相対的に高くなると考えるのが自然です。
上記の基準に抵触した場合は、実績・権威・肩書きなどに関わらず、仕分け対象にします。
少なくとも、発言内容を相当割り引いて受け取るようにします。
過去にどれだけ信頼を置いていた人であっても、例外はありません。
「自分のビジネスの情報源」なのですから、余計な感情で自分の判断を歪めるわけにはいきませんから。
世の中に絶対はありません。
「●●さんのいうことは今後も絶対正しい」だとか、
「●●は反●●だから発言内容は全て間違い」みたいに考えてしまうのは危険ですよね。
全ての論者や発言内容を是々非々で判断していくリテラシーと能力は、今後より重要になっていくでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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