米国マーケットの展望を考えてみる(2022年3月19日時点)
こんにちは。
サラリーマン兼業トレーダーのコータローです。
米国株と日経先物を主に手掛けており、日本や米国以外のマーケットや他の金融商品の動向などを踏まえて、短期や中長期的な方向性を予想しています。
今回は自分の頭の整理も兼ねて、米国株のマーケットの短期と中長期的な展開について、現時点での情報を踏まえた予想をしてみようと思います。
※ご注意※
本記事の内容は、主に米国株等をトレードしている投資家向けにトレード技術や経済、政治などを解説する目的で作成されています。記事内で取り上げた情報や今後の株価の推移などについて保証するものではありません。実際の取引はご自身の判断と責任により行って下さい。
《現状整理》
まずは、現時点で知ることができる情報の中で、比較的重要度が高いものをピックアップし整理します。
■ウクライナ戦争
当初は短期で決着がついてしまうと予想されていましたが、現状は膠着状態となっている模様です。
戦争という行為自体が非常に不確実性が高いものであり、戦争が長期化するということは、突発的な事態を引き起こす可能性のある状況が続くということです。
ただ、当初よりは市場の反応は落ち着いてきたように感じるので、あらゆる続報に過敏に反応するようなフェーズは去ったと考えます。
■インフレ懸念
年初以降、「FRBの失策により制御不能なインフレに見舞われるかもしれないとの懸念が台頭しました。」またこれに伴い、FRBによる金融引き締めステップは想定以上に前倒しされる懸念が高まりました。
これが金利上昇と株価下落圧力をさらに強め、一度目のナイアガラとなりました。
一旦株価がやや戻るのですが、次にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が実行されてしまいました。
国連安保理常任理事が侵略戦争を行うという、これまでの世界秩序が破壊される事態に、株式市場も混乱しました。また戦争やロシアへの制裁に伴う経済活動への悪影響懸念から、石油をはじめとするコモディティ価格が大きく上昇し、企業の調達活動への混乱懸念から、株価は再び大きく下げました。
コロナ禍に伴う人手不足、大きく混乱したサプライチェーン、戦争に伴う原材料高の影響は中長期的なものであるとの懸念は強いです。
ただし、2月の米国企業の卸売物価指数(PPI)は予想を下回った水準となっており、また先日のFOMC声明が思いのほかタカ派的な内容だったため、「制御不能なインフレが顕在化する」懸念は遠のいたと考えて良いと思います。
■リセッション懸念
ようやく経済再開なのにもうリセッションの話かよ!と思われるかもしれませんが、米国のイールドカーブと長短金利差の推移が不穏な動きとなっているのです。
米国のイールドカーブは、直近ではフラットニングの動きです。
これは景気加熱と金融引き締めを織り込む動きであり、まさに先日のFOMCで材料の多くが消化されました。
加えて、米国債の長短金利差(10年ー2年)は、昨年3月以降、ずっと縮小してきています。
このまま長短金利差が縮小を続けてゼロまたはマイナスとなった場合、いわゆる「逆イールド」の状態となり、これはリセッションの前兆と言われています。
この長短金利差とイールドカーブの動向を材料視した、短期的な株価の動きが出ることは想定に入れておく必要があると思います。
また本当にリセッションを懸念すべきかどうかについては諸説あるようなので、あまり先入観は持ちすぎないよう心掛けたいと思います。
《今後の米国株の動向》
■短期(数週間前後)
直近の上昇転換を引き継ぎ、ある程度上昇圧力が続くと思われます。
ただし、戦争や経済動向の不確実性が解消されていないので、一直線に上がり続けるイメージは持てません。
ジグザグしながら、直近の大幅下落の6割〜8割戻しくらいまではあり得ると考えます。もちろん、何か新しい悪材料があった場合は半値戻しで失速も十分あり得ます。
目先では、VIXが急激に低下してきており、「Fear & Greed Index」も回復してきています。
個人投資家の「欲望」が強まってきたら、一旦はしご外しで調整しふるい落とす、という展開は十分あり得ます。
■中期(半年以内)
上記で解説したイールドカーブの動向を材料視した「リセッション懸念」により、大きめの調整、または株価の伸び悩みが発生する、と予想します。
また一時的に、S&P500よりグロース株のセクターがややアウトパフォームする可能性もあります。(金利低下が必要条件)
現状は景気後退やスタグフレーションの顕在化まではいかないだろう、との意見が多く出ており、僕も米国経済については同意見です。
ただ、個人の欲望が強まってきて、出遅れロンガーが増えた頃に梯子を外して焼くというのがマーケットで繰り返されてきているのも事実です。
イールドカーブでなくても、思わぬ情報が材料視されて売られるということも考えられます。
ファンダの理詰め以外に、他の個人投資家の動向にも気を配りながら立ち回る必要がありそうです。
■長期(1年〜数年スパン)
米国経済については、他先進国に先駆けて巡航速度に復帰し、上昇基調に戻ると予想します。
インフレ制御に失敗しなければ、高圧経済による、バリュー株が主役の業績相場が期待できます。
現時点における、米国株についての僕のシナリオは以上です。
短期では全面高、中期はグロース株がややアウトパフォーム、長期ではバリュー株やコモディティが主役、という形かな〜とうっすら考えています。
もちろん、シナリオ構築の前提が崩れた場合は、柔軟にシナリオ修正を行います。
なお上記のシナリオは、ドルコスト平均法でインデックスファンドを積み立てている人には無関係ですw
下々の喧騒を高みの見物しながら、淡々と収入の何割かの積み立てを続ければ良いと思います。(むしろ下がったら買い増ししてもいいくらい。)
ちなみに僕は、長期投資枠の資金については、毎週株式やコモディティのETF、REITの積み立てに回しています。(手取りの2割〜3割程度)
個別株はほとんど取引しません。
そして大きめに下げる場合は、ETFの買い増しを都度都度行っています。
おかげで年初からの下げでも、これまで積み立ててきた株式ETFの含み益やコモディティの伸びにより、マイナス転換しませんでしたよ。
株の勉強に人生捧げるほどの情熱がないのであれば、楽天VTIみたいなインデックスファンドをドルコスト平均法で積み立てるのが良いと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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