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【データで見るNBA】ディフェンスNo.1チーム!トロントラプターズ!

ディフェンスNo.1?

タンクチームとして昨年末まで負けに負け続けたトロントラプターズ。

こちらの記事でも、「育成に力入れてるんだからしょうがないよね。あと主力が怪我してるからディフェンス弱いし。」と、
無理やり強がりながらポジティブになってみたりしていました。
【データで見るNBA】今、負け続けるラプターズは何をしているのか?2024/11/15|光太郎

そんなラプターズ、1月に入ってから好調を維持していまして、
なんと1月だけなら8勝6敗と勝ち越しており、現在5連勝中です。

急に勝てるようになったわけですが、
その大きな要因が”ディフェンスの改善”です。

なんと、直近8試合で見ると、ラプターズはディフェンスレーティングでリーグ1位なのです!
11月時点では、ディフェンスが弱すぎてどうしようもなかったチームに、何が起きたのでしょうか?
チームとして何が変わったのかを見ていきたいと思います。

変わったディフェンス

どれくらいディフェンスが改善したのか?
シーズン開幕時点からのディフェンスレーティングの順位変動を見てみましょう。

DEFRTG

なんと10月のディフェンスレーティングはリーグ最下位です。
それが11月にはちょっと改善しましたが、12月にはまたリーグ最低クラス。
これが急に1月にリーグ上位の成績まで向上しています。

何がそんなに変わったのでしょうか?

ディフェンス指標の中身を見てみましょう。

DEF STATS

主要なディフェンススタッツを見てみると、実はこれらの項目ではそこまで何かの数字が大きく改善しているわけではないのです。

リバウンドを多く取るようになったわけでもなく、スティールやブロックをすごくするようになったわけでもなく、
じゃあなんでディフェンスが良くなったのか?

どんな形で失点するパターンを減らしていったのかを見てみると、その要因が見えてきます。

OPP STATS

これは、相手が攻撃パターンごとに平均何点取っているか。という値です。
OPP PTSOFF TOV:ターンオーバーからの得点
OPP PTS2ND CHANCE:セカンドチャンスでの得点
OPP PTS FB:ファストブレイクでの得点
OPP PTS PAINT:ペイントエリアでの得点
となっています。

各項目、軒並み改善が見られることが分かると思います。
相手に得点されにくくなっているのです。

これがどれくらいの改善幅なのか。
各月のリーグ順位で見てみましょう。

OPP RANK

こうしてみると、ターンオーバーからの失点も減っていますが、そもそもターンオーバーが多い状態はそこまで改善していないので、今でもリーグ中位。

それよりも、順位で見ても2ndチャンスポイントとファストブレイクとペイントの被ポイントで、改善幅が極端に大きいことが分かります。

ペイントエリアでの失点が減少していることは、ファストブレイクの改善の影響を大きく受けていると思われるため、
特に注目すべきは2ndチャンスポイントと、ファストブレイクでの失点です。

2ndチャンスポイントを減らす一番の方法は、ディフェンスリバウンドを獲得することですが、
先ほど見たように、ディフェンスリバウンドの数値にはあまり変化が見られません。

ではリバウンドを取らずにどうやって相手の得点を減らすのか?
これはファストブレイクの改善と同じ理由で説明ができます。

相手の攻撃機会そのものを減らしているのです。

OPP FGA

これは相手のフィールドゴールアテンプトのスタッツと、そのリーグ内順位です。
1月のラプターズは、リーグで2番目に相手にシュートを打たせていないチームなのです。

何故変わった?

何故相手のシュート機会を減らすことができるようになったのか?

結論から言うと、
ちゃんと頑張るようになった
です。

もともとディフェンス力の高いメンバーはそろっているんです。
でも、細かいところで若さがでて徹底できていないのが今までのラプターズでした。

(気になる方は、12/8のダラス戦の前半とかをご覧ください。簡単にトランディションに走られて、戻るメンバーが全然いない。)

確かに今期のラプターズは、ディフェンスを始めるのが難しいという問題点があります。
オフェンス戦術として、ドライブ&キックやそれに絡めたカッティングを主体に戦っていて、ステイオフェンスはほとんどしません。
そのためオフェンスの終わりの体制が毎回違い、ということはディフェンスポゼッションごとに役割を臨機応変に切り替えて対応する必要があります。
難しいディフェンスをしなければならないのです。

とはいえ、一生懸命ディフェンスに戻るかどうかは意識の問題ではないでしょうか?

最近のラプターズの試合を見ていると、相変わらずオフェンスリバウンドに積極的に参加する割に、
相手のトランディションのターンになるとパッと全員が切り替えてディフェンスに戻っており、簡単にトランディションで破られるというシーンがほとんどありません。

全員がハッスルするようになったため、ローテーションディフェンスも多少のミスも運動量でカバー!みたいな、我武者羅なディフェンスが見られます。

気合が入ったから。なんてなんとも根性論な結論ですが、
ことディフェンスにおいてはこの”気合”で変わる面が大きいのだと、今年のラプターズは見せてくれています。

これだから若い才能にあふれるチームは見てて楽しい!!


それではまた次の分析でお会いしましょう。
We The North!


この記事で参照しているスタッツは、すべてnba.comのstatsページを参照しています。

これはただお気に入りのテンプル先生の背中


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