トコノマヒストリー第8話:toconoma初の作曲合宿に行く(当時の音源あり)
前回はコチラ。
いよいよバンド活動が本格化したtoconoma。当面の目標は「フェス」に出る!こと。しかしまだライブはできておらず、2008年の夏も終わろうとしていた。このあたりで週一でスタジオに入る生活ペースが完全に定着する。そして、それは今でも続いている。(こんなに続くとは思ってなかった)
ちょうど社会人2年目で、仕事にもある程度なれてきた時期。僕といえばバンド活動もしていたが、同期のメンズたちと合コンやらBBQで遊びまわっていた。ちなみに合コンはちょっと苦手だった。体育会系といえども美大生。王様ゲームよりもサブカルチャーの話がしてえ!ジョジョ4部の話がしてえ…ッ!漫画版ナウシカの奥深さを語り明かしてえ…ッ!
そんな一方で、若気が至りに至っていた同期とは、音楽が好きということもあり「クラブイベント」を主催しようと盛り上がっていた。ナウシカが泣いてるぞ…。そもそもクラブ行ったことないだろ…。まさにチャラさの極み。いいからとにかくモテたい…!若者はいつだってピュアソウル…!DJの同期と渋谷周辺の会場を探して、11月くらいにイベントを開催することになった。ドキがムネムネすっぞ!
そう……記念すべきtoconomaの初ライブである。
ちょうど僕がバンドを本格化させたのもあり「イベントやるなら出演すれば?」と同期から提案してくれた記憶。こちらとしてもある程度集客が見込める会場で初ライブをするのは願ったりかなったりだ。女子がいっぱいくるぞ…!ちなみにこのイベントのフライヤーは僕が作ったのだが、それはまた次回。
そんなこんなで、いよいよ初ライブが決まったtoconoma。バンド内はにわかに活気を帯びてきた。やっぱり目標というか、わかりやすいマイルストーンがあると人間燃えてくる。出演バンドはぼくら1組+同期のDJなので実質ワンマンライブ。与えられた時間は50分もあるので、7〜8曲くらいはオリジナル曲が必要だと話し合った。
すでにイベントまで2ヶ月を切っていたので、このまま週一のペースじゃ曲作りが間に合わない!という判断が下された。
行くしかない……!合宿や!
今だったら「いや〜仕事も家庭もあるので、泊まりで合宿はちょっと……。22時には眠くなるし……。」と全然乗り気じゃないが、当時は学生に毛が生えた程度。お泊まり会くらいのテンションで合宿が決定したと思う。徹夜もウェルカムだったし。みんなワクワクして宿を探したのを覚えている。「あ!ここ食事がよさそう!」「ここ温泉近い!」「ここパターゴルフできる!」……みたいな。ほぼ旅行のノリ。
最終的には箱根にある軽音楽部が合宿につかうスタジオ付きの宿に行くことになった。夕食は地元の食材を使った鍋がふるわれるのが決め手。育ち盛りかよ。
というわけでレンタカーを借りてtoconomaは初の合宿へ向かった。メンバーと遠出するのも初めてだったので、けっこう仲良くなった……というか距離が縮まった思い出がある。カーステからはクラブジャズが爆音で流れていた。あとはtrf。ボーイミーツガールしたいわけですよ。
車を走らせること3時間。箱根の山中にあるひなびた旅館へ到着した。夏も終わりで肌寒かった記憶がある。遊び半分で来たものの、ライブが迫っている焦りがあったのも事実。さっそく宿について6時間作曲。そのあと美味しい鍋をいただいて、深夜3時ごろまで作曲したと思う。仮眠をとってチェックアウトまで作曲。
……結論からいえば、ものすごく捗った。
toconomaの歴史を振り返ってみても、こんなハイペースで曲ができたのは後にも先にもこの合宿だけである。まあ、当時はジャッジの基準も甘かったので「とりあえずOK」レベルで作曲していたのもあるが…。およそ10時間以上、長時間ギターを弾く経験がなかったので、指がめっちゃ痛かったのを覚えている。結局温泉は行かなかった。ストイックに音楽に向き合った1日半。
そして、奇跡的なことに、この合宿の音源が残っているのだ。
何曲か聴いていただこう。
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