見出し画像

ライブのMC悩ましぃ

「toconomaのMCは長い」

そう言われて久しいですが、確かにライブ動画を見返すと喋りまくってます。演奏せずに10分くらい喋ってる時すらあります。ここ数年はお客さんからそれなりにリアクションがあるのでMCが楽しくなってきちゃいました。フェスとかだと時間がキッチリ決められてるので喋りすぎることはないんですけど、ワンマンだと引くくらい喋ってますからね俺ら…。

もとい、インストバンドのMCって難しいんです。仮にボーカルが居たとするならば、歌唱の流れで自然に喋れるじゃないですか。しかし、僕らのようなインストバンドはどうしても曲の世界観としゃべりが乖離してしまいます。これ本当に悩ましいんですよ。

思い返せばtoconoma結成当初、インストバンドはわりと硬派な人たちが多かった気がします。たとえば初期のtoeなんてMCは一切なく、ライブの終わりには楽器すら床に叩きつけてました。そこに痺れる憧れるっ…!スペアザ先輩もMCは一回あるかないかくらいだった気がします。

そんな界隈の影響をかなり受けていたので、toconomaも2014年くらいまではMCがほとんどないスタイルを貫いてました。もちろんライブの経験値も少なかったのでしょう、ちょっと喋っても客席がシーンとなってしまうことが多くて本当にMCが嫌いでした。

ただ、バンドを続けていくと「無理をして格好つけてもしょうがない」というマインドになってくるんですよね。自然体がいちばんラク。ライブで取り繕うのは特に辛くなってきます。僕らはスタジオで駄弁るのが好きなので、いつの間にかライブでもだらだら喋るようになりましたね。そもそもカッコつけるバンドじゃねえな俺ら、みたいな。もちろんステージ慣れしていったのもあるでしょう。

ただ、あくまでもMCは僕と西川さんの掛け合いのみ。メンバー全員が喋るようになったのはほんの数年前からです。

そう、転機になったのはコロナ禍。2021年あたりはお客さんが声を出せないという制約の中でライブをしていました。あれは厳しかった…!本当にきつかった…!リアクションが返ってこない中でステージに立つというのは想像以上に苦行です。ずっとスベリ散らかしてるみたいな空気。ドキュメンタルの現場ってこんな感じなのかなと思いましたよ…。

フロントマンの2人だけではあまりにも間が持たないので、解決策としてメンバー全員で喋るようになりました。これがナイス判断でしたね。いつも通り喋っているうちに身内で盛り上がって場が和むという。最悪ウケなくても俺たちが楽しいからオッケーという、実にプロ意識に欠けた選択肢です笑。しかしあの時はこれしか手段がなかった…!

結果的に会話もグルーヴするようになって、4人でおしゃべりを楽しむという今のスタイルに落ち着きました。お客さんの中にはMCを楽しみに来ているという物好きな方すらいるそうです。僕らとしてはライブに来てくれた人が楽しんでもらえたらなんでもいいので、演奏なりMCなり喜んでいただければ何より。「ラジオやってください!」という声もちらほら頂きますが、あんまり調子にのると火傷しそうなので身の程はわきまえたいと思ってます。いらんこと喋って炎上するのが怖い。

いちばんいらんこと喋りそうな人

ちなみに冒頭に述べた「曲の世界観とMCが乖離してしまう」問題は紆余曲折を経てどうでもよくなってしまいました。そんなん気にしてたらインストバンドできねえ!っていう気持ちです。うむ。

そんな感じでMCが長くなった僕らですが、最近は海外でライブすることも多々あります。どうしようもなく立ちはだかる言語の壁。ちなみにtoconomaで英語をちゃんと喋れる人は誰もいません。一体どうMCするのか?


ここから先は

769字 / 1画像
月に2-3回更新予定です。購読いただいた方は過去の記事もすべて読めます。

いしばなし

¥500 / 月

インストバンドtoconomaのギター石橋がお届けするよもやま話。バンドにまつわること、デザインのこと、コラムなど。SNSでは書ききれない…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?