見出し画像

“やりたいこと”と“やらなければいけないこと”。

僕は昔から、勉強が好きなほうだった。
あ、ちょと待って。
学校の先生や親からやらされる勉強じゃなくて、自分の意思で吸収・研究する方のヤツな。
学校の勉強は全く好きじゃなかった。

宿題だのテスト勉強だの試験だの、あんなもんはただの練習。
期限を守る・上の言うことを聞くということに慣れて、将来社会に出るための準備をさせてたんだ。
ただそれだけのこと。

基本的に“勉学”“勉強”っていうのは本人の意欲と熱意があってはじめて意味を成すのさ。

僕、もともとは生物学者になりたかった。
ロックンロールに出会う前の話。

とにかく生き物を間近で観察することが大好きだった。
じいちゃんの影響で川が好きになってさ、釣れたオイカワやカワムツを飼育ケースで観察したり、夏休みの自由研究ではサワガニの脱皮の経過をテーマにしたり、そんな少年だった。

あと地元に古墳があってさ、その古墳と繋がってる小川があったの。学校が終わったらそこ行ってザリガニやカエルを捕まえて観察する日々。
なんせ常に網と飼育ケースは持ってたと思う。

図鑑もいっぱい買ってもらった。
僕が唯一、母親やばあちゃんにねだってたものだ。
隅から隅まで読んだ。
最終的には子ども用の図鑑じゃ物足りなくなり(載ってる種類があまり多くないため)、大人用の図鑑をねだるようになった。
日本だけじゃなく海外の珍しい種もインプットしたくて。
それくらい熱心だった。

僕にゲーム機やベイブレードは必要なかった。
母親曰くお金のかからない子だったらしい。

そんなこんなで小学校高学年になった僕は、ある日ロックンロールと出会った。

人生っていつ転機が訪れるかわからんよね。
その瞬間、それしか見えなくなったの。

昭和歌謡は好きで聴いてたりして、すでに音楽に関心は持ってたけど、自分の中で「こうなりたい」って急に定まったのは、今思えばこの日だった。

小学校の卒業文集には一応「生物学者になりたい」って書いたんやけど、もう内心、そうは思ってなかった。

もちろん、ロックンロールに想いが全振りしたから

ただ、それ以前に、

僕ね、まず、だるいなと思っちゃったの。

なぜそう思ったのかというと、

生き物に関する知識だけが増えても、生物学者にはなれないと悟ったから。

冒頭でもチラッと言ったけど、僕、学校の勉強は嫌いだった
生物の範囲のテストはほぼ満点なのに、物理や化学の範囲は一桁台だったり。
何より算数(数学)が論外だった。
筆算とか分数とか、いつ使うねん。

あんなんできんでも生きてけると思てたし(今でも思ってる)、「今頑張ってやっとけば将来絶対役にたつから」って言う何の根拠もない大人たちの台詞も大嫌いだった(これは多分死ぬまで思ってる)。

つまり学者になるには、やらなければならないこと・本命以外に必要なものが必ず付いてくるでしょ?

それが嫌だった。(なんて情け無い俺)

その点、ロックンロールはどうだ。

ロックンロールを全力でやる、ただそれだけ。
やりたいことをやる、ただそれだけ。

学者の道よりわかりやすくない?
自堕落な僕の消去法により、ロックンローラーになった。

ロックンロールをやるための必修科目なんてない。
ロックンロールが必修科目なんだ。
学者と違って金にはならないかもしれないけど、働きに出れば金は手に入るからな。

やらされてると感じるものは程々にしないと体にも心にも悪い。

正直、人生は一瞬だと思う。
未来とかあんまり考えないでおこう。
やりたくねえことやってる暇はねえ。

そんな考え方にいつからかなっちまったとです。
P.S. 生き物は今でも大好きです。


姫野光太郎・・・大阪府出身のシンガーソングライター。14歳か15歳の時にギターを弾き始め、18歳のときにはじめてライブハウスに出演。大体この頃から作曲もはじめる。まあなんやかんやありまして今に至る。


姫野光太郎のSNSYouTubeなどは

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?