「PTA業務代行サービス」?PTAとは…
PTA組織は不要です。
【PTAの仕事とは?】
① 運動会など学校行事の手伝い
② 学級保護者懇親会の企画(学級代表等)
③ バザーや模擬店などのイベントの運営や手伝い
④ 廃品やベルマークの回収集計
⑤ 安全や防犯のための見守り・地域パトロール
⑥ 学校やPTAの広報活動
⑦ 次年度のPTA役員を決める選考委員
⑧ PTA会計・会計監査
⑨ 学校や自治体の独自の取り組み(プール開放補助、ラジオ体操等)
⑩ 最後に
🔵保護者の方へ
PTA組織がないと困ることは一つもありません。
① 運動会など学校行事の手伝い
場所取りの際、教職員は会場準備で手が回らないので、PTA役員に行ってもらっています。実際は、お弁当等の準備があり父親が代行で来たりします。
また、くじ引きの学校もあり、その作成やくじのチェックもしています。
■ボランティアで解決。いなければ、場所取りはしない。
(深夜から並ぶ、車では来ないなどの規制で近所迷惑は回避する。)
■コロナ禍より時差による観覧実施が増加しているので必要なし。
※地域によっては、本部テント席に来る“来賓”への接待をPTA役員がしています。来賓とは市議会議員や地域の名士等です。
■必要ない。お茶くらい誰か(管理職)が入れればよい。
なので、PTAでやる必要はありません。
② 学級保護者懇親会の企画(学級代表等)
■しなければよい。必要ならやりたい人がやりたそうな人を誘うか、やりたい人がプリントを作り担任に配付してもらえばよい。学校によってはメール配信(学級単位もできる)で流してもらい、やりたい人のメルアドでも添付すればよい。
※この作業は教頭等メール配信担当者に一肌脱いでもらいましょう。
③ バザーや模擬店などのイベントの運営や手伝い
■やめればよい。コロナ禍で飲食を伴う行事、その行事そのものは減っているが、もういらない。
売上金を子どもが使う物(綱引きの綱など)にする目的もありますが、そもそも、学校には自治体からの予算があり、そこから購入するべきです。賛成ではありませんが、どうしても学校予算で賄えないものは、教材費の一部として各家庭から数百円でも徴収させていただければいいのです。もちろん、年度当初の学校説明会等で事前の説明と、その旨の許諾をいただく必要があります。PTA会費に比べたら安いのではないかと思います。
(札幌は概ね180×12=2160円 ※他都府県と比較してもかなり安いです。)
④ 廃品やベルマークの回収集計
■③同様のため行っているが仕分け、集計作業が大変である。
集まったまま、どんとベルマーク財団に送ってもいいシステムなら話は別です(ベルマーク財団は断固反対)。というか、その仕組み自体が新しい時代には向いてないと思います。マヨネーズの袋についている1cm四方3点を切り取ってこつこつ集めてもらい、それを夏の暑いPTA室で風が来ないよう窓を閉め、仕事を休んで仕分け作業をする……この財団の根幹に問題があると思っています。財団理念の「すべての子どもに等しく、豊かな環境のなかで教育を受けさせたい」を実現したいのなら、62年間この方法を続けるのではなく、協賛企業(かなり減ってきています。数年前は森永乳業、今年はロッテが脱退しています。)をもっと集め、その商品にQRコードなりを添付し、保護者にIDを発行し、学校を指定して登録してもらえばもっと集まるはずです。協賛企業にとっても企業の社会貢献としてはコストが少ない方法だと思います。現在は「ベルマーク商品だから買う」という宣伝効果はほぼないと言われています。この変化のない財団にあるのは、理念ではなく財団の存続だけなのではないでしょうか。その存続は全国の保護者が有休をとり、時間に見合わない作業をこつこつとしていることで成り立っています。
⑤ 安全や防犯のための見守り・地域パトロール
■多数の自治体では、各学校の地域のシルバー人材(ボランティア)を募り、朝夕計60分ほど交差点等で旗を持ち見守っていただいていることが多い。なので、PTA活動としてはいらない。ボランティア人材がいなければ、毎日朝夕60分、常識的な賃金で自治体が雇えばよい。
(小学校の例 30分500円 交通指導員5人×2回×500円×20日=月10万円 ×10か月=年間1校100万 札幌市小学校200校 100万×200=2億円)
※小学生の通学路=中学生の通学路
自治体(札幌)が年間2億で子どもの安全を守るのか、子どものいない家庭の反発を考え、各家庭から年3000円程(三百数十家庭で計算)徴収して子どもの安全を守るのかのどちらかでいいと思います。それができないなら、保護者のボランティアで行いPTA活動としては不要です。「交差点などの見守りなし」というのは、過去の痛ましい事例を考えるとその選択肢はありません。交差点・横断歩道で大人が黄色い旗を持って立っていると、運転者の注意喚起につながります。
⑥ 学校やPTAの広報活動
■不要。広報誌を作る必要がない。保護者は毎年どのような内容にするのか相当苦慮している。困るのは地域の印刷屋か学校業者のカラープリンターインク屋。
この学校広報誌には「賞」が設けられています。自治体のPTAが表彰します。各家庭から徴収したPTA会費で賞を贈呈しています。今はどの学校でも学校HPがあるので、保護者が学校のよさを紹介したいのなら、HPで発信できます。PTAの項目をつくって発信するのは難しいことではありません。誰がやるんですか?やりたい人がいる年にやればいいのです。HP担当教諭の協力は必要ですが、大した作業ではありません。年度当初に学校から「HPのPTAのところを時間があるときに更新してくださる方いませんか?」とボランティアを募ればいいと思います。そもそも、PTAがなくなれば、それもいりません。学校では子どもの様子を日々(頻度の違いはもちろんあります。)伝えています。
⑦ 次年度のPTA役員を決める選考委員
■PTA組織がなくなれば当然いらない。
PTA役員、学級役員とも年々立候補はもちろん、快諾してくれる方もほぼいません。4月最初の懇談会は子どものことや担任の教育理念等をしっかり語り、保護者の方の考え方を知りたい場です。しかし、時間を削って委員さん決めの悪夢のコーナーをつくらなくてはいけません。「では学級役員を決めたいと思います。」と言ったとたん、”声を出した者負け”の大会が始まります。「〇〇さんがいいんじゃない?」などと口を滑らようものなら「あなたがやれば?」とアンテナ10個分の wi-fi がバチバチ飛び交います。最近は実施しない学校も増えましたが、決まらなかった学級は家庭訪問が「役員さんお願い訪問」になります。子どものために働きたい担任と子どものために協力したい保護者……目的意識は一致しているのですが、PTAという存在でその時間が削られることがもどかしいです。
また、学校PTAの役員さんを決めるPTA選考委員があります。選考委員の保護者やその担当教諭は、候補者に挙げられた方数十人に電話攻勢をします。教諭ならまだしも、保護者が知らない保護者に「PTA役員候補に挙がっているのですが、引き受けてくださいますか?」と…。「あ、はい。分かりました」と簡単に引き受ける訳がなく、「では、〇日のこの時間に再度電話させていただきますので、ご検討のほどよろしくお願いします」とその場はおわります。父親が候補の場合など、帰宅まで待ち、夜9時職員室に一人でそのような電話…。担当保護者も「あ、明日もう一回電話しなきゃ…やだな…。」と電話し、断られ、夜10時に学校に電話がきます。「ダメでした…先生ごめんなさい。」「いや、お気になさらずに…お疲れ様でした…。」
やりたい人がいないのだからいらないんです。ここはこの活動の根幹です。戦後から、家庭環境や働き方が大きく変わっているのです。
⑧ PTA会計・会計監査
■⑦同様いらない。もし、上記に述べた徴収が必要になったら、学校の教材費同様に担当教諭が行う。
⑨ 学校や自治体の独自の取り組み(プール開放補助、ラジオ体操等)
■いらない。やらない。
プール開放も(札幌市)スポーツ協会という一般財団法人が絡んでいます。プール開放をする学校には、虫よけスプレー・メガホン・簡易応急処置セット等がもらえます。プールの物置には黄色いメガホンと錆びついたスプレーが大量に…。開放で監視につく教諭・保護者には手当てが付きます。学校によっては、その手当はどちらにも渡さずPTAの収入にしています。理由は交通安全指導等の係には手当が出ないのに、プールの人に出るのはおかしいという理論です。手当をPTAの収入にしていない学校もあります。そのような学校でよくあるのは、学級役員等は一切行わないのに、プールの監視だけを行う方がいることです。監視員希望調査票の可能日時の全てに「〇」を付けて提出してくる保護者がいます。もちろん、悪いことをしている訳ではありませんが、希望通りに監視業務ができたら数万円になります。学校の役員、学級の役員には一切の報酬はありません。
■それらのお金の出ところがこの一般財団法人(札幌市)スポーツ協会で、現在の会長が札幌市元副市長です。70歳近いご年齢です。公務員、教職員は再任用でも札幌は65歳までです。「小学校のプールをPTA主催で土日や夏休みに開放しなさい。お金は一般財団法人が出しますよ。」のトップはかなりの報酬を得ています。個々の年収は開示されていませんが(あったら教えてください)財団全体の給与手当で12億円です。全体の退職給付が6700万円、役員報酬1000万以上等々、全体で43億円の経常です…。開放事業にPTAが絡んでいることによって成り立つことを含むこの財団もいらないです。札幌オリンピック…ここでは控えます。
どうしても、大金をかけているプールの利用が必要なら、救命救急講習を毎年受講している教諭が行うしかありません。子どもの成長につながる仕事であればやるのが使命です。(教員の方異論受け付けます。)
ちなみに札幌市立の小学校のプールは温室と同じです。6月に新しいビニールが被さり、9月末には取り除かれて、積雪対策にプール全面を養生します。ものすごい予算です…「なので使いなさい。」という指揮官のモールス信号は暗号化されて「子どものために使いなさい。」と伝わってきます。
■ラジオ体操こそ地域でやればよい。
⑩ 最後に
「PTA業務代行業者」?と報道に反応しましたが、保護者が代行依頼に納得していて結構なお代金を払っているのでしたら、ただの横やりかもしれません。しかし、本来PTA活動がなぜ始まったのか、なぜ必要なのか、今後も必要なのか、根本である子どものためになっているのかを真剣に考える時期に来たのではないかと思います。国・自治体・学校がこの「PTA代行業」にいくつかのニーズがあり、それだけ保護者、特に女性にとって負担になっていることを真摯に考え、早急に対応を取る必要があると考えます。もちろん日本PTA全国協議会も各組織から上納金を吸い上げるだけではなく、PTAの理念である「保護者と教員が学びあうことで教養を高め、成果を家庭・学校・地域に還元すること。児童生徒の健全な発達に寄与すること。」に立ち戻って新しい時代のPTAの在り方を真剣にかつ迅速に考えていただきたいと思います。20年前とは違います。10年前とも違います。しかし、組織の根幹は何も変わっていません。よい不変とよくない不変があるのでしたら、PTAはそろそろよくない不変に傾いていると思います。もし「PTA代行業」が潤い、その隙間産業が盛んになるのでしたら「子どもの健全な発達に寄与する組織」とはならないです。そこが潤うということは、一定数の保護者がPTAという活動に困っているということです。「ほー、そんな代行業ができたんだ。へー、よく考えたね。」ではありません。義務教育中の保護者が困っていたら学校も自治体も国も考えなくてはいけません。へらへらと天下っている場合ではありません。
PTAという組織の周辺には、その組織が存在することで生業が成立している組織・個人が数十年以上遍く蔓延っていることは否めないはずです。それらを即解消するのは難しいでしょう。しかし、新しい時代を見据え、戦後GHQから続くこの組織を時間をかけながら発展的に解消し、本来あるべき、「子どもの健やかな育成のために保護者と学校が協力する」ことを各学校単体で無理なく行っていくことが必要かと思います。各学校の情報交換も必要かもしれませんが、近隣校(中学校区等)で十分です。もっと必要なら、上納金等を納めずに、つながりたい単体といくらでもつながれる時代です。今のヒエラルキー型の組織は「子どものため」をお題目にし、強制的に各家庭からお金を集め、規模は違えど……と勘繰りたくなります。困っている人がいるのです。「代行業者」が崇められてはいけません。
🔵保護者の皆様
PTAという組織が任意団体であること、加入を義務付ける法律の規定は存在しないことはご存じかと思います。しかし札幌市では単位PTA(各学校)で集めたPTA会費はかなりの金額が上納されています。(PTA総会資料で開示されています。)それらが果たして、子どもの健全な発達に寄与しているのかどうかを考えていただきたいです。「区P連から学校のためにこんなことしてもらったよ。」「市P連からね……。」と聞いたことはあるでしょうか?もちろん、全国Pからも…。(役員の方は、子育てに関する少しいいお話を聞いているかもしれません。)
現状PTAが存在し、加入もしているでしょうから難しいことですが、PTA活動で子どもが蔑ろになるような場合には、きちんと学級役員・学校役員・担任・校長に伝えてください。子どもとご自身を最優先にしてください。代行業者さんに渡すそのお金は、是非お子さんのため、ご家族のため、ご自身のために使ってください。
※代行業者の批判ではありません。その生業が成立してしまう組織の活動内容や組織自体の改革・解消が新しい時代には必要であるという考えです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?