子ども向けプロダクト開発者が大集合!第1回 #kodomo_meetup に参加してきたよ。
8/28(水)19時過ぎ。
この日、私は会社で仕事を終え、目的地のある表参道駅に向かっていました。駅を出ると、帰路につくビジネスマンたちに逆行しながら、某イベント会場に向かって小走りで向かっていました。
今回参加したイベントの名前は『コドモミートアップ』。この日は、その記念すべき第1回が行われました。
『コドモミートアップ』とは、主に子ども向けのプロダクトを開発する個人、および企業に所属する人たちが、製品を開発する上での知見や思想を共有しようという目的のもと開催されたイベントです。
そんなイベントになぜ、開発者でもない私が参加しているのか。それを説明するには、当日から数週間前にさかのぼります。
意外と知らなかった、子ども向けプロダクト界隈の課題
きっかけは、以前からの知り合いであり、今回のイベントの主催者であり、また、当日モデレーターも務められた、「ふぇくさん」からのイベント参加のお誘いでした。
詳しく話を聞いていくと、この業界一筋のふぇくさんだからこそ感じている課題を教えてくれました。(※以下、内容公開の了承済み)
ふむふむ。そんな課題があったとは知らなかったぞ…!これは娘と息子、2人の子どもを持つ、いち父親としても何か手伝えることはないか?
ということで、当活動の認知拡大・普及活動に少しでも貢献するべく、参加させてもらったのでありました。
で、当日。
ふぇくさんの言葉を借りると、“夢のようなメンバー”と称されるほどの豪華登壇者が集合。
子ども向けプロダクト開発者でなくとも「実のある話」とわかるほどの知見が、様々な切り口から語られたのでした。
<登壇者一覧>
・株式会社キッズスター 中尾さん
・株式会社BUTTON 浦谷さん
・株式会社LITALICO 横山さん
・株式会社unouplus 戸田さん
・株式会社スマートエデュケーション 齋藤さん
・ファンタムスティック株式会社 シェインさん
\ 特に印象に残った発表をご紹介 /
1.「子どもにとって むずかしくない 日本語」(株式会社キッズスター 中尾さん)
前職で6年間、約300冊ものアプリの絵本を編集してきた経歴を持つ、株式会社キッズスターの中尾さん。
そんな中尾さんが発表したのが、子どもにとって「わかりやすい日本語」にするための3つのポイント。それがこちら!
漢字やカタカナを使わないのはもちろん、言葉のチョイスにも気を使い、子どもが直感的に理解しやすいように工夫されているとのこと。
また、それだけだとひらがなが延々と続く“復活の呪文”になってしまうため、「分かち書き」と呼ばれる、言葉の区切りに空白を入れる書きかたを使用するなど、具体的なノウハウが紹介されました。
(※発表時のスライドはこちら)
2.「アナログを感じるデジタルデザイン」
(株式会社BUTTON 浦谷さん)
続いては、株式会社BUTTONの浦谷さん。
子ども向けのデジタルコンテンツをつくる上で重要なのは、「アナログを感じるデザイン」だといいます。
デジタルコンテンツなのに、「え、アナログ?」と思いますよね?(私は思いました)
その理由として挙げられたのが、以下の3つの理由です。
1.変化がわかりやすい
2.現実世界の経験値を活用できる
3.結果以外の情報量の多さ
子どもは大人と違って、スクリーン上で素早く、複雑に状況が変わっていくさまに慣れていません。そのため、本のページをめくる、といった馴染みあるアナログな体験の描写を盛り込むことで、ユーザーの理解を促す工夫をしているそうです。
また、子どもが夢中になるために必要なこととして「体験」が重要で、その「体験」を豊かにするのものがアナログの持つ「情報量の多さ」だと語ります。
たとえば、アナログの「机をたたく」という行為一つを例にとってみても、その行為によって生じる音や揺れ、当たっている光の加減の変化など、デジタルには無い多くの情報が存在しています。
これらの要素をうまく活用することで、温度感や質感、空気感をつくり、よりコンテンツに対する没入感を高めているとお話されていました。
3.「子供向けアプリの可能性」
(株式会社unouplus 戸田さん)
そしてこの日、個人的に最も感銘を受けのが、unouplus戸田さんによる発表です。
戸田さんが子ども向けアプリを開発するきっかけは、自分の子どもを喜ばせたいという思いだったといいます。
しかし、ご自身が開発者でありながら、アプリは子どもにとって決して「特別なものではない」と話しています。
その理由は、遊びは時代によって変化していて、それが今たまたまアプリになっているだけであり、遊びの本質は昔も今も何も変わらないと語ります。
それどころか、むしろ開発者でありながらも、
・もしかすると、親子や友達との大切な時間を奪ってしまっているかもしれない
・もしかすると、自ら作り出す力や考える力を奪ってしまっているかもしれない
そんな不安を抱えているとおっしゃっていました。
続けて、戸田さんは語ります。
「これから子ども向けアプリはどんどん進化していって、子どもに絵本を読むようにみんなが当たり前に利用するものになるかもしれないと思っています。
だとしたら、親は子どもと大切な時間を共有できるもので、子どもは親の愛情を感じるものになっていて欲しいと思っています。
それで、親が子どもに暴力をしたりとか、子どもが親を切りつけたりとか、そんなことがおこらない世の中になってほしいなと思っています。なので、
と思っています」
そう胸の丈を語り、発表を締めくくっていました。
それ以外にも!
「ペアレンタルゲート」と呼ばれる、子どもが保護者の知らないところで売買や外部リンクをクリックしないようにする仕組みを紹介されていた株式会社LITALICOの横山さんや、どこにいるかもわからないペルソナに向けてプロダクトを作るのではなく、まずは最も身近なユーザーである「自分の子ども」を最大限に楽しませるために、実際にお子さんに遊ばしてブラッシュアップを重ねるという、「プレイテストドリブン」なる考え方をご紹介いただいた、株式会社スマートエデュケーション齋藤さん。
そして、子どもを夢中にさせるために必要な「UXの重要性」について、自社のプロダクトの例をもとに詳しく解説されていた、ファンタムスティック株式会社のシェインさん。
どれも大変素晴らしい内容でした!
とまあ、なんとも盛りだくさんな第1回『コドモミートアップ』でしたが、登壇者のみなさんそれぞれが、ご自身の視点から専門的な知見を披露するとともに、日々の試行錯誤の様子や、そこにかける想いを交えて語られているのがとても印象的でした。
こちらのアーカイブ動画で一秒ももらさず公開されていますので、気になった方はぜひご覧いただけると良いかと思います。
最後に
アプリに限らず、「我こそは、子ども向けプロダクトに魂を込めてるぞ!」という、そこのアナタ!
今後、子ども向けミートアップ第2回、3回と開催を予定されているとのことですので、ぜひ参加を検討されてみてはいかがでしょうか?
もしくは、一言「興味を持ちました〜!」なんていうメッセージを主催側に送るだけでもいいかも知れません。きっと、喜んでランチを御馳走してくれるはずです。(遠い目)
それでは最後に、当日のイベント終了後、熱冷めやらぬふぇくさんの一言で締めたいと思います。
おしまい。
-------------------------------------✁-------------------------------------
おまけ
そういえば、当日は「子ども」がテーマのイベントということもあって、懇親会では駄菓子が振る舞われたのでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?