記事になる、だけじゃない。導入事例の制作過程で生まれる見逃せない付加価値
こんにちは! SmartHRという会社で働いている、たくみです。このnoteは「インハウスエディターアドベントカレンダー 2021」17日目の記事になります。
私はコンテンツマーケティングユニットに所属して、自社プロダクトにおける導入事例の制作をメイン業務として担当しています。
▼SmartHR導入事例
始まりはそう、2年前に開催されたイベント内での公開オンボーディングからでした。懐かしい……。今では、掲載事例が100記事を超えるまでに成長しました。
ここでは、導入事例を制作する際に私が感じている、記事が生まれること以外に各所へ提供し得る付加価値についてご紹介します。
インハウスエディターの方もそうでない方も、何かしらの参考になれば嬉しいです。
導入事例の制作過程で生まれる付加価値
1.制作過程でユーザーさんの功績が「見える化」される
SmartHRでは導入事例インタビューの前に、取材対象となるユーザーさんに「事前アンケート」に回答いただいています。
取材する側の目線では、事前に深堀りポイントの当たりをつけたいという意図もありますが、それ以上に「ユーザーさん自身に、これまでの取り組みと成果を振り返る時間を設けていただきたい」という想いがあります。
取材の打診段階では「まだ大きな成果をあげていないのですが……」と恐縮されることも少なくないですが、事前アンケートに答えていただくなかで、あらためて成果が明確になる効果は大きいと感じています。
それにより、取材当日には自信を持って臨んでいただけている実感があります。
2.ユーザーさんのキャリア形成に寄与
「事前アンケート」を経て取材、記事化するわけですが、単純に記事が公開されてすべて終わりというわけではありません。そこから様々な機会へと繋げることが可能です。
導入事例インタビューに出演いただいたユーザーさんを可能な限り多くの人に知ってもらうべく、自社セミナーへの登壇やコミュニティなどの場にも積極的にお繋ぎするようにしています。
▼導入事例
▼導入事例インタビュー後に登壇いただた例
それ以外にもeBookやコンセプトブックへの掲載、過去には新聞社からの取材依頼に対して、導入事例インタビューしたユーザーさんをご紹介するケースもありました。
このように様々な場への出演にご協力いただくことで社内外における認知度が向上し、結果的にユーザーさん自身の今後のキャリア形成に何かしらの良い影響が生まれることがあります。
実際、記事公開以降のやりとりの中で、「実は昇進しました」「キャリアアップのために転職しました」といったお話を伺うことも少なくありません。
大げさにいえば、ユーザーさんが歩むシンデレラ・ストーリーの第一歩目として導入事例が貢献できる(そうなってもらえると嬉しい)側面があると考えています。
3.未来のアドボケイト発掘に
企業のマーケティング活動において、アドボケイトはとても大切な存在です。
そのアドボケイトをいかに発掘するかの観点でも、導入事例が未来のアドボケイト発掘の格好の場になります。
(アドボケイトとは:直訳で擁護者、支持者、主唱者の意味。ここではプロダクトやカルチャーに共感してくれている熱量の高いユーザーさんとご理解ください)
インタビューを通じて、ユーザーさんの成果を知るだけでなく、従業員さんへの想いや導入推進にこめた想いに触れる場面が多々あります。そういったユーザーさんはとくに「2.」で前述したようなイベント登壇やコミュニティ活動にも積極的にご参加いただけるケースが多いです。
取材時に話が盛り上がると、「ぜひ今後も継続的に関わっていただきたい……!」と密かに思っていることが多いです。
4.セールス・カスタマーサクセスにとっての成果の見える化
取材対象の選定や打診時の協力など、社内メンバーの協力なしに導入事例は成り立ちません。とくに導入を後押ししてくれたセールスや、導入後にユーザーさんと伴走してくれているカスタマーサクセスの存在は不可欠です。
社内でも日々取材先候補として多くのユーザーさんを推薦してもらっているのですが、そんなメンバーにとっての成果を「見える化する」意味でも導入事例が一役を担えると考えています。
セールス・カスタマーサクセスが担当したユーザーさんの勇姿が記事として掲載されることは、ある意味でこれまでの業務での貢献がわかりやすく「形になった」とも言えます。
様々な過程を経て「導入事例」にたどり着いたからこそ、その価値を社内の他のメンバーにも知ってもらいたいというの想いも込めて、記事公開のアナウンスの際には必ず担当者の名前も併記して紹介するようにしています。
5.接点が少ないユーザーさんとのコミュニケーション機会の創出
商談をおこなうセールスでもなく、日頃から接するカスタマーサクセスでもない、ある意味で第三者的な立場ともいえるインハウスエディターだからこそ、導入事例を担当することでいい効果が生まれることもあるとと考えています。
ユーザーさんによっては、必ずしも定期的なコミュニケーション機会がある方々ばかりというわけではありません。そんななか、導入事例インタビューを実施することで、これまであまり接点の多くなかったユーザーさんと新たなコミュニケーションを生み出すキッカケにもなります。
場合によっては、それがサービスの解約の防止に寄与するなんてこともあるかもしれません。
6.取材時のこぼれ話が社内メンバーのモチベーションアップに
導入事例インタビューの際には、結果として記事に載せられなかった「こぼれ話」も数多く生まれています。
過去に担当したセールスへの心温まるコメントだったり、日頃利用いただいているチャットサポートへの高い評価のコメントだったり。自分のこと以上に嬉しくて、いつも誇らしい気持ちになってしまいます。(導入事例を担当したことがある人なら共感してもらえるはず!)
とはいえ、導入事例の記事の体裁を考えてみると自社や自社メンバーに対して嬉しいコメントばかりが並んでしまうと、ややバランス感覚が失われた記事になってしまいます。
そのため、記事では必要な範囲内での紹介に留め、そこで取り上げなかった嬉しいコメントについては直接担当のメンバーへ伝えるようにしています。
取材を通じてユーザーさんからいただいたメッセージは、該当の担当者にとってモチベーションアップにも繋がると考えています。
おわりに
導入事例制作に携わっていると、ユーザーさんによる導入にこめた想いや担当している(&していた)メンバーへの心温まるお話をいただくことが本当に多く、励みになっています。
会社によってはインハウスエディターではなく、別の職種の方が導入事例を担当することも多いと思います。あるいは、外部の制作会社さんへ制作を依頼されているケースもあるかと思います。
そんななかでも、今回ご紹介した導入事例制作の過程で生まれる様々な効果は、インハウスエディターであればなおさら生み出しやすく、その後の様々な活動にも相乗効果を発揮しやすい内容ばかりだと考えています。
今後もよりインハウスエディターならではのフットワークの軽さと柔軟性を活かしつつ、「導入事例」の可能性をさらに追求していきたいと思います。
おわり。
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