服を手放したリサイクルの先に目を向ける
こたにともこです。パーソナルスタイリストとして服選びやコーデ作成のサポートをしたり、医療用アパレルで働いたりしているパラレルワーカーです。
久しぶりにブログらしいことを書きます。
アパレル・ファッション業界に長く携わってきて、影の部分は語られることが少ないのに違和感がありました。光の部分は、新商品のことや最新のコーデ、おしゃれに見える方法。影の部分は、たくさん作って売れ残った商品や気軽に買って捨てた服のたどり着く先「大量生産・大量消費・大量廃棄」のこと。SDGsやサスティナブルが注目されて久しいですがアパレル業界が環境負荷が高いことはあまり知られていないように思います。知られていないというより、そこに意識が向けられることがないというか。
友人に「大量廃棄」の話をしても、「リサイクルしてるから大丈夫じゃない?」と言われてしまう。リサイクルするからいくらでも捨てていいというのは違うし、アパレル産業はサスティナブルを謳いながら作り過ぎの問題を抱えてるんだよと思いつつ、私もリサイクルのその先は知らないから何も反論できずでした。こちらのケニアのリポートはリサイクルのその先がわかる記事です。
「地平線まで広がるゴミの光景」とは衝撃的で安易な断捨離・手放しを反省しました。つくる責任もあれば着る責任もある。私は販売員をしてきましたが欲しい欲を刺激して次々と売り、売り上げの数字を取ることだけが評価される風潮に違和感がありました。パーソナルスタイリスト、イメージコンサルタントとして活動を始めて段々と単に似合う提案をするだけではなく、適切なものを選び適切に持つアドバイスをしたいと思うようになりました。影の部分はみんな正直興味はないと思います。興味があるのはどうすればおしゃれに見えるかとかそういうことですしね。でも影の部分も伝えていかないと世界は良くならない。
リサイクル素材を使ってるからサスティナブル製品です!というのもよく見かけます。リサイクル素材をリサイクルするシステムが確立されておらずすごくお金がかかってしまうと聞いたことがあります。お金がかかるから廃棄するということになるのでリサイクル素材だから買って安心というのも考えが必要かもしれません。
ファッション産業の大量生産・大量消費・大量廃棄についての環境省のページです。日本では50万トン以上の衣類が廃棄されているそうです。
私自身、偉そうに言えるほど知識があるわけでもないですし、「可愛い」と安易に買って失敗することも多々あります。興味を持ってもらったりしながらちょっとづつ私も学んで衣服について習慣を変えていきたいと思います。
前述の環境省のページにこんな画像がありました。(シェアOKだそう)
「安く買い、流行のシーズンが終わったら処分するサイクルを見直したい」けど「満足いくお洋服が見つからないから色々買ってみてはしっくりこない」を繰り返している方が多いのではないでしょうか。ファッションは絶対的な正解がありません。正解を見つけたいから診断系が流行るのでしょうがそれを知っても正解に直結することはありません。正解を導き出すキーワードは「自分がどう存在したいのか」考えることです。一人ひとり違いますから個別のアドバイスが必須だと感じます。
先日こちらのニュースを目にしました。EUでは売れ残り服の廃棄が禁止されたそうです。作り方売り方の流れが大きく変わると思います。日本ではどうなるのか、注目です。
ファッションは人生に豊さや喜びをくれるものだと思います。自分の気分が上がったり自信に繋がったり、素敵な装いの人がいると周りの人もちょっと心がハッピーになったりします。豊さや喜びの循環が未来にも届きますように。