ピアノ教師のお仕事:「教えないこと」
サミュエル・スマイルズによって書かれた「自助論」は、明治時代の日本においても大ヒットセールスを記録した歴史的な書籍です。
その影響力は、令和の時代に生きる僕たちにも及んでおり、Amazonでも容易に手に入れることができます。
この本は、「人生は自分の手でしか開けない!」という力強いメッセージで第1章が始まります。
この言葉は、私たちピアノ教師にとっても重要な教訓だと心に刺さります。
と言うのも、僕たち教師は、子供(生徒)のピアノ上の困りごとについては、ほとんどの部分で解決方法を熟知しています。
だから、すぐにでもすべての答えを教えてあげたいという衝動に駆られます。
でも、そんなことをしてはいけないのです。
教師としての役割は、「どこまで教えて、どこから教えないべきなのか。」を見極めることにあります。
人生は長く、困難は成長と共に大きくなります。
困りごとは、成長のための課題であり、チャレンジなのです。
一流の教師は、生徒が自ら学んだと感じさせることができる人。
「自助論」の冒頭を読むたびに、僕はちゃんと出来ているだろうか。
自問自答が始まります。
教えることは、教わること。
今日も、この仕事をさせていただいていることに感謝しています。