2月4日 「世界対がんデー」
おにぎりの記憶。 2007.11.05 Monday
「私には最後に『きちんと死ぬ』
という仕事が残されている」
あるフランス人の、がんとの闘病生活に関する翻訳の資料に、
釘付けになってしまった。
「きちんと死ぬこと」=「その人らしく生き抜くこと」と
淡々と説く、
今はもう亡き誰かの言葉は、
その人がもう存在しなくとも、息づいているように感じられた。
欧米では、がん医療の先にある緩和ケアが進んでいる。
患者が最も大切であると考えていること、
そして愛する人に最も記憶に留めておいて欲しいこと等に関して面接を行い、その内容を書き起こし、
編集後に患者に提供するそうだ。
そして、この記録は家族や愛する人に残される。
がんの死亡率は高い。
でも、がん以外の原因で死ぬ確率はもっと高い。
人間は、がんにかからなくても、必ず死ぬから。
だから、美味しい手作りおにぎりの記憶を身体に刻んで、
きちんと死のう。